馬呆 BAHO
"BA vs HO 2000年一本勝負"









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 2000年、記念すべき2回目のライブはBAHO(馬呆)の自分にとって実に7年ぶりのライヴだった。
 東京のギター馬鹿 チャ―と大阪のギター阿呆 石田長生(おさむと読む)の超絶、激笑 アコースティックギターDuo、BAHOは89年に結成され 90年にCDデビュー。90年代前半は チャ―や石やん(石田長生の事を我々、ファンは親しみを込めてこう呼ぶ)のソロ活動の合間を縫って 積極的に活動し、私も彼らのライヴには3回ほど参加し、ライヴの楽しさを堪能したものだった。しかし、93年以降は局地的な(主に関西地方?)活動はあったものの、それは表立ったものではなかった。
 ところが、この2000年に、本格的に活動を開始、7年ぶりの全国ツアー(札幌、東京、大阪、福岡、名古屋)が行われた。そして ここ名古屋、ダイヤモンドホールでのライヴがツアーの最終日だったのだ。
 今回のライブ、意外にも全席指定。(以前のBAHOのライヴは一度も そういうことがなかった)また会場のダイヤモンドホールには 何度も足を運んだことがあるが、全席指定というのは想像出来ない―ダイヤモンドホールでは オールスタンディングが基本だと思っていたので。
 まあ 指定ということなので開場(PM6:00)ぐらいに間に合えばということで自宅を5:30前に出発した。
 それで 予定よりやや遅れたものの無事、会場に到着。ダイヤモンドホールの入ったフレックスビルに入り、ホールのある階までエレベーターで上がる。すると既に開場されており自分も急いで、チケットをカバンから取り出し、カメラチェックの後、会場入り。なぜ 今回、多少急いだかというと とりもなおさず会場発売のパンフとピンバッチが好評の為、各会場で売りきれているという情報が入っていたためだった。
 しかし 売り場に急いでいくと、とりあえずは売りきれていない様子。
 一応 安心したので自席の確認の為、いよいよ本当に会場入り。一面に簡易な黒いイスがひきつめられていた。
 ダイヤモンドホールでは スタンディングしか経験がないので少し違和感を感じた。
 それから自席の確認をする為、イスの番号を確認していくと....なんと見慣れた場所が。そこは 以前ナイトレンジャーのライヴ(2回分)で確保した立ち位置(オールスタンディングのライヴだった為)とほぼ同じだった。まあ偶然は続くものです。
 それから開演までの40分間がまた長い。一人でいくライヴはこのように間が持たないからつらい。― ということで 今回も暇つぶしの為に小説を持ってきたのだった。
 今回は浅田次郎原作の「鉄道員(ぽっぽや)」文庫本だ。(でも あの会場で文庫本読んでいたのは何百人の中で多分自分1人だけだっただろう...)
 なんやかんやで なんとか時間が過ぎ 時計の針は開演PM7:00を指した。



 実は今回のツアー、東京、渋谷公会堂でのライヴは Viewsicという音楽専門チャンネルで生中継があり、自分もそれをリアルタイムに見ていた事もあり、セットとかセットリストはあらかた把握していた。
 だから今回は最終公演ということで その事前知識などを超えるハプニングや選曲の変更などを期待していた。さてどうなることかと舞台の緞帳があがるのを待ったが、緞帳があがると舞台は東京と同じ まるでプロレスリングを意識したセット。横にはセコンド席、リングアナ、コミッショナー席まである―ここで 少し説明すると 今回のツアータイトル「2000年1発勝負」に引っ掛けて 格闘技よろしく ギターで対決、雌雄を決するというもので、ゆえに対決の場はリングの上となったのだ。
 そして、やがて会場に聞こえてくるリングアナウンサーの声、(東京では宮田リングアナウンサーという本物のキックボクシングのリングアナウンサーが登場して それそれ両者をコールしていた。だがここ名古屋では 残念ながらテープだったらしい。)まず 石やんを「青コーナー 大阪 くいだおれジム所属 いしだ おさーむ」とコール。石やんの曲と共に、客席の横のドアからスポットライトを浴びて登場。ここはライヴ会場というより、まさにプロレス―格闘技の会場そのものの雰囲気だ。この時の石やんの衣装は黒のヘッドギアに石やんお気に入りの格闘技団体”パンクラス”から借りてきたファイティングブーツ、バックに「くいだおれジム」と書かれた青のTシャツであった。ステージに上った石やんはファイティングポーズをお客に誇示、これからはじまる闘いに期待が高まる。
 次にリングアナはチャ―を「赤コーナー クレージー柔術 雑用ジム所属 竹中尚人」とコール、チャ―の曲と共に、こちらは舞台下手から入場。赤コーナーのサンドバック(?)に蹴りやチョップを入れて強さを誇示。ちなみにこの時のチャ―の衣装は頭に赤いバンダナ、それに色々、Charのロゴが書かれた白の胴着(ヒクソン・グレイシーが着ているようなヤツ)だった。東京では、頭に白いヘッドギアを付けていたため、その格好は某宗教団体の信者のそれに良く似ていた(笑)。おかげで石やんに「ポアしてやる」とか「空中クンパカしてくれ」とかの鋭いツッコミも飛んでいたのでチャ―もそれが嫌で今回はやめたのかも.....。
 そして、そのチャ―がギターを取って席に着くまもなく(今回、ステージの用意されたイスはなんともチープな事務用のもの。およそライヴ用でないものを用意するあたりが笑える)いきなり石やんがチャ―のアイドル時代のヒット曲「闘牛士」を弾き始め歌い始める。
 東京よりも展開がやや早いが、予想どおりだ。そう言えばこの曲を聴くのも前回のBAHOのライヴ以来だが 今回は歌詞を”対決”に合わせて変更している―これがなかなか爆笑もの。
 「闘牛士」の後は、間髪を入れずチャ―が石やんの「Everybody 毎度 on the Street」を歌い始める。この曲をチャ―主導で歌い始めるのを聞くのは結構貴重なことだ。この曲も先程の「闘牛士」と同じように歌詞をかなり変更しており 爆笑ものである。3曲目はお馴染み「BAHO'S RAG」
 4曲目に入る前に軽くMC。石やんの「次はジャズだ」に対し、チャ―は「ジャ、ジャズ!?....」「ジャズは勘弁してくれ」「俺は ロックだあ!!」とお答えになり、石やんは「アコースティックでロック?」「じゃ 100歩譲って2歩下がるということで ROZZ(ロックとジャズの折衷ですね)はどうだ」 チャ―「わかった」....などとやりとりがあり4曲目は「ROZZ」となった。  この「ROZZ」は大阪で昨年、行われたライヴでも演奏されたもので、Deep Purpleの「Highway Star」、Creamの「Sunshine of your love」、Led Zeppelinの「Whole Lotta Love 」などをジャズ的に崩して メドレーでつないでいくというものであった。今回は昨年と構成的にあまり変更はなかったが最後にLed Zeppelinの「移民の歌」を加え、チャ―の雄叫びが聞こえたのはこれまた貴重な事だった。そしてここから 今回のライヴで最高の爆笑を誘った”対決コーナー”の始まりである。


 まず、対決コーナー その1 「漢字ひらがな対決」

 ステージ上に 「上を向いて歩こう」の歌詞が書かれた垂れ幕を持ったローディが二人登場し、その二人が垂れ幕の両端を持って支える。
 リングアナの「漢字ひらがな対決」のコールはあったものの大して説明もされず、石やん、チャ―は「上を向いて歩こう」を弾き始める。この対決は歌詞の漢字の部分をチャ―が歌い、ひらがなの部分を石やんが歌い(もしかして逆かも?)、対決するものであるが事前に説明もないこともあって 客はきょとんとしているようだ。だが 今回は東京でのライヴよりも双方、ミスすることもあまり無くなって学習の効果ありとみた。
 その後、例によって我々客にも同じことをするように強制(!!)男子は漢字担当、女子はひらがなということで 会場は正に歌声喫茶状態(って よく知らないけど)。なんとも...まあ....楽しいからいいけど。


 対決コーナー その2  「チョーキング禁止ルール」

 まずチョーキングについて説明せねばなるまい。チョーキングとは 主にエレキギターで使われる奏法の一種であり、ギターのネックを握っている方の手でギター弦を上方向や下方向に手首の回転で引きあげ音程を半音以上上げるものである。ちなみに外国ではベンディングといいます。
 それで ロックギターの常套手段”チョーキング”を禁止するということは、どれだけ大変お分かり頂けたと思うが、これに石やんの提案で”ビィブラート”(弦を上げ下げして音を揺らす効果)も禁止ということで(但し、クラシックギターの横方向に指を素早く揺らす クラッシック式”ビィブラート”は可)この対決は見物であった。おまけに”チョーキング”と”ビィブラート”だらけの「ブルース」がテーマということでかなり笑えました。チャ―の苦し紛れのクラッシック式”ビィブラート”は 決してソロのライヴでは見られないものです。
 またチャ―は プロレスのチョーク攻撃(反則技)に相当する ボトルネック(前述の会場発売のピンバッチがこのボトルネックに入って販売されている為、これを利用した)を使って演奏をしたり、禁じ手の”チョーキング”を行ったりしてコミッショナーにイエローカードが提示されるなど対決の図式が濃く表れたものだった。結局、この対決は チャ―の最後の手段、お馴染みの「禁じられた遊び」を弾くことで両者ドローとなった。


 対決コーナー その3  「ツェッペリンルール」

 お馴染みLed Zeppelinの曲で対決ということで チャ―曰く「そのヘンの楽器屋で誰でも弾いている曲を」という事で定番「天国への階段」をチャ―が弾き始める。(でも 最近この曲を楽器屋で弾く人はあまりいません。経験談)それに合わせて 聞きなれた曲を石やんも弾き始める。
 「荒城の月」だ。意外にもこの曲は「天国への階段」にハマル。
ということで このコーナー曲のタイトルは「荒城への階段」となったようです。


 対決コーナー その4  「サウスポールール」

 これは見たまんまのギターを持ち替えて(右手でギターを握って、左手でピッキングするもの)弾くのですが簡単に出来るものではありません。
 その結果、小学生1年生頃みんな音楽の時間にやったと思われる「かえるの歌」の輪唱をギターで演奏。とりあえずなんとか出来ました。


 対決コーナー その5  「ウクレレ対決」

 このコーナーが 今回のライヴで最高の笑いを誘ったものです。
 ヘンな格好をしたおっさん二人(失礼!)が ウクレレ持ってステージにいる訳ですから 見た目で既に可笑しかった。 そして 最終日公演ということで いつもより長めにやろうというチャ―の提案で最高に楽しめた。


 例えば このコーナーではこんなMCがありました。

 石やん「竹中行くぞ!」
 Char「どこ行くんだ、こんなウクレレ持って。」
 Char「親にも見せられない。」
 石やん「おれだって。」



 このコーナーではお題を決めて ウクレレでハワイアン風の曲を弾きながら、そのお題に適した言葉を言い連ねていくものでしたが、まず第一のお題が「名古屋名物」。チャ―が「ういろ」「八丁味噌」「手羽先」と答えていく。続いて第二のお題は「名古屋出身の有名人」。石やんが「イチロー」「竹下景子」....と答える。するとここでチャ―は「誰もここにおらんやんか」と口をはさみ。石やんはすかさず「当たり前や」と答えチャ―は「竹下景子ぐらいいてもいいやろ」と言い返す。(ちなみに 女優の熊谷真美さんが本当に会場にみえていたそうです、名古屋出身ではないですが)なんとも、掛け合いは漫才のようだ。第三のお題は「名古屋出身のバンド」。チャ―が「センチメンタルシティロマンス」「ショータ― Peal」「ブランキージェットシティ」と答えた。
 第四のお題は「名古屋の名所」但し「名古屋城、ナゴヤドームは禁止」。ということで石やんは「レインボーホール」「愛知県体育館」「露橋スポーツセンター」と答える。でも全てプロレス会場として使われるところばかりなのは笑えます。引き続き第五のお題は「中日ドラゴンズの選手」。チャ―が福留とか中村の名を挙げました。それを受けて第六のお題は「昔の中日の選手」。石やんは「牛島」「モッカ」ときて「中尾捕手」と答えこの「中尾捕手」がチャ―にはツボだったらしくウケてました。そして最後に「板東英二」と答えて見事にオチがつきました。
 そんなこんなで一区切りついたウクレレ対決も The Whoの「Summertime Blues」をハワイアン風にまとめ演奏したことで終了しました。


 対決コーナー その6  「エレキ対決」

 アコースティックライヴなのに ここで両者、エレキを持って本来のロックギタリストとしてはじめて対決した。
 石やんは お馴染みの自分のシグネイチャーモデルのストラトタイプのギターを用意、チャ―はなんと少年時代初めて弾いたというGuyatone製のギターを持ち出してきた。(ギターのヘッドには なぜかBeatlesのロゴが貼ってあるというあの時代を象徴するかのようなビザールなギター)
 石やんはそのギターを見て「なんや その鉄板ギター」とつっこむ、チャ―は石やんのギターを「なんや その既製品は」とやりかえす。それにしてもギターに既製品とは....。
 そして はじめるBAHOでお馴染みの「BAHO'S BOOGIE」。いわゆるJEFF BECKの「Jeff's Boogie」のBAHO版アレンジ作品です。この曲では 両者水を得た魚のように各々弾きまくる。
 まさに早弾きのバトルという感じ。しかしヒートアップし過ぎたところで 無常のゴングが...そして舞台の緞帳も下りて1部が終了し、10分間の休憩に入った。


 トイレ休憩程度10分間の後、再び宮本リングアナの声が会場に響き渡る「東洋太平洋著作権協会の取り決めにより、両選手は今後、タッグチームを組むことになりました...」と。すると再びチャ―&石やんがステージに登場 ― 登場曲は なぜか「ビューティペアのテーマ曲」。チャ―のこの時の衣装は真っ赤なスーツ、石やんはTシャツ。そして 両者ともお馴染みの帽子を被っている。
 演奏の為、前述のチープな事務用チェアに座ってもご丁寧にも「ビューティペアのテーマ曲」のステップを踏むご両人。またまた爆笑を誘ってました。
 やがて 始まったのは「STONED BAMBOO」。これに続くのが石やんの「アミーゴ」ということでこの当たりの流れは定番中の定番。
 そして 次の曲がチャ―の代表曲でもある「ALL AROUND ME」。この曲は自分にとって大変思い入れのある曲である。それは 昨年からこの曲をギターで頻繁に練習していたこともあり、もうこの曲を何百回聴いたか数え切れない。それだけに思い入れが深く、自分にとってこの曲こそが今回のライヴのハイライトでありました。(その時、チャ―と石やんの間に挟まれて自分が一緒に演奏している気分にさえなりました。)
 そんなハイライトの後、演奏されたのが 石やんの想い出の曲「SOUL SHADOW」。なんでもクルセイダーズのカバーとか。石やんが好きということで実にソウルフルな曲。それにチャ―のギターとコーラスも決まっていた。
 そして次の曲が「BlackShoes 〜 気絶するほど悩ましい」。もうBAHOでは定番中の定番のメドレー。これを聞きたくてライヴに行っている人も多いことだろう。チャ―自身ソロでは絶対やらないアイドル時代の名曲「気絶するほど悩ましい」もBAHOならなんの抵抗もなく演奏できる。やはり、この自由さがBAHOの魅力ではないだろうか。
 「BlackShoes 〜 」の大きな盛り上がりの後、今度は石やんのヒット曲「ラ・ジ・カ・セ」
 いつもながらの石やん節を聞かせてくれた。
 お次も石やんが主導権を取る「Memorial Pink」。石やんの名ギターインストだ。オリジナルはエレキの曲なのだが、流石、自分の曲ということで石やんは見事にアコギで再現していた。
 そして それを受けてチャ―もギターインストを披露。どこかで聞いたことがある曲なのだが残念ながらタイトルはわからず(後日、「11 Years」というタイトルの曲と判明しました)....。
 その次は 今回のライヴで一番の驚きのカバー曲。Eric Claptonの「Wonderful Tonight 」
 個人的にも大好きな曲であるので非常に嬉しい選曲である。それにクラプトン自身、この曲をアンプラグドでやったということを聞いたことがないので その意味でも貴重である。チャ―のクラプトンフリークぶりは有名だが(最近でも 佐藤竹善とチャ―で「Change the World」をやってました)この曲というのは意外だった。
 意外な選曲の後は 石やんの「Brothers & Sisters」。これまたいつもながらに石やんはしっとりと歌い上げてくれました。
 しっとり系の後は、これもBAHOでは定番のベンチャーズの「Diamond Head 」― 私はベンチャーズをBAHOで憶えました ― そしてそれに続く 石やんの未発表曲「酸素」は「すきま風から酸素を取れ」というサビのフレーズが印象的です。
 そろそろライヴも終盤に差し掛かって ここでうれしいハプニングが。
 実は次の曲に予定されていたと思われる(東京公演と同じであるならという前提ですが)新曲「HOPE」がここナゴヤ公演では Pink Cloudの名曲「UNCLE JACK」に差し換えられていたのです。
 リフを中心としブルーズハードロック的なこの曲を 思いがけず聞けるなんて...うれしい誤算。
 またこの曲ではチャ―がブルーズハープを披露する点も魅力でもあるので、それが聞けただけでも今回のライヴは儲けものだったと言える。
 「UNCLE JACK」で盛り上がった勢いは 次の石やんの「HAPPINESS」で最高潮に達した。
 この曲が始まると同時に、みな一斉に立ちあがり、今回初めての”オールスタンディング状態”。
 いつものように石やんのカッティングを中心として 合間に色々な言葉で 我々客を煽る、煽る。
 そして石やんと客の”コーラスのキャッチボール”はまさにこれがライヴにおける「コール&レスポンス」なんだなと実感させられる。それにしても 石やんは思いつきで 色々な言葉が飛び出してくるのか。それも見事に曲にハマッているし。すごいです。そして最高に楽しかった。
 最高に盛り上がったところで 今度はチャ―の最終兵器「SMOKY」が 印象的なリフと共に飛び出してくる。
 もう何も言うことがない”Japanese Rockの金字塔”である「SMOKY」はチャ―がソロであっても、バンドであっても必ず演奏されるものだ。それゆえにBAHOであっても 盛り上がり方は凄い。そしてこれがチャ―が日本のギターヒーローと言われる所以がよくわかる瞬間でもあるのだ。


 「SMOKY」が終了し、最高の盛り上がりの中、チャ―と石やんはステージから我々客に別れを告げ、一旦、ステージを去っていく。しかし鳴り止まぬ拍手と歓声。
 それが5分ぐらい続いただろうか、またステージが明るくなり やがて現れる二人。
 チャ―は赤いスーツであるが、素肌に着ているようだ。石やんは先程と衣装は変わらないが、頭にタオルを巻いているようにも見える。そんな中、我々お客は依然として”オールスタンディング状態”。とりあえずチャ―は「まあ みなさん座ってください」と最高レベルまで達し過ぎた盛り上がりを冷ます。
 そして、始まった曲が超難易度なギターインスト「TREMENDOUS」。双方持てるだけのテクニックを全てぶつけてくるかのようなこの曲に感嘆の声が上がる。ジョン・マクラフリン、パコ・デ・ルシアの”スーパーギタートリオ”にも負けない凄さだ。
 そして「TREMENDOUS」でクールに盛り上がった後は、今回のライヴで客から一番の驚きで迎えられた曲「STORIES」。
 この曲は チャ―のジョニー、ルイス&チャ―時代の名曲で「TRICYCLE」というアルバムの1曲目に収められているらしい。なんでもオリジナルは英語詩らしく、ジョニー、ルイス&チャ―のメンバーの出会いを歌っているようだ。
 でもこのBAHO版「STORIES」は そのチャ―と石やんが出会った頃の思い出 ― 27年前の名古屋市公会堂で行われたイベントで はじめて出会い、お互い意気投合して電話番号を交換した ―を日本語で歌ったものでした。
 特に その舞台となったナゴヤでのライヴなだけに心に響くものがあった。特に石やんのチャ―を指して「27年前に出会った少年が ここでギターを弾いている」という歌詞には感動した。




 この「STORIES」をもって、大盛況のライヴは終了したが、今回のライヴ、東京公演の中継を見ていることで ある程度手のうちが判っているというハンデもあったので楽しめないのではという危惧もあったが、そのような心配を撥ね返すような楽しいライヴだった。
 確かに、セットリスト、MCが東京公演とほとんど同じ、おまけにギャグも同じという自分にとってかなりつらいものであったが、それでも思わぬハプニング、セットリストの変更などで心から楽しめた。
 今度いつBAHOのライヴが見ることが出来るのか判らないが、多分また駆け付けることだろう。







SET LIST
1闘牛士
2Everybody 毎度 on the Street
3BAHO'S RAG
4ROZZ
(Hiwaystar 〜 Sunshine of your love 〜 Whole Lotta Love 〜 移民の歌)
5漢字ひらがな対決    上を向いて歩こう
6チョーキング禁止ルール ブルーズ 〜 禁じられた遊び
7ツェッペリンルール   天国への階段 〜 荒城の月
8サウスポールール    かえるの歌
9ウクレレ対決      ハワイアン替え歌 〜 Summertime Blues
10エレキ対決       BAHO'S BOOGIE
第2部
11STONED BAMBOO
12アミーゴ
13ALL AROUND ME
14Soul Shadow (クルセイダーズ)
15BlackShoes 〜 気絶するほど悩ましい                 
16ラ・ジ・カ・セ
17Memorial Pink
1811 Years
19Wonderful Tonight (Eric Clapton)
20Brothers & Sisters
21DIAMOND HEAD (ベンチャーズ) 〜 酸素
22UNCLE JACK
23HAPPINESS 
24SMOKY
・・・Encore ・・・
25TREMENDOUS
26STORIES (ジョニー、ルイス&チャ―)











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