カントリー・ガールズ
「愛おしくってごめんね/恋泥棒」
発売記念ミニライヴ








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嗣永桃子/稲場愛香/島村嬉唄/小関舞/森戸知沙希/山木梨沙









 1999年、半農半芸をコンセプトとしたアイドルグループ カントリー娘が誕生。田中義剛が経営する花畑牧場で 働きながら北海道を拠点に活動をしていた彼女達が、東京に拠点を移したのは2003年の事であった。

 しかし、この「カントリー娘」ほど、紆余曲折のあったアイドルグループは珍しい。
 初期メンバー柳原尋美の事故死。初代リーダー小林梓の脱退、あさみ、みうなの加入。モーニング娘。の石川梨華、藤本美貴、紺野あさ美のゲスト参加。里田まいの加入とメンバーの入れ替わり立ち代わりが激しかった。
 最終的に、その里田まいのみがメンバーとして残り、ほぼグループとしての活動は終わったが、「このグループを守りたい」という里田のたっての希望で「カントリー娘」という名前だけは残ったのだった。
 そして−里田とマー君こと田中将大投手の結婚。あの大記録とメジャーへの移籍。俄然、里田まいへの注目も集まった。
 これにより事実上「カントリー娘」の消滅は決定的、あるいはフェードアウトは仕方がないと思われた矢先、2014年11 月に突然、「カントリー娘」の再始動が告げられた。しかも「世界に通用するグループに成長するように」との事で名前もカントリー・ガールズへと改名された。
 それだけではない。モーニング娘。'14オーディション応募者、ハロプロ研修生がメンバーとして選出され完全に生まれ 変わったのを手始めに、物理的に参加が難しい里田まいをスーパーバイザーとし、2015年3月3日で無期限の活動停止をするBerryz工房のももちこと嗣永桃子がプレイングマネージャーとして加入するというビックサプライズ。これには誰もが驚いたのは言うまでもないだろう。
 プレイングマネージャーとは選手兼任監督と訳される。つまり、嗣永桃子はカントリー・ガールズに加入して、アイドルを続行するという事なのだ。
 12年間、ハロプロ・キッズとBerryz工房でアイドルの王道を歩んでもなお、再びアイドルグループに入る−最年少メンバー小関舞と実に10歳もの歳の差があるというのに。というのは驚愕するしかない。
 そんな驚きの発表から約1ヶ月。「カントリー・ガールズ」のお披露目が年末のカウントダウンコンサートで早速、行われた。
 80年代を直撃するような王道のアイドルソングに、島村嬉唄の曲中に見せたマジな恥じらいの表情に会場に駆けつけた オッサンファンは誰もが胸を射抜かれたのだった。
 年が明けて、2015年−冬のハロープロジェクトコンサート。「カントリー・ガールズ」の正式披露となった訳だが、メンバーの小関舞がインフルエンザとなり、歌割りを補充する為に急遽、ももちが合流。3月3日以前に、ももちありきの「カントリー・ガールズ」を披露するというサプライズとなった。
 そして、北海道でのハロコンにて「カントリー・ガールズ」の3月25日メジャーデビューの報告が為された。これはもちろん「カントリー娘」が北海道を拠点に活動を開始した事に敬意を払っての事である。

 早速、メジャーデビュー日に向けてリリースイベントが開始され、全国各地、ももちを除いたメンバー5人でパフォーマンスを続けた。
 3月3日、Berryz工房−武道館にて無期限活動停止に入ると翌日からももちは「カントリー・ガールズ」に正式合流。
 デビューに向け、精力的に活動を開始した。

 3月21日。遂に「カントリー・ガールズ」は単独での名古屋初上陸した。
 晴天に恵まれたこの日。近鉄パッセの屋上ステージには朝早くから多くのファンが詰めかけた。
 一日3回のステージ−一体、どれぐらいの人が集まるのか?
 Twitterや2chの狼スレで注意深く動向を探っていたが、13:30からの1回目のステージには既に整理券番号が800近くも配布され、「今日はとんでもない事になるのでは?」と危機感を煽られたのだった。
 ゆえに予定を早めて、会場に向かう事にした。狙うは18:00からの3回目の公演。名古屋駅の近鉄パッセ、9階のタワーレコードに着くと店内の臨時予約カウンターは既に人でごった返していた。屋上で予約と聞いていたが、予定が変わったらしい。
 なんとか予約用紙に記入し、支払いを済ませて手にした整理番号は420番台。番号はランダム配布と聞いていたが.....既にこの番号が出ているという事はかなりの人数を覚悟した方が良いのでは?と危機感は余計、増していったのである。しかし、420番なんていう番号ではほとんど見えないんじゃないか?と不安は頂点へと掛け上がっていった。
 集合時間の17:30まで、時間を潰し再び、タワレコに戻ると係員に誘導され、いよいよ屋上に上がった−すると其処では人が渦巻いていた。
 自分の番号から言っても既に400〜500人ぐらいは集まっているように思えた。

 ステージ前方に区切られた優先エリアへ、整理番号順に入場が促された。
 エリアが徐々に埋まっていく。
 自分の番が呼ばれる頃になると、前の方は立錐の余地もないぐらい人で埋め尽くされた。見えるのは人の頭ばかり。背の高いオタの後ろにならないように自分の位置を調整した。
 開演時間の18:00となり、スタッフの女性が登場した。
諸注意の後、遂にメンバーが呼び込まれた。すかざす響き渡る歓声と、メンバーへの掛け声。
 登場と同時に始まったのはデビュー曲の「愛おしくってごめんね」である。
 ステージ全体を見渡す事は出来ないが、スピーカーの影に見え隠れするのがももちか。恒例の「ももち結び」をしていないのは、PVを見ていれば判っていたが今まで見たことがない髪型で、「あれっ ももち かわいい?」と不覚にも思ってしまった。(後で調べると、『恋泥棒』のPVと同じであったのだが)

 それにしてもこの曲中の掛け声が凄い。
 特にソロ歌唱部分とセリフの部分。

「嬉唄ちゃん 嬉唄ちゃん」
「知沙希 知沙希」
「おぜき おぜき」


一体、俺は、何しているのだ?

と軽く目眩を覚えるほどだった(苦笑)

 1曲、披露し終えると自己紹介となった。
それぞれが年齢と学年、出身地、本公演の豊富を述べるのだが、やはり最後のももちが持っていく。「千葉県出身 23歳 プレイングマネージャー 嗣永桃子です」
 2曲目は、本日、遂に初披露となったカントリー娘のヒット曲−「浮気なハニーパイ」

 あさみ、みうな、里田まい、紺野あさ美、藤本美貴らが歌っていたPVやライブ映像、またはハロコンで後輩メンバーが歌い踊っていた映像を見た事があるぐらいだがこの1曲で、カントリー・ガールズがカントリー娘のまごうことなき後継者である事を実感して、感慨深くなった。これに、里田まいが本格的に合流したら往年のファンだったら 堪らないのではないだろうか。

 曲後は再びMC。アイドルイベントではお馴染みのゆるーいクイズである。
 近鉄パッセ内にあるお店伊勢虎屋の”ういろ争奪”という名目のクイズコーナーだったのだが、ここでのももちが最高に冴えていた!
 クイズと言っても『じゃがいもを使った料理を一人、一つずつ答えて下さい』というような高度な知識を問うような問題ではない。それを元に得意料理へと話を膨らませるのが目的であったようだ。
 17歳の最年長メンバーの一人、山木梨沙が司会となって進行するが、ハロプロ一の才女というだけあってトークスキルもなかなかである。ちなみに私の推しだったりする(笑)
 このコーナー最後の問題「私、山木梨沙の好きな処を答えて下さい」では、もはやクイズとは言いがたいものであったが、これが問題の本質からドンドン外れていって最高に面白いものとなっていった。


小関「この前、暇してたんですよ。今日、何しよっかな。と思っていたんですよ。そしたら、梨沙ちゃんが『今日、暇な人〜?』って言ってくれて、嬉しくて。ハーイ暇、遊ぼうとか言って」

ももち「今、私がなんで笑ってるか 理由判る人、居る?」

ももち「暇な人いるって、みんなに一斉に連絡をして....来てないけど??」

メンバー「あれ あれ あれ」

ももち「個人ラインで聞いたんじゃないよね?」

他のメンバーが激しく動揺する(苦笑)

ももち「あれ? あれ?」

山木「この際だから、ずっと気になっていた事を訊いてもいいですか?」

山木「ももち先輩、メールが短いですよね。だからメール自体、好きじゃないのかなと...」

これには、メンバーどころか、我々、観客も「ああー」とため息が漏れるほど大いに納得しているのが感じられた。

山木「色々悩んだ末に、ももち先輩には聞かなかったですが、必要以上のどうでもいいメールに ももち先輩を入れてもいいのかどうかと....」

ももち「それってさ、5人ラインと6人ラインがあるって事?」

その核心を突いた質問に、場内、大爆笑

ももち「そういえば、最近、6人ラインは需要がないよね」

再び、大爆笑。

山木「だって、どこに何時に着きそうとか、凄いですよ。朝早くから」

稲場「秒単位で来るんですよ」

山木「じゃ、一日やってみますか?」

ももち「なんなの、その期間限定みたいな!意味分かんない」


 とりあえず、本日のイベント終わりから、明日の大阪のイベント終わりまで『体験入学』という形で5人ラインに参加する事となったももち。
 この話題はすぐさま、ネットを介して伝播され、あとあと、ネタにして笑いに変えたのは流石としか、言いようがなかった。
 普通に考えれば、仲間はずれ=いじめと考えずにはいられない処なのだが、瞬時に「これはネタになる」と思って、面白おかしいものに転化したのは、ももちの頭の回転の速さを見せつける事となった。

 で、その5人ラインに参加した結果−
 ももち「だってお風呂出たら、もう50何件とかあるんですよ? ピコーンピコーンって壊れたのかってくらい」

 案の定、早々に5人ラインのグループから抜けてしまったという事である。(良いオチがついた??)
 クイズも全問正解?となり、ういろを獲得したメンバーは喜びを爆発させていたのだった。
 大爆笑となったMCの後は、もう一つのデビュー曲「恋泥棒」披露となった。
 これも、完璧な王道アイドルソング。
 「愛おしくってごめんね」と比べても甲乙つけがたい出来である。
 韻を踏んだ「アディクション」「シチュエーション」という歌詞がいい具合に引っ掛かる。心地良い。
 ラストは再び「愛おしくってごめんね」で、イベントは無事終了した。



 イベントの後は、握手会&名刺お渡し会である。
 日が暮れ、寒くなってきたという事で、タワレコ店内に移動して行われる事となった。
 屋上から階下のタワレコまで、長い列が続く。
 「こりゃ、(握手会が)終わるのは8時過ぎだな」
 と周りでは声があがっていたぐらいだった。
 しばらく経つと、列がゾロゾロと動き出した。その動きは意外と俊敏であった。
 夏になれば蒸し暑さが充満する階段を下り、タワレコ店内に入ると握手会会場はお馴染みのエスカレータ横の狭いブースであった。
 そこに長机を並べ、横一列にメンバーが並んでいるのが見える。
その前は何人ものスタッフ、ファンでごった返していた。
 握手の前に手荷物をスタッフに預け、手のひらを見せてやっとその列に加われる事になる。
 自分もそれに倣うと、握手はあっという間であった。挨拶程度に何か話せるかと思ったら さにあらず。そんな余裕など全くない。ハロプロお馴染みの”高速握手会”である。
 あっと言う間に、列最後のももちである。
TVのバラエティや、YouTubeの映像で見慣れたももちの笑顔がそこにあった。
 そのももちから、名刺を貰う。
実は、この名刺が貰えるからと今回のイベントに参加したのだがどのメンバーの名刺が貰えるのかは全くのランダム。その時になってみないと判らない。
 それで貰ったのは、なんとそのももちの名刺だった。
正に、今回のイベントはももちさまさまだったと言っていいだろう。





 先日開催されたHello! Project ひなフェス 2015によれば、今やハロプロの中で要注目のグループであり人気者となった事を認識したカントリーガールズ。
 最新の情報でも愛おしくってごめんね/恋泥棒がオリコンウィークリーチャート・3位というヒットに恵まれている。
 今回、初めてももち以外のメンバーのパフォーマンス、トークを生で触れたがほとんどのメンバーがローカルアイドルや、ハロプロ研修生を経験してきただけにスキルが高かったのには驚いた。
 そこにアイドル12年のももちのトークスキルが絡む。もう、最強である。



カントリーガールズ、間違いなく今年要注目のグループである。










   
SET LIST
1愛おしくってごめんね
MC 1
2浮気なハニーパイ(カントリー娘)                     
MC 2
3恋泥棒
MC 3
4愛おしくってごめんね                   












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プレイングマネージャー・嗣永桃子の名刺

名古屋限定版










 2015年、6月12日深夜


 突然、ショッキングなニュースが飛び込んできた。

「島村嬉唄 途中解約で脱退!」

 カントリー・ガールズ 島村嬉唄に関するお知らせ 

 実は数日前から、ネットではBlogの更新もない、レギュラーラジオ番組にも出ない島村嬉唄には何かあるのではないだろうか?と噂にはなっていた。
 だが、このような噂は始終、上がることで大して気にはしていなかったのだが.....まさか脱退とは。。

 年頭のハロプロコンサートで男どものハートを打ち抜き、一瞬にしてカントリー・ガールズの人気メンバーになった事は記憶に新らしい。そりゃそうだ まだ半年も経っていない。
 かってハロプロからは、トラブルで事務所を辞めていった者は何人かいるのは確かである。
 それは男性関係のスキャンダルであったり....ってほとんどスキャンダルか(苦笑)
 だが、最近はJuice=Juiceの大塚愛菜の例のように本人の問題というより、事務所とその家族の諸問題(契約関係なのだろう)でトラブルとなり辞めていくケースが目立ってきた。
 研修生の場合もデビュー出来なければどんどん毎年、契約が切られ辞めていくが、その中には事務所との問題を抱えていたのも少なからずあったかもしれない。
 だから内部的には、何ら珍しい事ではないのかもしれないが今回の「ご家族と弊社との間に埋めることができない隔たり」「弊社としましても責任あるマネジメントの範囲を超えていると判断せざるを得ず、今般の途中解約」という重い表現は何かただならぬものを感じてしまうのは私だけだろうか?
 島村嬉唄本人には、カントリー・ガールズの活動を嫌がっていたというそぶりは余り感じなかったと言う。
 今は、ただ島村嬉唄から本当の理由、そして率直な気持ちを訊きたいばかりだが、もう叶わぬ夢なんだろう。


 Berryz工房時代でも、仲の良かったという元メンバー石村舞波を卒業という形で見送った嗣永桃子プレイングマネージャーは今、昔を思い出させるような状況にどう思っているのだろう?カントリー・ガールズのBlogでいち早く、代表して発言していたが...。
 ラジオあたりで、ももちの肉声でその思いを聞きたい。


 しかし、昭和の薫りさえする正統派アイドル像をこれから継承していくかもしれない−貴重な人材の成長を今後、見ていく事が出来ないのは本当に残念。としか言いようがない。

(くれぐれも 今度出来るNGT48とか、他の48グループにだけは関わって欲しくない。というのが正直な気持ち 苦笑)














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