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今年の秋ツアーを以って、モーニング娘。'14及び、ハロープロジェクトからの卒業を発表している道重さゆみ。 その卒業まで既に100日を切った今、彼女にとって毎日が『自分にとって、これが最後』という日々を送っているという。 今回のハロープロジェクト・コンサート=通称 ハロコンも道重にとっては最後となる。モーニング娘。加入の13歳から12年以上、毎年夏と冬に参加してきたこのハロプロ総動員のお祭りでの道重さゆみの姿はこれで見納めとなるのだ。そう思うと、外タレ並の高めのチケット代金も悔いにはならない。 私は、”最後ならではの”サプライズを期待して、名古屋公演最後の回を選んだ。道重さゆみにとって、最後のハロコン名古屋公演である。 そんな個人的な思い入れをぶち壊すように、当日は強力な台風が直撃するという最悪な状況だった。だから、当日の朝まで予定通り、本公演が開催されるのどうか全く判らなかった。 強風で傘が破壊されそうな中、余裕を持って家を出たがバス停に辿り着くまでに当然ながら人っ子一人、誰も歩いていない。クルマだけが目立つ、そんな状況である。 しかし、予想外にもバスは定時運行、その先の地下鉄ももちろん定時で結局、会場がある金山にも何の問題なく到着した。地下通路に使って会場である日本特殊陶業市民会館に向かうとメンバーカラーに彩られたTシャツが目立ち始める。特に今回は、ピンクの、道重Tシャツが目に付いた。また、今回がいつものコンサートと異なったのは台風や雨の影響で入場口が正面ではなく、地下通路と直結していた事である。私には願ったり、かなったりであった。 入場し、ロビーに入ると物販コーナーを中心にごった返していた。台風の影響など全く感じさせないぐらいの盛況ぶりだ。ロビーの柱には、ここ最近のハロコン名古屋公演では恒例のCBCラジオ「道重さゆみの今夜もうさちゃんピース」の秘蔵写真が展示され、人だかりが出来ていた。 そして、人並みをかき分け奥に進んでいくと本日のゲストである吉川友とアップアップガールズ(仮)が机を挟み一列に並んで握手会を行っているのが見えてきた。こちらも盛況のようであった。 今回もファミリー席をチョイスした私は二階にあがった。 だが、ファミリー席だと最前が常だったのに今回は3列目。それだけチケットの売れ行きが良いという事なんだろう。(事実、前日の公演よりも客の入りは良かったらしい。) 二階から見下ろした一階の入りも当然ながら良い。色とりどりのTシャツと、サイリュウムの光が見えた。 コンサートは荒天の為か、珍しく10分ほど遅れて始まった。 お馴染みのグループ紹介のビデオ映像の代わりにJuice=Juice、スマイレージ、℃-ute....と次々にステージに登場。短めに持ち歌を唄い メドレー形式でグループ披露した。(モーニング娘。'14が現れた時、一番、歓声が上がっていたような気がした。その次はBerryz工房か....。) グループ紹介が終わると、ハロコンではお馴染みのMC−進行担当のシャ乱Qのまことさんが登場した。 映像では見慣れた人であるが、実物を見るのはこれが初めてである。 まことさんによって荒天な中、入場した観客への感謝と共に、昨日から欠席しているモーニング娘。'14の佐藤優樹欠席の件もあらためて報告された。 次のハロプロ研修生の「青春Beatは16」で本格的に幕を開けた「Hello!Project 2014 SUMMER 〜YAPPARI!〜」公演。 ゲストの吉川友、アップアップガールズ(仮)を含め全28曲、2時間オーバーの長丁場も普段のコンサートよりも、体感的にあっという間であった。 「YAPPARI!」公演はもうひとつの「KOREZO !」公演とは違い、グループの壁を超えたシャッフルユニットが中心の公演である。普段、見られない組み合わせで思いもかけない選曲が披露されるのがこの公演の魅力であった。それは3曲目のスマイレージ「夢見る15歳」から始まった。佐藤優樹の欠席で3人となってしまったが、Juice=Juicの植村あかり、宮本佳林と本家スマイレージの田村芽実が唄い一気に盛り上がる。 お約束の『イヤフォンで』コールも揃っていた。 「五月雨美女がさき乱れ」「ブスにならない哲学」「君は自転車 私は電車で帰宅」もそれぞれ本家でないメンバーが唄い(「ブスにならない哲学」はやや、違うが)一風違う歌声に興味深く聞き入った。 MCを挟んで、再びシャッフルユニットの曲が披露されたが、注目は鈴木愛理、道重さゆみ、嗣永桃子による松浦亜弥の「桃色片思い」のカバーであった。このユニットは鈴木愛理、嗣永桃子のBuono!に夏焼雅の代わりに道重が入った感じで、見る前から注目していた。どうやら、全員で唄うのではなく、日替わりでメインが唄い他の二人はバックダンサー的な役割を担うということは数日前になって判ったが、誰がメインボーカルであるのかは当日まで全く判らなかった。果たしてその結果−本日のメインボーカルは℃-uteの鈴木愛理であった。 安定歌唱力の愛理が、ブリブリなアイドル全開で唄う姿は結構、貴重なものとして映ったのではないだろうか。 ゲストのアップアップガールズ(仮)のパフォーマンス直後の選曲も興味深いものだった。ある意味、一番の見どころではなかったかと思う。それはスマイレージとJuice=Juiceが合同でモーニング娘。'14をやったり、モーニング娘。'14 がBerryz工房の曲をやったりと、グループごとに他グループのカバーをやったからである。 言ってみれば、動画サイトでお馴染みの「唄ってみた・踊ってみた」のプロフェッショナル版とでも云えばいいか。 スマイレージとJuice=Juiceが普段、やらないフォーメーションダンスを披露するのを手始めに、とても新鮮に聞こえた(見えた)。 Berryz工房の「1億3千万総ダイエット王国」にいたっては、モーニング娘。'14のぽっちゃりキャラで売出中の 鈴木香音がメインボーカルを取るという、自虐的な皮肉めいた(?)趣向にニヤリとさせられた。 ところで、ハロコンは誰かのパフォーマンス中もステージ上に用意された椅子で、その他のメンバーも一緒に見るというのが恒例となっている。その時、他メンバーは曲に併せてフリをするのは常だが、メンバー間での推しメンであったりする場合などは、自然と応援に熱が入りステージと客席の垣根が取り払われたような感覚にも陥るのである。 客はそんなメンバーの反応をみるという楽しみもあるのだ。 だから、ステージ・パフォーマンスよりも、他のメンバーの様子が気になるという場面も度々。 そんな時は双眼鏡が手放せない。双眼鏡が最も活躍したのは中盤の『YAPPARI! 大検証!?』という企画コーナーであった。 (ただ、今回はステージ構成上ステージに椅子はなく、ステージ左右に用意された階段セットが椅子代わりとなり、そこでメンバーがパフォーマンスを鑑賞する仕組みだったので双眼鏡で見るにしてもやや、見づらい?という残念な点があった。) 『YAPPARI! 大検証!?』は一つのテーマを決めて、メンバー間でトークを回すコーナーであるが、今回のテーマは「モーニング娘。'14の鞘師里保は片付けられない女か、どうか?」であった。 実際に鞘師の自宅に行った事のある同期メンバーの生田衣梨奈が、鞘師の部屋が散らかっているかを暴露したかと思えば他のメンバーで同じように散らかっているのは誰それと暴露して笑いを誘っていた。しかし、これは台本もあるのだろうがどこまでアドリブで喋っているのか?気になるところであった。 企画コーナーの後は、再びシャッフルユニットによるカバー。それも懐かしのハロプロユニットからの選曲である。 『タンポポ』『High-King』『11WATER』....正直なところ、全く知らない曲であったが、見どころも多かった。 特に後藤真希の「やる気! IT'S EASY」をカバーしたBerryz工房の菅谷梨沙子や、Berryz工房の「Loving you Too much」を唄ったスマイレージの田村芽実の歌唱が、もはやアイドルの域を超えた凄さであったのには本当に驚かされた。 また16曲目のタンポポのカバー「BE HAPPY 恋のやじろべえ」もメンバー構成の妙にニヤニヤしどうしであった。 モーニング娘。'14の譜久村 聖はBerryz工房 嗣永桃子(ももち)が”倒れてしまうぐらい”好きであり、スマイレージの福田花音もBerryz工房の熊井友理奈の事が子供の頃からの大好き。そんな相思相愛カップルがこの曲を唄うというのは、この4人の関係性を知っていれば堪らなく映るだろう(苦笑)ハロコンの楽しさには、こういうユニットメンバーの妙というのもあるのだ。 最後のパフォーマンスは、グループの最新曲を披露したのだが、ここでの注目はやっぱりBerryz工房。 先日、来年春での無期限活動停止を発表したばかりというのが一番の理由だが、ここで披露した「普通、アイドル10年やってらんないでしょ!?」の歌詞には、今更ながら深い意味が込められているのが判り、とても切なくなってしまった。 小学生でデビューして10年間、それこそ歌詞の様に『土日も全部ささげてきたよ』な彼女達のこれまでの足跡は、正にこのままだったんだろう。 無期限活動停止を決めてからのこの曲が出来たのかどうか判らないが、そうであるなら尚更、切ない。 それにこの曲の歌詞には『これでよかったと感極まって 涙しちゃう』(嗣永桃子/菅谷梨沙子 歌唱)があるのだが、無期限活動停止発表時に、この歌詞どおり梨沙子とももちが泣いていた事に改めて、気付きグッと心に迫るものを感じた。 この後のMCでまことさんが「Berryz工房は 活動停止発表してから輝きを増したんじゃないか」と発言していたが、まさにその通りだと思った。 それから最後に触れておかなかればならないのは、ゲストで出演したアップアップガールズ(仮)と吉川友の事である。 アップアップガールズ(仮)にとっては1年半ぶりのハロコンのステージ。初めてハロコンのステージに立った時、「ハロプロエッグを辞めさせられて...」と言って物議を醸した(?)アップアップガールズ(仮)は、(ハロコンには不似合いな)EDMなクラブサウンドで、熱狂的な盛り上がりを作った。自分にとっても、これが初めて生で見るアップアップガールズ(仮)。インパクトは非常に大きかった。 そして−吉川友。MCのまことさんに名前を呼ばれて、ステージ後方の扉から出てきた時、客席にはどよめきが響き渡った。 それはなぜか?なんと先日の「TIF(TOKYO IDOL FESTIVAL 2014)」でもこの姿で登場し、ネットニュースの話題をさらった例の派手な”サンバ衣装”で現れたからであった。これには、もう笑うしかなかったもののその半面、してやったり感満載のきっかに微笑ましくも感じた。しかも、前回、生で見た時よりも激しく、表情豊かに唄うその様には驚かされたのだった。 どちらのゲストも、ハロコン参加は大成功、大きな爪痕ならぬ”傷跡”を残したのではないだろうか。と思った。 今まで外タレ並のチケット代で避けてきたハロコンだったが、今更ながら、その面白さに気付かされたコンサートであった。 |
SET LIST | |
1 | 【メドレー】アレコレしたい! (Juice=Juice)〜 良い奴 (スマイレージ)〜 悲しき雨降り (℃-ute)すっちゃかめっちゃか (Berryz工房)〜笑顔の君は太陽さ (モーニング娘。'14) |
MC 1 まこと (シャ乱Q)グループ紹介 | |
2 | 青春Beatは16 (ハロプロ研修生) |
MC 2 清水佐紀 / 飯窪春菜 進行 まこと | |
3 | 夢見る 15歳 (田村・植村・宮本) ※ |
4 | 五月雨美女がさき乱れ (譜久村・小田・徳永・須藤・萩原) |
5 | ブスにならない哲学 (石田・清水・夏焼・中島・福田・勝田) |
6 | 君は自転車 私は電車で帰宅 (鈴木香・熊井・菅谷・竹内・金澤) |
MC 3 まこと 『スタッフからまことさんへの質問』 | |
7 | ゴールデン チャイナタウン (生田・鞘師・飯窪・矢島・和田・中西・宮崎) |
8 | Dream Last Trainトリプレット(工藤・岡井・高木) |
9 | 桃色片思い (松浦亜弥)(鈴木愛理(メインボーカル)・道重・嗣永) |
MC 4 まこと | |
10 | 全力!Pump Up!! アップアップガールズ(仮) |
MC 5 まこと | |
11 | Help me!! スマイレージ / Juice=Juice |
12 | 1億3千万総ダイエット王国 モーニング娘。'14 |
13 | Crazy 完全な大人 Berryz工房 |
14 | 私、ちょいとカワイイ裏番長 ℃-ute |
YAPPARI! 大検証!? まこと / 道重 アシスタント 浜浦 / 田口 (ハロプロ研修生) お題『 YAPPARI! モーニング娘。'14 鞘師里保は片付けられない女だった 』 | |
15 | 木立を抜ける風のように ODATOMO(小田・金澤) |
16 | BE HAPPY 恋のやじろべえ (タンポポ)(譜久村・嗣永・熊井・福田) |
17 | Loving you Too much (工藤・岡井・萩原・和田・田村・宮崎・宮本) |
18 | 嗚呼、素晴らしき日々よさとのあかり(勝田・植村) ※ |
19 | やる気! IT'S EASY (後藤真希)(譜久村・嗣永・熊井・福田) |
20 | C\C(シンデレラ\コンプレックス) (High-King)(鞘師・石田・清水・矢島) |
21 | BE ALL RIGHT! (11WATER) (生田・鈴木香・飯窪・徳永・須藤・夏焼・中島・鈴木愛理・中西・竹内・高木) |
MC 6 まこと | |
22 | URAHARAテンプテーション 吉川友 |
MC 7 まこと | |
23 | Password is 0 モーニング娘。'14 |
24 | 風に吹かれて Juice=Juice |
25 | 地球は今日も愛を育む スマイレージ |
26 | 普通、アイドル10年やってらんないでしょ!? Berryz工房 |
27 | 悲しきヘブン(Single Version) ℃-ute |
MC 8 まこと / 道重 | |
28 | 恋愛レボリューション21 (updated) |
3曲目「夢見る 15歳」と18曲目「嗚呼、素晴らしき日々よ」は佐藤優樹欠席の為、残りのメンバーで披露された。 9曲目 松浦亜弥のカバー「桃色片思い」はメインボーカルが日替わりで担当する趣向。 前日は道重さゆみだった模様。 |