PAUL GILBERT
FLYING DOG Tour in Japan










 PM4:00、開演3時間前。

 会場であるクラブクワトロに続くNAGOYA PARCOの階段には既に多くの客が並んでいた。
 状況は昨年のライヴと同じで、いや日曜日という事もあり、客の出足は昨年よりも随分と早い感じだ。
 今年も結局、自分一人でのライヴ参加となってしまったが、MR.BIG & PAUL GILBERTファンホームページ「WE LOVE MR.BIG! GILKO'S HOUSE」の掲示板に書き込んでおいた内容に基づき(ライヴ終了後にこのホームページに集まる者たちによるオフ会に参加するため自分の目印であるGジャンと丸眼鏡 を着用)指定どおりの格好でオフ会主催者の人に見つけてもらう事を期待していた。そしてひまつぶしの為、今回も かばんの中から文庫本を取り出し、読み始めた。今回は大薮春彦原作の名作「蘇る金狼 完結編」だ。


 文庫本を100ページ読んだあたりぐらいでようやく行列が動き始める。開場時間までもう少し。
 開場時間が近づけば近づくほど行列は前の人との間隔は狭くなり少しづつ会場の入り口に近づく。
 開場時間の6時になると入場制限を受けながらの部分的入場となる。自分が会場であるクワトロに入場した時には既に フロアの前には人垣が出来ており、あきらかに昨年よりも人の入りは早く感じられた。
 今回私が席に選んだのは1列目のテーブル席(但しイスは無し)の一番左側壁際である。そして開演まで50分あまり、それまでどうしようか思案にくれた。


 開演までの時間、会場では色々な曲が流れた。最初の頃はレイドバックした曲、イメージとしては「461 オーシャンブールバード」の頃のクラプトンだろうか。続いて聴こえてきたのは軽快なブギータイプの曲。さきほどのレイドバックした曲よりも少しヴォリュームは大きめに思える。

 そして いよいよ開演7時になると突然大きなギターの轟音が鳴り響く。聴こえてきたのはジューダス・プリーストの名曲「Hellion 〜Electoric Eye」だ。
 この曲は昨年奇跡の復活を遂げたジューダスの日本公演オープニングの曲でもあった。若いファンは何の曲かほとんど知らず最初のギターの音をポールが弾いていると勘違いしたようで、どっと人並みが前の方へなだれ込んでいく。オープニングとしては最高に盛り上がる曲だ。
 そんな中、現れるバンドのメンバー。わき上がる大歓声。
 最後に舞台中央に現れた大男、それがポール・ギルバートだった。
やがて はじまった曲は意外な「HEVY DISCO TRIP」。のっけから客の凄いタテノリだ。そしていよいよ注目のギターソロではポール、ビリー・モリス、スコット・ジョンソンとベースのマイク・ズーターで順番にソロを取っていく。ものすごい光景だ。みなそれぞれに弾きまくっている。1曲目から本日のハイライトという感じだ。
 そんな素晴らしいオープニングの後、2曲目は「BE MY WIFE」。 先程のもの凄いタテノリはややトーンダウンしたが、客のノリはまだ続いている。イントロのギターリフが歯切れよく心地良い。
 3曲目はニューアルバム「FLYING DOG」の1曲目である「GET IT」だ。
 イントロのギターによるメロディが特徴的であるこの曲は予想以上に人気があるようだ。自分の前にいた二人づれの男達は、この曲が始まるとステージ中央の人の波に自ら入っていって盛り上がっていたようだ。
 4曲目もニューアルバム「FLYING DOG」からの曲「MR.SKIN」
 5曲目は私が一番今回のライヴで見たかった、聞きたかった曲「DOWN TO MEXICO」だ。なんと言っても最近ギターで一番練習している曲なので自然と指が動き出す。この曲の間中、私はポールと一緒にギターを弾いている気分だった。それにこの曲のエンディングのギターソロではもう一人のギタリスト、ビリーモリスとポールは”ギター二人羽織”を披露。
 ”二人羽織”と言えばMR.BIG時代もステージでやっていたし、古くはRacer X時代に今、目の前でドラムを叩いているジェフ・マーティンともやっていたようだ。そしてこのRacer X時代はフィンガリングをジェフがピッキングをポールがやるという超絶テクであった。今回はビリーモリスのギターでポールがフィンガリング・ピッキング両方やったがそれでも凄い。

 自分の中で一番最高の盛り上がりの曲の後、6曲目は「MIDNIGHT MARYANNE」。これもイントロの部分を練習しているので自然と指が動く。でも自分とは全然違うポジションで弾いているポール。
 7曲目はお馴染み「VINYL」。8曲目はインストだったが何の曲か判らない。
 曲も中盤にきてやっと「MT.FUJI CHRISTMAS」と判明した。でも4月で”CHRISTMAS”とは。昨年もこの曲を演奏したが、その時は3月。いくら日本を題材とした曲でも季節感がなさすぎる。曲はいいけど。
 9曲目「GIRLS WHO CAN READ YOUR MIND」は心境複雑な感じだ。(この曲は先程別れた前妻パトリシアのことを歌った曲である為)10曲目は「GIRL CRAZY」。これもノリのいい曲だ。
 11曲目「BEAUTIFUL GIRLS ARE INSANE」は初めてポールがボトルネックを中指にはめての演奏だった。新境地開拓という感じだ。
 12曲目は「TELL THE TRUTH 」からエンディングではベース担当のマイク・ズーターを含んで4人でのギターバトルが展開された。マイク・ズーターはこの時ビリー・モリスのギターをその場で借りての参加となったが、やはりズーターズではギター担当ということもあって当たり前だが上手い。
 ここでのギターバトルもモノ凄かった。
 13曲目はタッピングによる蜂の羽音を表現して始まるお馴染みの「BUMBLEBEE」。いつもながらにノリがいい曲だ。
 この曲に続いてジェフ・マーティンのドラムソロが始まった。ジェフのドラミング自体見たことがなかったので興味深かったが、ドラムソロというのは案外間延びして結構飽きてしまうことが多い。今回もそんな感じかと危惧されていたが、ところがどっこい パワーあふれるもの凄いドラミングだった。(それ以外に言いようがない!)
 それが聞き慣れたLED ZEPPELINの「MOBY DICK」のイントロにつながって再びポール以下メンバーがステージに現れた。
 14曲目は「STREETLIGHTS」。雰囲気あるライティングで曲を盛り上げる。
 15曲目「WRONG MAN」、16曲目「MILLION DOLLAR SMILE」でのポールはギターを弾くことが好きでしょうがないとう笑顔があふれていた。正にミリオンダラー・スマイルという感じだった。
 17曲目の前に少しMCがあり、次の曲を説明している。前述のサイト「WE LOVE MR.BIG!GILKO'S HOUSE」でも話題のオズモンズのカバー曲「HOLD HER TIGHT」という曲だそうだ。
 どうもアルバム「Crazy Hoses」に収録されているらしい(ポールが初めて買ったアルバム?)
 18曲目はお馴染みのパンキッシュな曲「I'M JUST IN LOVE」だ。また激しいタテノリが戻ってきたようだ。


 ライヴの1部もこれで終わり、メンバーは一様にステージを捌けていった。
 すぐにはじめるアンコールを求める声、手拍子。
 徐々に大きくなってそれが頂点となった頃、再びバンドのメンバーがステージに現れる。最後に現れたのはもちろんポール・ギルバートだ。
 始まったアンコール1曲目は「LUCY BROWN」。全く誰の曲か判らなかったが自分が書き込んだ掲示板に答えてくれた人の情報によると「GIRLS WHO CAN READ YOUR MIND」のシングルカップリングの曲らしい(間違っているかも?)。
 2曲目は昨年も演奏された「RED ROOSTER」。ブルーズの定番曲を使った大ジャムセッション大会に今回もなった。4人一緒となったギターソロ、ベースソロは本当にかっこいい。
 本当に自分もその仲間に混ぜて欲しいと心底思ったぐらいだ。
 この曲で1回目のアンコールも終わり、メンバーは再びステージから去っていった。


 2回目のアンコール1曲目は今回のライヴで一番の問題曲「TO BE WITH YOU」だった。
 エリック・マーティンの曲をこのライヴでなぜ演奏する必要があるのか甚だ疑問であったが原型を止めないほどにブルースロック風のアレンジで演奏することでMR.BIGとの”完全なる決別”を宣言しているかのようだった。でもこの曲のギターソロでエレキを弾きまくる姿は以前では想像できないくらいであった。
 困惑な中、ライヴ最後の曲は「KARN EVIL 9 」。EL&Pの曲だ。
 MR.BIGの時の「HOE DOWN」もそうだったが、シンセの複雑なフレーズをギターで弾きこなしてしまうのはやっぱり凄い。今回も「HOE DOWN」以上にポールのギタープレイは冴えわたっていたのだった。






SET LIST
1HEAVY DISCO TRIP
2BE MY WIFE
3GET IT
4MR.SKIN
5DOWN TO MEXICO
6MIDNIGHT MARYANNE
7VINYL
8MT.FUJI CHRISTMAS
9GIRLS WHO CAN READ YOUR MIND
10GIRL CRAZY
11BEAUTIFUL GIRLS ARE INSANE                    
12TELL THE TRUTH
13 〜 JAM (4 GUITAR BATTLE)
14BUMBLEBEE
15  〜 Jeff Matin Drum Solo 〜 MOBY DICK (LED ZEPPELIN)
16STREETLIGHTS
17WRONG MAN
18MILLION DOLLAR SMILE
19HOLD HER TIGHT (OZMONS)
20I'M JUST IN LOVE
・・・Encore 1・・・
21 LUCY BROWN
22RED ROOSTER
・・・Encore 2・・・
23TO BE WITH YOU (Arange Version)
24 KARN EVIL 9 (EL&P)











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