PAUL GILBERT
Alligator Farm Tour










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 本日は 待ちに待った約1年半ぶりのポール・ギルバートのライヴ。

 なんか、いつもいつも来日しているせいもあって 久しぶりのような気がしないのだが(昨年も10月の楽器フェアで 同級生2ショット写真も撮ってもいることだし)とにかく正式なライヴとしては 久々である。今回も会場はパルコのクラブクアトロ。
 例によって 整理番号なしである。これが何を意味するか....すなわち早い者勝ち、早く会場に行った者ほど良い条件でライヴが見られるということである。
 −ということで 今回も会社を3時に早退させてもらって、一旦帰宅、スーツから私服に着替え、急いで家を出てクアトロに向かった。
 時間を気にかけ、やっと辿りついた矢場町PARCO、時刻は5時を少し回ったところ。急いで東館のエスカレーターを上る。
 とんでもなく並んでいたら どうしょうかと不安になったが、平日もあって100人ほどぐらいだろうか 既に階段に座り込んで並んでいた。平日でもこれだけ並んでいるということは 結構凄いことだ。
 そんな列の最後尾に並んで 今回も時間潰しの為に用意した文庫本をさっそくカバンから取り出す。今回は映画化でも話題になった 真保裕一原作の「ホワイトアウト」だ。
 この「ホワイトアウト」なかなか読み応えがあり、映画のシーンが頭に蘇えってくる。確かに、映画よりも 原作の方が人物描写が細かくて良い。
 そんな小説に夢中になっていると いつにまにか開場の6時が近くなってきた。
 やがて列も整理され、いよいよ入場となった。
 そして 今回も前回同様、机の席を目指す。風邪気味で体調も万全でなかったためでもあったが、もう最近はずっと立ち尽くめのライヴはつらくなってきたのもある。ということで 今回も思い通りの場所をなんとか確保でき、おまけにイスに座れてまずは一安心。




 すでに開演時間7時をちょっと過ぎたそんな時スピーカーからフルボリュームで聞こえてきたのは懐かしき グランドファンクレイルロードの「We are All American Band」
 昨年のジューダス・プリーストの「Hellion 〜Electoric Eye」といい ポールらしい選曲といえるだろう。このライヴ会場につめかける若いファンには馴染みが薄いものかもしれないが.....。


 そんなこんなでステージが暗転、メンバーがステージに現れた。

 テンガロンハットを被ったカウボーイ的な衣装に身を包んだバンドメンバー。
 暗闇の中ではあったが、それぞれ見慣れた姿。今回のバンドメンバーについてあまり事前情報を仕入れていなかったが、多分、昨年のライヴと同じであろうと思われる。
 そして歓声が一際大きくなる中、最後に登場した一際大きな影。
 それはライヴの主役、ポールだった。
 やがてステージにライトが当てられ 光の中に映し出されたポールは全身 緑のラメに包まれた常人では決して着れないような衣装を身につけていた。(上半身は チビT系の服に緑のラメが入り、パンツも同じラメ入り)
 ギターは意外や意外の ギブソンのフライングV。
 で、はじまった曲は お馴染み「Million Dollar Smile」
 ゴージャスな衣装(ラメ入りなだけで 本当はチープだけれど)にはなかなかなナイスな選曲と言える。
 でも 歌が始まってもポールは一向にギターのネックを握ろうともせず腕を高く上げ、万歳する形で熱唱を続ける。
 その姿はあまりにも滑稽。僕は苦笑するしかなかった。ようやくソロが始まり、ギターを弾き始めるポール。
 歓声が一際大きくなる。どうもこのオ―プニングはソロ以外はギターを弾かず歌に専念するB.B キングスタイルを通すらしい。それにしても衣装といい、演奏スタイルといい ポールらしい珍妙さが際だっていた。
 2曲目は ある意味、ニューアルバムの「Alligator Farm」のハイライトでもある「Individually Twisted」が早くも登場した。
 ポール流ロックンロール爆発のこの曲は イントロの決めの早弾きでポールのスーパーテクニックが味わえる。少しだけ 練習してあっさり投げ出してしまった自分だけにその流麗な指使いには 目を奪われた。
 この曲ではステージにかぶりつきの客2、3人がダイヴを繰り返し、盛り上がりもすでに最高潮。ただダイヴをやる方はいいが、やられる下にいる客には迷惑だろうなといつもこういう光景を見ると感じてしまう。
 やっぱり 前の方に行かなくて良かった(?)
 そんないきなり大盛り上がりの曲に続いては パンキッシュな「Cut, Cut, Cut」
 これまた大きな盛り上がり。パンク的な勢いのある曲はもともと好きな自分だが、パンク=演奏はまあまあ(またはヘタ)と思われがちだが ポールのようなギタリストがこういう曲をテクニックを屈指してやると また違う魅力を感じる。
 4曲目はCDのイントロを飾る小曲「Better Chords」。よもや こんな短いイントロ程度の曲をやるとは思わなかったので驚いた。で 本当にあっという間に曲は終了。
 お次はブルーズロック的な味わいのするリフから始まる「Alligator Farm」でもギターの調子は良さそうだ。
 そして6曲目はライヴの今や定番である「Down To Mexico」
 昨年もこのライヴレポートで書いたが、自分のギター練習曲でもある為、気分的には一番盛り上がる。自然と指も動き、まるで自分もギターを弾いているかのようだ。でも このバージョンは「Flying Dog」に収録されているバージョンであり、なじみ深いのは教則ビデオに収録されていたバージョンであるので いつの日はこちらのバージョンをライヴで体験してみたいものだ。と、そんなことを思っていると後半のギターソロではいきなりギター3人(ポール、トニー・スピナー、スコティ・ジョンソン)によるギターバトルが始まった。意外な展開だ。ギターバトルの後、ポールはギターをチェンジ。
 用意したのは白のアイバニーズのバイオリンギター。
 お馴染みの「My Naomi」の演奏が始まるが、何かおかしい。ポールの顔もどこか不安げだ。それで案の定、演奏もストップ。どうもギターのチューニングが大幅に狂っていたみたいだ。その白いギターだけが一旦、ポールの手を離れ、ロ―ディーによってステージの袖に運ばれていく。ステージ袖でギターテクによりチューニングされるらしい。
 こんなハプニングは逆に観客を盛り上げることになりポールもそれを判っていてか、盛り上がりを中断させまいとして即興で「ナゴヤの歌」を披露した。別にどうってことない単純な歌だがドラムのジェフ・マーティンがコーラスにも参加して、結構ラッキーな体験が出来た。
 こういうこともあるので ハプニングも時には必要かもしれないと改めて感じたのであった。
 お次にポールが「Mr.Big.....」とMCで紹介したのが この「Stay Together」
 1回目のソロのライヴでも披露したお馴染みの曲だ。この曲を聴くのもほんと久しぶりだ。まあ ポールの作曲であったソロみたいな曲なので 昨年の変則「To Be With You」ほど違和感は感じられない。
 「Stay Together」の演奏が終了した後、ポールからゲストが紹介され舞台袖から 天使の格好をした(最新CD「Alligator Farm」のジャケット写真に使用されたものと同じ)小柄な日本人女性がステージ中央に登場。なんの為に彼女を呼んだのか 興味深々だったがなにやら彼女にギターのネックを指で押さえさせている。すわ、Racer-X時代のジェフ・マーティンとポールのギター二人羽織をするつもりなのか!と思ったが、どうみても彼女にそんな芸当が出来そうには....(苦笑)
 なんのことはない彼女にギターの弦6本を全部人差し指で押させてもらって”人間ギターカポ”をさせるらしい。でも もうひとつうまくいかないらしく彼女の押さえる指のポジションをいろいろ変えてみる。それで決まったのかやがてはじまった曲が あの有名なタッピング(ライトハンド)で始まる「Green-Tinted Sixties Mind」。たぶんポール作曲では Mr.Big時代も含め一番の有名曲だと思う。でも エリック・マーティンよりもキーを下げているので多少感じが変わって聞こえる。やはりポールが唄うには(キーを下げても)少々無理があるのかも....。
 その後「Lancelot Link」「Dreamed Victoria」と演奏された後、スコティ・ジョンソンにスポットライトが当たり、ジャズ的な早いフレーズを弾き始め観客から歓声を浴びる。それに続きポールもジャズ的なフレーズをポール流の早弾きで切り返す。そしてそれに対抗して再びスコティが弾き返す。そんなことを繰り返して 聞きなれたフレーズが耳に入ってきて「Six Billion People」が始まった。でも ポールが弾くと音色がJAZZぽくっても やっぱりRockなんですよね。
 引き続きは「Attitude Boy Will Overcome」
 この曲は個人的にこの「Alligator Farm」アルバムの中でもお気に入りであるだけに とても盛り上がった。フラッシーに弾きまくるポール。やはり様になります。
 そして「Attitude Boy Will Overcome」に続くメドレーという形ではじまった「Blues Session」。何の曲か最後まで判らなかったがポール、スコティ・ジョンソン、ベースをギターに持ち替えたマイク・ズーターによる ギターバトルが繰り広げられた。これまた凄い。
 そしてライヴ第1部の終了はポールのライヴでは定番の曲「I'm Just In Love」。パンキッシュなナンバーだ。
 いつもながらの勢いのある曲でひとまずは終了。客電もつかないことから予定通り、アンコールもあるみたいだ。




 1部終了直後から すぐ始まるアンコールを求める声があちこちから上がる。
 多少のインターバルはあったものの ステージは程なく明るくなり衣装も着替え終えたポールのみステージに登場した。
 そんなポール一人で渋く決め、演奏し始めたのがJimi Hendlixの「Hey Joe」
 ほぼオリジナルに忠実であったが、ときおり入れるギターのオブリガードは いつものポール節。そういえば この曲でポールはジミヘンと同じように”歯弾き”もやりました。
 このジミヘンのカバーは以前、「TRIBUTE TO JIMI HENDLIX」というライヴCDにも収めれていたものでポールフリークには有名な曲でもある。(以前もインストアイベント等でもやっていたらしい)
 それにしても たった一人で弾き語り風に演奏をこなすポールはいまや立派なソロ・アーティストという感じだ。
 渋い曲の後、メンバーもステージにスタンバイして「Rosalinda Told Me」を披露した後、またまたポールはゲストをステージに呼び込んだ。
 それにしてもゲストの多いライヴだなあ。
 それで登場したゲストに向かってポールが「O・Ji・Sa・N」と紹介。
 CDでも共演していた ポールの本物の叔父さんことJim Kiddがなんと(カントリー歌手のようなプレスリーのような ひらひらのついた衣装で)登場。ポールより10歳上ということで44歳ぐらいだと思えるが、顔はあまり似ていないように思える。
 そんな叔父さんがレスポールカスタムを手にとってはじまった曲はもちろん共演作「The Ballad Of The Last Lions」
 ポールはあくまで叔父さんのサポートという感じで 一歩引いた感じが見受けられる。(でも 充分早弾きはしているのですが)
 そして エンディングに向けてのギターバトル....これまた双方弾きまくっている感じだった。
 「The Ballad Of The Last Lions」の後、この叔父さんも連続登板して はじまったのがこの意外な「Misty Mountain Hop」。Led Zeppelinのカバーだ。
 若いファンなどきょとんとしている感じだが、われわれにとっては馴染みのあるLed Zeppelinの曲なので 個人的には盛り上がる。(と言っても 決してリアルタイムでこの曲を知っているわけでないです。あしからず)
 この曲で アンコールは一旦終了。ポールらメンバーは一旦ステージをはけていく。またまたはじまるアンコールを求める声。




 やがてポールらがステージに再々登場。
 なんと最新アルバム「Alligator Farm」のジャケットでも被っていたワニのカブリものを全員が被っての登場だ。
 予想どおり それをポールをはじめバンドのメンバーは客席に投げ入れ、争奪戦となった。
 そんな喧騒も多少収まったところで、始まった曲が今回のライヴでの目玉(?)でもある噂のパフィのカバー「Ai No Shirushi(愛のしるし)」だった。
 この曲はポールの公式HPにも音源が掲載され話題になっていたが、本当にライヴでやってしまうんなんて...正直驚いた。
 なんとなく期待はしていたのだが日本語で マジメに唄う姿はかなり笑えた。めざせマーティ・フリードマンでしょうか。(爆)
 「愛のしるし」に続くメドレーという感じで地元安城に本社がある世界の電動ドリルメーカーのマキタの社歌であるMr.Bigの「I Love You Japan 」が演奏され、大盛り上がりの中ライヴは終了、今回も心の底から楽しいと感じさせてくれるライヴであった。






SET LIST
1Million Dollar Smile
2Individually Twisted
3Cut, Cut, Cut
4Better Chords
5Alligator Farm
6Down To Mexico
7My Naomi
8Stay Together
9Green-Tinted Sixties Mind
10Lancelot Link
11Dreamed Victoria
12Six Billion People
13Attitude Boy Will Overcome                      
14Blues Session
15I'm Just In Love
・・・Encore 1・・・
16Hey Joe (Jimi Hendlix)
17Rosalinda Told Me
18The Ballad Of The Last Lions (with Jimi Kidd)
19Misty Mountain Hop (Led Zeppelin)
・・・Encore 2・・・
20Ai・ No・ Shirushi (愛のしるし- Puffy)
21I Love You Japan











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