THE END OF EVANGELION

Air/まごころを、君に






 総監督:庵野秀明、制作:GAINAX、Production IG



 3年に渡ったEvaストーリーもこれで終わった。
 自分も多くの人のようにマスコミが騒ぎだしてからのファンであるため 、実質7カ月のEva歴であるが近年まれにみるハマリ方だった。

 そして、今回が本当で本当の最後というふれこみであったため、期待度は 今年一番の映画であった。(同時期公開の「もののけ姫」などめではない) しかしフタを開けたら......。
 物語は「Rebirth」編と同じようにシンジのオナニーシーンからスタート (またか..)。
 そして戦略自衛隊による血みどろのネルフ占領。
 アスカの覚醒-弐号機によるエヴァシリーズの粉砕。ここまでは良かったが、破壊されたはずのエヴァシリーズが復活。活動の止まった弐号機がエヴァシリーズによって陵辱され(喰われ)ネルフを守る楯を失われてしまう。
 しかしこんな状況でもエヴァに載ることが出来ないシンジ。やがて始まる 人類補完計画(ゼーレのそれは人類をもう一度無に返し新たな誕生を促す というもの-これはサードインパクトと同義。ゲンドウの目指す人類補完計画は綾波レイとセントラルドグマに磔にされたリリスを使って碇ユイの魂のサルベージ=復活であった)。
 そんな中、やっとエヴァで駆って出る事が出来たシンジが見たのは陵辱された弐号機ー絶叫するシンジ。
 その叫びが月面に突き刺さったロンギヌスの槍を呼び戻すことになり、やがて槍のコピーにより磔 にあったエヴァ初号機はロンギヌスの槍によって生命の樹に変貌をとげる。
 それは儀式の始まりであり人類の終末を意味するものであった。
 人類はこれにより人の形からLCL(生命のスープ)へと変貌(進化)してしまうのだった。

 物語はこんな感じと言えるが(不明な点の方が未だ多い)庵野監督がこ の映画で言いたかったのはこの後のシンジのこころの世界で映し出され、 結局TVシリーズの最終2話と同じ”精神世界の話”に終始していた。
 その中で展開されるのはあからさまなアニメオタク批判である。
 特に途中の実写部分での映画館の客席(おそらく「Death & Rebirth」編 公開時の様子だろう)が映し出されながら語られるモノローグ。
−他人との接触を極力に避け、現実から逃げファンタジーやゲーム、アニ メに逃げ込むオタクに対し、「現実に帰れ」-と言っているこのモノローグ はこの映画を見ているものにはキツイものに映ったに違いない。
 物語に目をもう一度転ずると全ての人類が絶え無に還った中、シンジ とアスカだけは生き残ってしまう(次代のアダムとイブ?)。
 未だ心の世界に囚われたシンジはアスカの首をしめ殺そうとする(これって やはり神戸の酒鬼薔薇をイメージしたものなのか、同じ14歳だし...)
−どうしてアスカを殺そうとするのか判りません-
 やがて目を覚ましたアスカが涙を流すシンジに言った言葉「気持ち悪りぃ」。
 これで茫然自失なまま物語は終劇となってしまった。
 (結局この言葉は、やはり普通の女性が持つアニメオタクに対するイメージ そのものなのだろう。だからこそ、この言葉はアニメオタクに現実に戻るべきという強いメッセージのカンフル剤として用意されたものだと思う。)

 語るべき事が多く、ここで全てを書くことは出来ないが全体的にはネガティブ な印象の映画となってしまった感じである。だがCGは良くできていたと思う。
 特に途中のCGによるスタッフロール。DNA配列を用いたこれは素晴らしかった。
 これを真似するメディアがきっと表れることだろう。(続きは「もののけ姫」 にて)



 PS:実写部分で出演者に”夕樹舞子”の名を発見。これってやはりあのAVの ”夕樹舞子”なのか。いったいどこに出ていたのだろう。





pic 75点





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