ERIC JOHNSON SIGN



Eric Johnson










ERIC JOHNSON サイン会レポ (2004.09.18 Sat)





某大型掲示板の前日(9/17の2回公演)情報に 「サインを貰った」という一文を見つけた時、 私はまだ半信半疑であった。
これは”出待ち”の賜物なのか、それとも 公式なサイン会の事なのか.....
これだから未体験な会場でのライヴは困りもの である。
しかし、蓋を開けてみればCDやTシャツを購入した 者だけが参加を許される公式”サイン会”の開催と 前回来日時と同様な「ファン感謝祭」的イベントは 全く持って嬉しい限りだ。
ただでさえ ライヴ終了後となるとその疲労は ピークとなる筈なのに ここまでしてくれるのは 正にEJ(エリック・ジョンソン)はファンにとって”神”なのかもしれない。 (アメリカではこんな事はしてくれないらしい。 それだけ日本のマーケットを重要視している 証でもあるのだろう)


ライヴ終了後、すぐにバーカウンターの一角に 設けられたのは即席「マーチャンダイズ販売所」。
其処に繋がる列に並んだ私は、本日、購入する予定で あるCD「Souvenir」が売り切れない事だけを 望んでいた。

-「Souvenir」はインターネットのみで一昨年、 発売された現時点でEJの最新作であるが 購入するにはクレジットカードや為替小切手を 使わないといけないなどが購入への障壁と なって私は入手を諦めていたのだ-

割合、早めに並んだお陰か「Souvenir」を無事購入出来た 私は係員に促され、奥まった小部屋に通された。
そこはブルーノートのTシャツやキャップなどの マーチャンダイズが展示、販売されているコーナーが 後方に位置するという隠れ家的な佇まいに 「ブルーノートにこんな場所があったのか」と 気分は川口浩探検隊長、いや今なら藤岡探検隊長な 感じであった。
先客に従い、その列の最後尾に加わって部屋を見渡せば 壁一面に飾られたレコードジャケットに目が奪われずにはいられない。
年代もののレア度満点なそのレコード群は全て 「カウントベイシーオーケストラ」である。
チケット購入時に入手したブルーノート9月のラインナップが掲載された 小冊子もカウントベイシー生誕100周年を祝った記事が目白押しだったが さすが、その彼らが演奏を行う当地ではバンドに対する ”熱さ”が違う。先日、女子高生がビックバンドを結成して JAZZを演奏するという「スイングガールズ」を見た後だけに「カウントベイシーオーケストラ」も今までと違った輝きをその名前から 感じ取る事さえ出来る。
そんな事に思いを馳せながら時間も5分、10分と刻々と過ぎていった。
既に列の前方にはテーブルも用意され舞台の準備は整ったが 肝心のEJ本人が登場しない事には話にならない。
そろそろ皆が痺れを切らし掛けた頃、15分ぐらい経過した頃だろうか 横の通路へと繋がるトンネル状の入り口から登場したEJには 常人とは明らかに違うオーラを身に纏いその場の雰囲気を一変させる 魅力があった。
EJの横にはギターテクであり今回のツアーマネも務める Jeff Van Zandt氏もその巨体をシートに無理矢理収めていたが サイン会が始まる頃にはその場を離れていったようだ。
正に一対一となった対面式サイン会は英語が全く不慣れな私には 緊張が増すばかり。昨夜から一応、何を話そうか二、三、文章を 考えてきたが、巧く話す事が出来るのか不安ばかりが先に立つ。
特にサイン会が始まった当初、気軽に会話を楽しんでいるファンを 見るにつけ嫉妬と羨望が心の中に渦巻くが それと同時に「下手に話し掛けてこちらが何も喋れないなんて 事は絶対避けなければ」という新たな不安も大きくなっていく。
それだけEJは気さくにファンとの言葉のやりとりを大切にして くれている証拠でもあるが英語がネイティブだったら......そう思わずには いられなくなったのも事実である(苦笑)

そして遂に自分の番が回ってきた。
目前のEJはやや小じわも目立つがそれでも充分、若々しい。
齢50とは到底、考えられないぐらいである。
にこやかな笑顔で迎えてくれたEJに対し、私はすかざす「Souvenir」のライナーを 手渡し、サインをして頂く。その間、わずか10秒程度。
私は何を話すべきか未だ思案中であった。
結局、苦し紛れに出たのは
「Thank You for a nice evening」という一言。
これに対しEJも「Me too」と答え  会話の取っ掛かりとしては最高であったのだが やはり次が出てこない。EJも気のせいか何か 話したいという雰囲気であったというのに.....。
結局、小心者の私は不完全燃焼な気持ちを抱えながら EJとの逢瀬を早々にうち切り、足早にその場を 去ったが、どうしてあと一言が出なかったのか 悔やまれて仕方が無かった。
特に前回のサイン会でも言いたかった
「I want to hear" Bristol Shore" very mach next time」
というチョー簡単な一文が出てこないのは 後悔よりも情けなささえ残るぐらい。
(ちなみに「Bristol Shore」はEJの「Tones」というアルバムに収録された隠れた名曲。これぞヴァイオリントーンという曲である)
ただ嬉しい事にサイン会後、EJのオフィシャルHPで 調べた処、最近のセットリストに「Bristol Shore」も加えられている ようなので此処日本で披露される日もそう遠くないのかもしれない。


そんな嬉しいような、情けないような悲喜こもごもな 個人的思いが入り交じった夜更けのサイン会。
EJにはただただ感謝の気持ちで一杯である。
来年始めには待望のエレクトリックなアルバムも発表され おまけに今回のツアーで披露されたアコースティックに特化したアルバムも構想中との事。
正に来年はEJの年とも成りそうな気配が濃厚である。
また当然の如く来日公演もその予定に入っているという嬉しい情報も 伝え聞いている。



2005年。
ファンにとって夢心地な一年となることであろう。







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