06/06/2004
F7R710の解体 その1

これがエンジンハンガーです。 オークションものですが新品で1600円とはお値打ちです。
早速吊り下げてみます。 エンジンハンガー中央のフックは手動のハンドルで左右に移動します。
エンジンを吊った際にバランスを取る事ができます。

Renaultspider
@←

さて、本題に戻りますが、エンジンをスタンドに乗せる為、クラッチ〜フライホイールなどと取り
外していく必要があります。
っと!その前に忘れてはいけない事があります。! それはクランクシャフトの先端に付いている
プーリーをこの段階で緩めておく事です。 
ミッションの取り付けボルトとフライホイールのギヤにレンチのソケット部を挟みフライホイール
を固定します。
エンジンがぐらつかぬ様、木材などをオイルパン下の隙間にしっかり固定します。19mmのソケッ
トに柄の長いレンチを取り付けプーリーのボルトを一気に緩めます。(かなり力が必要です。)
とりあえず手でボルトが回るぐらいの状態にします。 このボルトを外しておかないと後で外すの
は困難なそうです。
続いて、クラッチカバー〜フライホイールと外していきます。 この際にもフライホイールを固定
しておき、ボルトを緩めて行きます。

クランクシャフトプーリー
クラッチは、交換してあまり距離を走っていないのか?新品パーツと比べても大差ない状態です。
しかし、長時間放置されていたのか?フライホイール側にはクラッチ板の形をしたサビの跡が残っ
ています。

続いて、いよいよエンジン本体をスタンドに載せます。
エンジンハンガーでバランスを取りながらチェーンブロックで吊り上げます。
予め用意しておいたボルト4本(10ミリ×100ミリ ピッチ1.5)をスタンドの台座に差し
込みミッションケースの取り付け穴に通して、ねじ込みます。

これで解体場所も自在に移動でき、分解も台座が90度ごとに回転出来るので、作業性は格段に向
上するはず?? です。
さて、次にインジェクターを取り外します。
2個のナットを外してゆっくりとジワジワ引っ張りながら抜き取ります。 
抜き取ったインジェクターは汚れも無く見た目では非常に綺麗です。

そしてインテークマニホールドと一体になったサージタンク(以下サージタンク)に取り掛かります。
9本のナットとアンダーステーのボルトを外します。
見た目では結構な重量だと想像していましたが、なんのなんの全く軽くて拍子抜けです。
インテークポートを覗いてみます。 ブローバイの影響でしょうか? ポート内部は真っ黒です。
インジェクターからガソリンが噴射される先は、綺麗にアルミ色ですが・・・・・

さて、F7Rユニットといってもバリエーションとしては数種類存在しています。
F7Rは、もともと初代クリオ ウイリアムズに搭載されたものが始まりと認識していますが、そ
の型式は『F7R700』で Spider( ソットバン・パラブリーズ )に搭載されているユニットは
『F7R710』となっていて初代メガーヌ16Vのユニットと同型式となっています。
ただし、Spiderの中でもレース仕様の『トロフィー』は『F7R700』を積んでいます。

ドイツやイギリスのカタログを見ると『F7R712』と言う型式も存在しています。
『710・712』もいわゆる排ガス規制によりカムのプロフィールやコンピュータに手が加わっ
たものと聞いています。

そんな初代F7R700ユニットは当時の資料によるとポート研磨等が施されていて、エンジンも
手組み仕上げと出ていた記憶があります。

で!当然気になるのは『710』ユニットがどうなっているか? ですが・・・量産エンジンに
そのような特別な処理を施してあるとは思えず、・・・と思いながらも覗いてみます。
・・・すると・・・やはりポートはサメハダ状で研磨の形跡は全く無しでした。(笑)
エンジンプレート
次に、カムカバーを開けて中を観察します。
10万kmも走行しているとこんな感じなのでしょうか? それとも前オーナーのオイル管理が悪
かったのでしょうか?  薄っすらとスラッジが着きかけています。
カムシャフトを観察しますが、これといって傷なども見当たらず綺麗なものです。
さて、下のオイルフィルターの奥についているもの何かご存知ですか?
これは水冷式のオイルクーラーなのです。 いろいろ考えてありますよね!
この次はいよいよシリンダーエンジンヘッドなどのばらしに取り掛かります。
いままでになく緊張します。
細かなパーツやそのパーツの場所、取り外し順序など繊細さが要求されると聞いているので、事前
準備や予備知識を習得して挑むことにします。
本日はここまで、次回をお楽しみに!!

ソケツト