06/13/2004
F7R710の解体 その2 -No.2

本日はここまでです。
次回をお楽しみに!!

オイルパンを外します。  ボルトは逆トルクスE8で固定されています。 
オイルパンもボルトを外す順番があるそうなので参考書を頼りに外します。
ボルトは外れたもののオイルパンはガチガチにシリコンで接着されている為、簡単には外
れません。 金属製ヘラをオイルパンの隙間に指し、ハンマーで軽く押し込んでやり、浮
いたところで梃子の原理を使って押し上げ取り外します。

オイルパンの内側には汚れが沈殿したオイルが付着しています。

バッフルプレートとオイルの吸い込み口であるストレーナーを取り外します。4本のボルト
を外すとストレーナー・バッフルプレート共々外れ、その下からクランクシャフトが現れま
す。

続いて、いよいよピストンの抜き取りを行います。
クランクを観察してみます。ピストン(クランク)の位置は『1番4番』『2番3番』が同じ
ラインに位置しています。 (右上の図参照)

左下の画像では、
『1・4』は下始点の位置ですから『吸気後〜圧縮に移る工程と、爆発後〜排気に移る工程』
『2・3』は上始点の位置ですから『圧縮後〜爆発に移る工程と、排気後〜吸気に移る工程』
と言った感じでしょうか!

オイルパンを外した側からコンロッドのボルト2本を緩めコンロッドキャップを外します。
コンロッドキャップとコンロッドの受け軸にはメタルがあるので傷つけない様、慎重に作業し
ます。 この工程のパーツ(ピストン・コンロッド・メタル・コンロッドキャップ)は必ず同
じ位置・方向・組合せに戻す必要がある為、後でバラバラになって困らぬように注意します。

コンロッドキャップは下の写真の状態で1番と4番(コンロッドが下がっている)の2本から
作業します。
キャップが外れたらクランクを180度回転させ1番・4番のピストンを上始点まで上げます。
(当然この段階で2番・3番は下に降りてくる事になります。)

さて、次は1番・4番のピストンを抜き取ります。  抜く方法はコンロッドキャップを外し
た側から、ハンマーの柄など(パーツを傷つけないような素材のもの)を差し込んでコンロッ
ドの先端を強弱つけながら叩き押し上げます。 あまり勢いよくやると抜けた反動でピストン
とコンロッドが宙を舞う事になるので注意しながら進めます。 

1つ外れたら、先に外しておいたコンロッドキャップを組合せ、軽くボルト締めしておきます。
これで行方不明になる事はなくなりますよね!
F7Rのコンロッド・コンロッドキャップには凹凸の位置決めピンが付いているので、組み込
む際、上下逆さまに取り付けてしまう心配はありません。 (^_^)v

同様にもう一方のピストンを抜き、この工程を2番・3番も同様に作業します。

抜き取ったピストン・コンロッド
は、抜いたシリンダー場所が解る
ようにしておきます。

取り外したピストン及び、コンロッドです。
ピストンを眺めて傷などを調べてみますが、どれも綺麗な状態です。
ただコンプレッションリング下にあるオイルリングの目にスラッジが溜まっている感じで少
々気になります。
コンロッドメタルも細かな傷もなく、至って健康そうです。

シリンダー側も覗いてみます。 ホーニング跡以外、縦傷等もなく、見た目問題は無さそう
です。 意外と丈夫なEgなのかも知れません。

クランクシャフトを見てみます。  コンロッドの受け軸も綺麗なものです。


ストレーナー
   と
 バッフル
    プレート
ストレーナー と バッフルプレート
     ↓
コンロッド
    キャップ