○	総括 　雨は降らなかったものの，風はコートを横切るように吹き，また秋雨前線が影響して湿度が高く，しかも後半には霧も出てくるなど，必ずしも天候的には恵まれなかった。 　今年最後のオープン大会。参加者各々，次のトップキャスターズをにらんで，ある者はニュータックルをテストし，ある者は調整として，またある者は手の内をあかさずカウンターパートのできを調べるなど，様々な名目のもとで競技が行われたものと思われる。 　どんな名目で望もうと結果が良ければそれに越したことはない。結局は最終的に勝負にこだわる本気モードになってしまう。結果を気にしないといいながらも随所に真剣勝負が見られた大会であった。
○	競技結果
・	第１種目 　藤地(茨城バトル)が飛田(茨城釣遊)に大差をつけてトップ。３投平均，最長ともに１０ｍの差をつけている。飛田の投てきもその振りには「キレ」が見てとれたものの，リールトラブルに悩まされ，思うような飛距離が得られなかった。
・	第２種目 　これまで遠藤(東京コスモ)の独壇場となっていた第２種目。今回は第６種目の実績を持つ斉藤(静岡静西)，長島(神奈川コスモ)が加わって，ハイレベルな戦いとなり，わずか９３センチの差で斉藤が優勝した。第１投で斉藤が最長１９８ｍをたたき出した段階では斉藤が圧倒的勝利を納めるものと見られていたが，遠藤も２種の王者としての実力を発揮し，最終的に１９０ｍ台を３本揃え僅差に持ち込んだ。長島はリールをロンドエンドにセットしたスタイルで望んだが，優勝戦線に食い込むことはできなかった。
・	第３種目 　５種，１種に加え新たな種目として３種に取り組んだ渡辺(茨城釣遊)だが，練習(経験？)不足もあって，芳賀(神奈川コスモ)の定席を脅かすには至らなかった。
・	第４種目 　本命の本沢(神奈川コスモ)，高濱(茨城バトル)を軸に，池田(千葉バトル)，鈴木(神奈川サンダー)の強豪を交え，最終投まで順位が見えないような大混戦を示した。このような状況下で，高濱がぶっつけ本番のニューロッド(サンダウナー３３)で辛くも逃げ切った。本沢は，後半追いあげを図ったが，わずか１ｍ足らずの２位となった。序盤に新しい投げ方で挑戦してきたものの思うように距離が出なかったことが痛かった。なお，記録上，池田と鈴木は同じとなっているが，ごくわずかな０．３センチで池田が３位に入り込んでいる。
・	第５種目 　宇佐美(神奈川コスモ)が，薄氷を踏みながらもコートに入れた３投のみで平均１９０ｍを確保し優勝した。大木(神奈川コスモ)は抜けた振りが目立ち，今ひとつ飛距離が伸びず宇佐美に屈した。３位にはキャスティング初挑戦の平井（茨城・一般）が入り，今後の活躍を期待させる投げを見せた。
・	第６種目 　黒澤(茨城バトル)は第１投で推定飛距離２１０ｍにある築山の上部まで飛ばす「どファール」。参加者がまさに唖然とする光景だった。２投以降は本人もコート内の２００ｍ超を期待したが，１９０前半の記録にとどまった。強豪が２種に移ったことから，黒澤の楽勝ムードかと思われた６種であったが，倉嶋(茨城バトル)が健闘し黒澤を脅かした。
○	優勝者等インタビュー（聞き手：釣遊・山田茂樹）
	第２種目：斉藤選手 −おめでとうございます。２種はキャリアは長いんですか？− まじめにやり始めたのは今年の夏くらいからですかね。 −あのダイナミックな振りをみるとただただ体の違いを実感させられますが− 「いえそんなことないですよ。力なんか全然ないですから。」 「うっそだ〜〜！」(隣にいた遠藤選手)インタビュアも同感 −リールにはマグネットを使わないのですか？− 「これしか(ABU5500C)なくてマグネットなんて使った事もないです。」 −今後は２種オンリーなんですか。６種への未練は？− 「まぁたまに機会があればやってもいいんですが，リールいじるのもたのしいんで，とりあえずこのまま続けようと思ってます。」 第３種目：芳賀選手 −今日はいつもどおりですね。− 「ちょっと力入れてみたんだけど，やっぱりいつも通りですね。」 −普段練習は？− 「しばらくやってません。」 −それでも優勝ですから− 「でも愛知の人たちにはかないませんよ。」 第５種目：宇佐美選手 −最近なんだか一皮むけてませんか？− 「今まで我慢してるとこあったから，その部分の封印をといたって感じですね。」 −具体的に何をかえたんですか？− 「たらしの長さとか，アプローチの方法とかですね。今までは基礎的なところをやらないかんということで，距離を落としてまでやりつづけていたんでその点ですかね。そういった練習だけやってました。結果は出てませんでしたが，２年から３年かかりましたね。」 −他の種目は考えておられないんですか？− 「スイング系でも基本は５種なので，５種が飛ばない限り何やっても意味ないと思ってるんです。」 −それは私も同感ですね。− 「そういう意味で当分止める気はありませんね。」 −みんなで５種，頑張りましょう！− 第６種目：黒澤選手 −５０号の市販されてないロッドを使われてるんですよね。余裕の優勝っていうんでしょうか！− 「余裕ではないですよ。僅差でかろうじて勝てたような内容ですよ。自分の調子が悪かったのか，倉嶋さんが調子よかったのかわかんないですけど。」 （この発言はやっぱり余裕があると思った。） −２種にも出てみたいんではないですか？− 「ええ！トップキャスターズで実績を残せたらトライしてみようと思ってます。」 −じゃあ来年から２種ですね！ 「予定はね！」 （やはり余裕を感じる！） −あまり釣ばかりやらないで，たまに練習もやるようにしてください。− 「HA　HA　HA！」 番外編：新潟から参戦の大林選手 −最近新潟の方のエントリーはあまりないような気がしますが− 「ええ。盛んにやられてる方ではないと思いますが，年に一回位，大会はあります。ＳＴと４種とフィッシングスローといわれてるクラスがあります。」 −大林さんは以前，トップキャスターズのＳＴで名をはせた方ですよね− 「しばらくぶりにやりたくなって，参加させていただきました。」
	【文責：高濱】

入賞者
第１種目 １藤地，２飛田	第２種目 １斎藤，２遠藤，３長島	第３種目 １芳賀，２渡辺
第４種目 １高濱，２本沢，３池田，４鈴木	第５種目 １宇佐美，２大木，３平井，４竹下，５山田	第６種目 １黒澤，２倉嶋，３加藤