○	総括 　２１世紀最初のトップキャスターズ。過去開催されなかった年もあるが，今回で第２３回目を迎えた。 　各地区を勝ち抜いてきた精鋭６５名に，学釣連のキャスティング大会上位入賞者５名を加え，総勢７０名により，各々が持つ優れた技術とパワーを披露しながら，数ｍ単位の真剣勝負が繰り広げた。 　当初，競技は３班編制で開催する予定であったが，一部２５号シンカーに問題が見られたため，急きょ，班編制を第１・２・３・５種目，第４・６種目の２班分けして競技を行った。 　前日の雨がうそのように晴れ上がり絶好のキャスティング日和と思われたが，風は気まぐれで時々刻々と強さ風向が変わるなど，参加者を悩ませ，特に後半の種目についてはかなり厳しい状況のもとで行われた。 　厳しい状況であっても結果を出す。これこそがトップキャスターに求められるものであり，上位に入る方は当然その資質を備えていたといえよう。勝負の分かれ目は，気象条件をも考慮し対応したものであり，それは，日頃の練習，研鑽に裏付けられたものである。
○	競技結果
・	第１種目 　この種目は，本来差が生じにくい競技である。予想通りわずかな距離差のなかで厳しい戦いが展開され，平田(神奈川)が見事１位となった。中田(兵庫)は１５０ｍ台を２本揃えたにもかかわらず残り１投が足らず僅かな差で２位となった。平田は練習量の多さで有名と伝えられているが，安定した飛距離は練習の賜物といえよう。 　最長：中田
・	第２種目 　遠藤(コスモ)が２００ｍに迫る飛距離で優勝した。遠藤はプレ大会（東日本オープン）でのリベンジを果たし，しかも，２位斉藤(静岡)を１５ｍ近くも引き離すという圧倒的な実力差を見せつけた。今回の投げを見る限り遠藤の優位は当分続きそうである。 　最長：遠藤
・	第３種目 　時折のきつい向かい風のなか，ファールラインは１２０ｍにされたことから，距離足らずのファールも生じやすく，高い技術レベルが要求された。このなか，土橋(和歌山)が強豪の愛知勢を押さえ１位となった。 　最長：土橋
・	第４種目 　吉川(石川)が第３投，第４投を「Ｆ」としたあとの第５投でコートをとらえ，僅差で本沢(神奈川)を征し優勝を勝ち取った。７月のＪＳＣＦ大会で好結果を出した田村(千葉大)を含め学釣連の５名は全てこの種目に挑戦。残念ながら川原(京都産業大)が１０位にランクされているだけで，残りは「３Ｆ」に終わった。 　最長：吉川
・	第５種目 　前評判どおり，宇佐美(神奈川)，大木(神奈川) の間で戦いが展開され，１８０ｍ台３本を揃えた宇佐美が優勝した。宇佐美は第４投終了時点で優勝の自信を見せていたが，大木の動向が気になり大木の第５投が終わるまでは確信が持てないような素振りであった。大木は最長１９３．５７ｍで意地を見せているが，安定さで宇佐美を越すことはできなかった。 　最長：大木
・	第６種目 　黒澤(茨城)がコートに入れた３本で辛くも優勝した。島田(長野)にも充分勝機はあったが，わずか５０ｃｍで２位に甘んじた。また，長島(神奈川)は１８７ｍ・１８９ｍを打ち一歩抜け出ていたが残り一本を出すことができず，「３Ｆ」に終わった。 　最長：黒澤
○	優勝者等インタビュー（聞き手：釣遊・山田茂樹）
	第１種目　平田選手 −優勝おめでとうございます。− 「一年間やってきてようやく結果がでてうれしいです。」 −トップキャスターズの優勝は− ええ初めてです。 −練習は？− 「ええこの１ヶ月，毎日やりました。」 −今後も１種で継続ですね− 「まぁ来年は忙しくなるので大会は時間があれば出るようにしますが，練習はこのまま続けます。」 −練習は主にどのようにされてますか− 「確認と発見ですね。この１ヶ月はほとんど毎日確認だけでしたが，発見してもそれをものにするのに一ヶ月ではむりですから。時間は１時間から２時間です。朝とか暇な時間にやってます。」 −今後とも是非継続されて大会にも出てきてください。− 「はい有り難うございます。」 第２種目　遠藤選手 −この状況の中１９０ｍ台を連発されるなんてやっぱりすごいの一語につきますね− 「たまたまですよ」 −練習はどのくらいやられてるんですか− 「ほとんど毎日，あの練習用の竿を振ってます。」 −以前にもお聞きしたことがあるんですが，見た感じ横振りなんですが− 「ええ意識して横に振ってます。このような風なんで，低くて強い弾道を心がけました。２投目はフォローだったので，高い弾道にしたんですがあんまりのびなかったんですよね。まぁ河川敷ではこのような感じの時はよくあるんです。」 −ところで今回は竿をかえられてますよね− 「ええ年なもんで，少しでも軽い竿を と思いました。でも竿がぶれてるみたいなんでちょっと見直してみようかと思ってます。」 −わかりましたまだまだ改善ですね。今後とも頑張ってください。− 第３種目　土橋選手 −キャリアは随分長いようですが− 「ええ学生時代からですからかれこれ２０年になりますか。」 −優勝経験も結構ありますよね、練習は？− 「時間があれば毎週，時間は１〜２時間位ですか。」 −はたから見ると糸がきれそうなくらい思い切りふっていますよね− 「ええ長年やってるとだんだん限界がわかってくるんですよ！ゆっくり掛けて最期にトップスピードになるようにかけてやるんですね。練習では１種もやったことがあるんですが，１種も同じだと思います。」 −来年も参加されるように頑張ってください。− 第４種目　吉川選手 −練習はされてたんですか− 「練習は最近やってません。」 −練習しなくて勝っちゃうんですか信じられないですね。４種は最近はじめたんですか− 「もともと４種やってたんですよ。２種で砂田さんを超えたくてずっと２種やってたんですよ。まっいつも返り討ちにあってましたけど。遠藤さんもすごいですけど砂田さんもすごくて。まぁ今の自分があるのはよき先輩がたがいらしてたからなんですよ。よき先輩がいてちゃんと教えてくれたので，それがよかったんでしょうね！ 第５種目　宇佐美選手 −優勝おめでとうございます。どんな練習されてますか？− 「前を強く振るみたいな，よくいえないですけど。７月にピークを持っていったんでそれからなんか調子わるいというか，自分のイメージと違うところがでてきて，またちょっと壁ができたかなってな感じでやってきました。練習は土日というより毎日早朝に出来るときはやってます。５種なんで釣やりながらでも出来るし投げるだけではなくて考えながらやってます。常に目的意識をもって取り組んでます。」 −これからも５種ですか− 「４種をつまみ食いしながら来年も５種やっていきます。簡単な５種でさえ，思うようにいかないところがあって，だからよけいよその種目へはいけないよね！」 −これからも発展させるよう頑張って下さい。− ＜番外編＞ −大会初参加の学生選手　代表で某選手に話しをお聞きします。− −今回は社会人の大会に初参加，どうですか− 「１投目は緊張しましたけど，２投目からはある程度リラックスできました。」 −学生の大会ではどのような種目があるんですか− 「今回エントリした４種とＳＴです。ＳＴって言っても１５号オモリですけど。２５号は面白そうなんでやってみたいですね。」 −参加した感想は？− 「やはり距離だすのは竿がかわいそうなくらい思い切り振り切らないとだめなんですね。皆さん，すごいですね。」 −皆さん若いんですからもっと頑張って，また参加していい記録を出してください。−
	【文責：高濱】

入賞者
第１種目 １平田，２中田，３藤地	第２種目 １遠藤，２斉藤(代理)，３松浦	第３種目 １土橋，２江口，３大澤
第４種目 １吉川，２本沢，３筒井，４高濱，猪狩	第５種目 １宇佐美，２大木，３平井，４熊谷，５北川	第６種目 １黒澤，２島田，３久保(代理)