秘 訣 1
振るな,曲げろ!

 投げる時の言い回しにしばしば「竿を振る」と言う表現が使われますが,飛距離アップを目指す人は「曲げる」と考えるべきです。

 その意味するところは,オモリを遠くに飛ばすのはロッドの反発力を使って飛ばしているからに他なりません。「振る」感覚は振り回すに通じ,無駄な動き等によってロッドに充分な力を与えられません。

 投げる際には遠心力を利用しますが,遠心力は,それによって実際のオモリ以上の負荷をロッドにかけ,より一層ロッドを曲げ,反発力を貯めるために使われるべきもので,円盤投げやハンマー投げのように遠心力そのもので遠くに飛ばすのではありません。特に,回転投法を多用する人に遠心力そのもので投げようとする傾向があり注意が必要です。

 キャスティングに関するネガティブな表現として,「振りすぎ」はあっても「曲げすぎ」はありません。遠投とは,ロッドを「曲げられるだけ曲げる」ことをして,より遠くへオモリを飛ばしていくことです。

 飛距離アップは,より大きく「曲げる」ことで得るもので,「とにかく振る」ということではありません。

 遠心力を使ってロッドを最大限曲げる。ロッドは振るためにあるのではなく,曲げるためのもの!

 ウォーミングアップの素振りで鋭い振りをしている人が必ずしも良い結果を得ているわけではありません。確かにその素振りには素晴らしいものがあり(時にはその音で圧倒されそうになることもある)ますが,いざキャスティングのときには,普通の記録といったところです。振ることばかりに捕らわれていて,曲げることの大切さを忘れてしまっているのです。

 ロッドを早く振るのではなく,ロッドをいかにして曲げるか! 

 このことをつねに頭に入れておいて下さい。