FUJIのニューガイドは本当に飛ぶのか
 FUJIのニューガイドシステムローライダーは,キャスティングガイドに比べて口径がかなり小さくなった。小口径は飛距離に悪影響を及ぼすことはないのだろうか。
 結論から先に。他のガイドシステムに比べて飛距離が落ちることはないと思います。
 その理由は,小口径にし,しかもガイド数を増やすことによって,ラインリリース時の「あばれ」を極力少なくするとの考え方に立ったシステムだからと考えます。
 現在のキャスティングガイドは,約30年前に大口径ガイドに代わるものとしてデビューしました。大口径に比べ極めて小さくなったガイド径を見て,当時の人は,本当に飛距離は落ちないものかと疑っていたことを覚えています。当初発売されたキャスティングガイドは,現行の口径よりもかなり小さく,その後,改良(実際はキャスターからの要望が強かったものと思われる)を加え,大きめの口径として全ての投げ竿に導入されていきました。
 キャスティングガイドのコンセプトもニューガイドシステム同様,元のガイドでラインを絞り込みそこからトップまで直線的にラインをリリースさせ,ラインのばたつきによる抵抗を減らそうとするものでした。ホピーレベルでも完成度は高い
 ではなぜ,キャスティングガイドからニューガイドに代わったのか。
 一つはポリエステル系のラインの登場です。ナイロンに比べて腰の弱いポリエステル系ラインはキャスティングガイドでもばたついて,ライントラブルを招いてしまいます。
 二つ目はインターラインです。ポリエステル系ラインの登場でインターラインは一躍脚光を浴びることになります。しかし,実際にはインターラインは飛距離が伸びないことと,メンテが面倒なことから,ホビーレベルではあるものの多くの人たちによってポリエステル系にも対応できる外ガイドシステムが試作されていたところです。
 今回のニューガイドシステムはこれの製品版とも言えるものだと考えています。キャスティングガイドに比べ背が低いためにロッドが捩れにくい,多点支持によりロッド自体を効率的に利用できるなど,利点は多いものと考えます。
 ダイワの投げ竿インターライン化は失敗に終わりましたが,ローライダー化は定着するのではないでしょうか。
 ただ一つ気になる点があります。前述のとおりキャスティングガイドも当初はかなりの小口径でしたが,最終的にはキャスターの要望を取り入れて口径の拡大化を図ったところです。今回のニューガイドシステムもかなりの小口径です。本来,富士工業は極小口径のほうが有利と考えているのではないのでしょうか。もしそうならば,富士の信じるところを貫き,小口径を守って欲しいと思うのです。