33号,35号負荷のロッドには,実際何号のオモリを使うべきか。
 基本的に飛距離は,ロッドを曲げ,これが戻ろうとする力を利用してオモリを送り出すことから得られます。
 ロッドを曲げることに関しては,当然重いオモリの方が曲げやすくなります。極端なことを言えば,30号でも40号でもオモリを重くして振り出せば(=正しくは「押し出せば」)ロッドはより大きく曲がります。
 一方,オモリを送り出すときの反発力で考えれば,ロッドの曲がり分が同じならば,風やライン抵抗を無視して,15合と30号では,軽いオモリの方がリリース時の初速は高くなります。これは,力が一定(ロッドの曲がり分が同じ)ならば,重さと加速度は反比例し,より軽い方が大きい加速度となりより高い初速度を得ることができます。
 さらに,空気抵抗,ライン抵抗を考慮しますと,ある程度の重さを持たないと,いくら初速が高くとも,これら抵抗にうち勝つことができません。
 したがって,上記の3つの複雑な関係のバランスをとったところが適切な使用オモリということになります。
 キャスティング競技を含めて遠投志向者は,基本的には軽い方が高い初速を得られることから軽いオモリを使いますが,スウィング・V字・回転投法など,軽いオモリを遠心力によって実質的により重いオモリにしてロッドを極限まで曲げる動作を取り入れて,飛距離を得ているのです。つまり,ロッドの示す号数よりも軽いオモリによって,遠投を行っています。
 33号,35号負荷のロッドには何号が適切かと言えば,V字や回転などでは25号前後,スウィングならば15号程度と考えます。
 しかしながら,これはあくまでも遠投を重視した考え方によるものです。流れが強い場合や強風など,オモリが流されてしまうような状況下では,飛距離が多少落ちても30号を使うことは当然考えられます。
 茨城の海を例にとりますと,特に鹿島灘は流れが強く遠投重視のオモリ号数では,大抵の場合流されてしまい,30号超のオモリを使用(流れが弱ければ飛距離重視で25〜27号)します。