成田様

　すいません、ご報告する前にＨＰの更新を先にしてしまいましたが改めて
ご報告させて頂きます。全くの私事でお見苦しい限りですがご寛恕下さい。

　ネットで『笑う肉仮面』を入手しました。昭和33年刊行のイラストカバー
ではなく、グリーン一色のカバーがかかっていて函付きです。奥付を見ると
昭和34年7月初版。こんな異装本もあったのですねえ。

　とにかく嬉しいです。昨日うちに帰ったら届いていたので、晩飯食う前に
読み終えちゃいました。タイトルと作者の印象から、児童物のくせに結構
きわどいイカものだろうか、とか勝手に変な妄想を抱いていたのですが、
全然違いましたね。
　悪人の叔父の企みによって永遠の笑いをその顔にはりつけられた少年弓太郎は、
吹雪島にたった一人取り残される。彼はそこで偶然母と死に別れた少女に出会うが、
二人は吹雪の中で遭難寸前。その窮地を救ったのは手品師の宇宙斎老人と、彼が
飼っている狼の月光丸だった……。
　実に勧善懲悪、実に明朗快活。ちゃんと「探偵」もしてるし、善人は善人らしく
悪人は悪人らしく、キャラクタ設定も実に心得たもの。読了後は大変大らかな気持ちに
なり、そのあとのご飯がことのほかうまかったです。あと山風先生のジュブナイルは
「少年」掲載の短いやつ１、２編しか持ってないのですが、無性に読みたくなって
きました。……合宿？

[2000年12月5日 12時12分41秒]