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坂本さん、猟奇掲示板でお名前は拝見しておりました。
御教示ありがとうございます。頭にひっかかっていたことが解明され、
すっきりしました。
>スタンフォード大学在学中に創作科で書いたこの唯一のロマン・ノワール
そうなんですか。その若さで、ドゥールズを唸らせるとは。ウールリッチや
アイラ・レヴィン、ジャンプリゾといった作家を思わせる、早熟な才能だっ
たんですね。
WHAT'S NEW?に書いた後で、『フィルム・ノワールの光と影』という本
を観ていたら、『生まれながらの殺し屋』（Born to Kill）という'47
の米映画（ロバート・ワイズ監督）の原作者として「ジェイムズ・ガン」
の名前がクレジットされていました。多分、坂本さん指摘の作家と同じ
作家だと思われます。この映画の原作が《Deadlier Than the Male》な
のかもしれません。
>最近フランスで刊行されたミステリ大事典
これは楽しそうですね。仏語（英語もだけど）に堪能な方は、趣味の
ミステリの世界も数倍に広がって羨ましいことしきりです。
[2003年11月11日 3時25分45秒]
お名前： 坂本浩也
はじめまして。ずいぶん時差があるのですが、情報提供を。
哲学者ジル・ドゥルーズがセリ・ノワール論で言及している作家「ジェイムズ・ガン」とは、フランス人の覆面作家ではなく、またSF作家のJames Edwin Gunnとも別人の、James Edward Gunn (1920-1966)という米国人のようです。仏訳題《Tendre femelle》を和訳して『優しい女』とされている作品の原題は《Deadlier Than the Male》とのこと（1942年刊）。スタンフォード大学在学中に創作科で書いたこの唯一のロマン・ノワールが当たったおかげで、映画会社から声をかけられ、以後シナリオの仕事をしたようです。最近フランスで刊行されたミステリ大事典《Dictionnaire des litteratures policieres》には、こうした伝記的情報にくわえ、作品の簡単なあらすじも紹介されています。以上、ご参考まで。
[2003年11月8日 20時13分22秒]
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