記事タイトル:『麻雀小説傑作選』 


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お名前: ストラングル・成田    URL
石川さん

 『小説より奇なり』収録の詳細教えていただき、ありがとうございました。
 近いうちに原文に当たってみたいと思っています。本提供の申出ありがとう
ございます。入手は、なんとかなりそうなので、また、お気持ちだけ戴いてお
きます。
[2004年1月26日 7時47分53秒]

お名前: 石川誠壱    URL
伊丹十三『小説より奇なり』を、
文春文庫版(1986年7月25日・初版)で確認しました。
(元本は、1973年10月、文藝春秋・刊)

山田風太郎のコメントが掲載されているのは、
「伊丹十三の編集するページ 第七回」という部分です。

え〜と、初出の雑誌が何なのかは、
まったく記載されていないのですが、
(たぶん、元の単行本にも記載はなかったと思います)
この「伊丹十三の編集するページ」というのは、
いわゆる「雑誌内雑誌」というか、「雑誌内新聞」といった形式の連載ですね。

何と言うか、明治時代の赤新聞?
そんなような独自の体裁、独自の文体で統一されていて、
各界著名人の談話を並べる、という形で展開していた、
そういう連載だったようです。

で、その連載当時のままの誌面を活かして、
そのまま単行本にも文庫にも収録してある、ということですね。

(「各界著名人」といっても、大部分が小説家ですので、
 もしかしたら初出誌はオール讀物あたりなのかも知れません)

その「伊丹十三の編集するページ」は、
第一回から第八回まで、全部で8回の連載だったようで、
それぞれ特集テーマがあり、テーマにあわせた著名人コメントが集められています。

第一回から第五回までは、
頭髪についての悩みに関する特集。

そして、第六回から第八回までが、
「異色的大特集 犬か猫か!!」と銘打たれた、
文字どおり著名人の飼い犬、および飼い猫についてのコメント集です。

山田風太郎が登場している第七回は、

*

■異色的大特集■犬か猫か!!
 ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
●今週は各界諸先生方の
 ▼▼▼▼▼▼▼▼
 怪奇深刻を極めた
 五大実話発表
              、、、
 ▼口外してはならぬ事実だが一人で
 、、、、、、、、、、、、、、 、
 秘めておくには余りにも惜しい!!因
 、、、、、、、、、、、、
 縁の不可思議を現実に見る物語です

*

こういう標題になっております。

(…あれ? 「今週」となっていますね。
 そうすると、初出は週刊誌? 週刊文春だったのでしょうかね?)

ちなみに、その「五大実話」というのは、

●山田風太郎先生談話
●幸田文先生談話
●今東光先生談話
●都筑道夫先生談話
●海音寺潮五郎先生夫人談話

この5本です。

そして、その冒頭を飾っているのが
「山田風太郎先生談話」ということです。
(コメント自体に、とくにタイトルは附されていません。
 また、コメントと並べて、山田風太郎の丸囲みの顔写真も掲載されています。)

その、「山田風太郎先生談話」の、
最初の部分を少し引用しておきます。

※(以下引用)

●犬は、三匹、居ます。あのオ、
ポメラニアンですか、其れと、
最う一匹、何て言うんですか、那
の、顔中毛だらけの犬
が居るんですがね。其れか
ら、外に最う一匹。●其れで、
別に、僕、犬が好きって訳でも
無いんですよ。あのオ、まあ、
一番初め、子供が小さい時に
ね、あの、近所から、駄犬を、
貰って来ましてね、其れを飼っ
てた物だから、其れが死んだか
ら、ま、代りに飼うとかね、人
が、誰か持って来るとかね、其
んな事で、何となく増え
ちゃったんで、嫌いでは無
いんですけどね、ま、普通の人
が犬を好き、と言う人、多いで
しょう、ま、其の程度じゃ無い
かと思うんですよ。

※(引用このあたりまで)

この調子で、以下に98行、
犬と猫の話が続きます。

お読みになれば、お分かりでしょうけれど、
この文体は伊丹十三によって徹底的にリライトされた、
独自の文章でありますから、
これは、このまま山田風太郎のエッセイ集なり何なりに収録する、というのは、
難しいでしょうね。

したがって、これは「単行本未収録」であると思われます。

もし、御必要でしたら、
この文庫版でよろしければ、
『小説より奇なり』お送りいたしましょうか?
[2004年1月22日 20時34分51秒]

お名前: ストラングル・成田    URL
すっかり時間が経ってしまって申し訳ありません。

『風眼抄』単行本、文庫本いずれも正しいタイトルは「麻雀血涙帖」
でありました。
(単行本本目次は、「麻雀血涙帳」となっていましたが、多分誤り)
修正しておきます。御指摘ありがとうございました。

それと、石川さん、先の書込みでふれるのを忘れてしまいましたが、
『麻雀小説傑作選』ご提供の申出、感謝いたします。
テキスト自体は、エッセイ集で読めますので、御提供いただくには、
及びません。お言葉のみありがたく頂戴しておきます。
また、なにかありましたら、情報戴ければ幸いです。
[2004年1月5日 22時8分45秒]

お名前: ストラングル・成田    URL
石川さま

情報ありがとうございました。法水さんのいわれるとおり、「風眼抄」収録
のやつですね。
>5篇までがエッセイ?であるという、不思議な本なのですが。
そうでしたか。

>伊丹十三の『小説より奇なり』
こちらもいずれ確認したいと思います。

>タイプミス
ありゃ。今部屋がとっちらかってるので、後ほど確認させていただきます。

ありがとうございました。
[2003年12月31日 16時35分53秒]

お名前: 法水   
お久しぶりです。
「麻雀血涙帖」は中公文庫『風眼抄』に収録されてますね(S.51.8『文藝春秋』初出)。
こちらのリストでは「麻雀血風帖」になってますが、単なるタイプミスでしょうか?
[2003年12月31日 12時35分57秒]

お名前: 石川誠壱    URL
はじめまして。
お邪魔いたします。

さっそくですが、山田風太郎『麻雀血涙帖』収録の
『麻雀小説傑作選』、ちょうど、私の手元にあります。

寺内大吉・編『麻雀小説傑作選』
廣済堂出版:Kosaido blue books
1981年7月10日・初版発行

で、この『麻雀血涙帖』というのは、
小説ではなく、エッセイです。

もっとも、この本は「本邦初の麻雀小説アンソロジー」と銘打ちながら、
収録15篇(12作家)のうち、
5篇までがエッセイ?であるという、不思議な本なのですが。

初出データが、まったく記載されていないので、
この本だけからでは、『麻雀血涙帖』の書誌データなども、まったく分かりません。
(巻末には「編者あとがき」というものもありますが、
 これも、寺内大吉による個人的な麻雀エッセイのようなものであって、
 収録作品に対する「解説」には、なっていません)

ちなみに、『麻雀血涙帖』冒頭部分を書き出してみます。

※(以下引用)

 頬につたふ
 なみだのごはず
 一握の牌を示しし人を忘れず

 マージャンをおぼえてから、指折り数えてみるとも
う二十五年になる。手ほどきしてくれたのは高木彬光
さんだった。
 いったい、私は、何事でも、やりたくないことはや
りたくない、という消極主義で、たとえ何かやりたい
ことがあっても、そのための訓練が必要だ、というな
ら、訓練というやつはあまり面白くないものだから、
それで億劫になって手をひっこめてしまう。
 考えてみると、子供のころから、ひとが将棋や碁を
やっているのを、ふところ手をして遠くから見ている
だけで、一向にそれをやって見たいとも思わなかった。

※(引用このあたりまで)

…というのが冒頭の文章で、
それなのに、麻雀にだけは夢中になった、という体験談が、
以下に綴られています。

分量は、新書判の2段組みで、
全部で11ページになります。

(山田風太郎のエッセイ集などに、
 該当する作品があるかどうか、照合なさってみてください)

もし、この『麻雀小説傑作選』が、
御必要なようでしたら、お送りいたしますが、如何でしょうか。

*

それと、山田風太郎のエッセイ、インタビュー…ということで
ちょっと思いついたのですが、
伊丹十三の『小説より奇なり』に、
山田風太郎の短いコメントが収録されていましたよね。

それは、書誌データの中に含めてしまってもいいものなのでしょうか。

(細かい初出などは、やっぱり何も分からないのですが。
 え〜と、たしか、60年代後半か70年代前半の、文春の雑誌ですよね。
 …「漫画讀本」?)
[2003年12月30日 8時28分41秒]

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