記事タイトル:二つのユービック |
ユービックに関する思いつきを書こうと思っているうちに、すっかり 出遅れてしまいました。三人称的一人称、あれこれ思い当たる節あり。 後半確かに映画には不自然なほどのモノローグですね。[2003年5月20日 6時47分3秒]
『ユービック:スクリーンプレイ』は脚本というスタイルが ディックの小説技法の特徴をかえって浮き彫りにしたようで、非常に興味深く読みました。 脚本には、主人公が空に描かれた飛行機雲のメッセージに気付かぬまま歩きすぎるシーンが ありますが、小説ではちゃんと気付いているんですね。 これはディックが小説で使う三人称は極めて一人称に近く、主人公の知覚しない事物は 地の文でも描写されないからでしょうか。 脚本の後半になると、このまま映画化すればさぞリズムを崩すだろうとしか思えないほど モノローグが増えているのも、ディックがペンを走らせる余り、 ついいつもの小説のスタイルをそのまま持ち込んでしまったからであろうと想像しています。 またなにか思いついたら書き込みます。[2003年5月8日 18時27分11秒]