続きです。
　少年雑誌のチェックがさくさく進んで（つまり読物の比率が圧倒的に少なくなっている
わけです）時間に余裕があったので、学習誌にちょっかいを出しました。
　秋田書店から出ていた「中学生画報」。創刊号は欠号で、36年の5月号と6月号の合計6
冊を調査（なぜダブっておるのだ）。多岐川恭の「むささび市長」と都筑道夫の西部小説
「黄色いガン・ベルト」が連載中。確かこの雑誌は三号雑誌だったはずなので、いずれも
未完なのでしょう。

　「中学生の友一年」、36年4月号では「小六」から持ち上がった双葉十三郎の「赤いク
モの秘密」が終了、続いて「すっとび先生」第二話の「黒い魔術師」（5月号〜8月号）。
　以下中編読切シリーズが続きます。樹下太郎「雑草の中にいた男」（9月号）、笹沢左
保「帰って来ない」（10月号）、都筑道夫「黒いおじさん」（11月号）、仁木悦子「みど
りの香炉」（12月号）。
　お宝というのは最後の仁木悦子ですね。成田さんにもお見せしましたが、雄太郎・悦子
兄妹が登場するジュヴナイルです。文中に「にいさんは中学三年生、わたしは二つ下の一
年生だ」とありますので、たぶんこのままの形では本になっていないはず。タイトルから
見て「青い香炉」の原形か？　とも思いますが、未読なので正体はわかりません（笑）。
あるいは全然別の作品に改作されているのかも。

　あとは菊村到とか梶山季之とかありますけど省略して、「二年」で水上勉「ヨルダンの
蒼いつぼ」（36年4月号〜37年3月号？）が継続連載。37年1〜3月号が欠号で完結未確認で
す。北杜夫の「船乗りクプクプの冒険」も同時期の連載でした。
　「高校進学」では佐野洋の「失われた記憶」（36年4月号〜9月号）、笹沢左保の「青の
疑惑」（同7月号〜37年3月号？）、水上の「燃えよダイヤモンド」（37年5月号から38年
3月号）などですか。「中学生の友」は、三誌とも38年3月号で休刊しています。

　ということで、後は追加データをメールで……といいつつ先週の分も送ってなかったな。
いやまあ、そのうち、なんとか。はい。
　ではまた。

[2000年12月11日 5時55分40秒]