凄く昔の雑誌のことなのですが
昭和20年代の「おもしろぶっく」(集英社)を読んでいたのですが、当時は占領下で、特に登場人物には強い制約があったものと考えられ、戦闘場面に登場するヒーローは外国人(英米人)に限定されていて、日本名のヒーローは時代劇、スポーツ、探検もの、探偵とかだけでした。連載されていたので記憶にあるものに「空魔X団」(小松崎茂)これは中米を基地とする私設空軍が最新式の航空機(当時やっと実用になったばかりのジェット機など)で誘拐などを繰り返しているのを阻止する筋書きだったがアマチュアパイロットのヒーローが兄を救出に敵基地に乗り込むのですが結末は知りません。昭和24年11月から26年新年号までと言う資料があるからどうも突然に打ち切られた模様です。もう一つは「鉄の鯨」(安部和助)でこれは海底基地を舞台とした鯨型の潜水艦(艦長はニヒルと言う名のロボット)の物語で昭和25年3月から25年10月までとなっています。最後のほうは海底基地での反乱による戦闘で傷ついた潜水艦が逃れていくところまでは覚えています。共通しているのは、どちらもこの私設軍基地が先住民とかの奴隷的労働で成立していたことで、このあたり占領下の鬱屈した世界が表われていようです。このあたりの打ち切り(?)の経過は判らないでしょうか。
小松崎ものではもう一つ、昭和20年代から30年初めまで連載の、宇宙人を装い人工衛星基地で世界制服を企む一派との戦闘もので、主人公の兄が科学的興味からこれに加担していたのが最後に宇宙基地での反乱を行い壊滅させるのですが、この筋書きが東宝映画の「宇宙防衛軍」に似ているのと、更にこのときに地球から略奪した美術品の中の「関の孫六」を眺めているうちに良心が蘇り、それで斬り付ける(相沢中佐か)のですが、まさか三島由紀夫がこれに影響を受けたとも思えませんが奇妙な一致が気になるけれど題名が思い出せません。
[2004年11月28日 11時32分9秒]