2000.6.25
*リストに関する2、3の事項
・本リストは、いわゆる不可能犯罪を扱った海外の長編ミステリのうち、翻訳のある作品をまとめたものです。
・作品の選定に当たっては、Robeert Adey著「LOCKED ROOM MURDERS
and Other Impossible Crimes」('91/Crossover Press)にほぼ全面的に依拠したほか、翻訳情報に関しては、森英俊著「世界ミステリ作家事典[本格派篇]」('98/国書刊行会)をはじめ各種解説等を参考にさせていただきました。(*は、Adeyのリストにない作品(非英米圏の作品、'91以降の作品が主)
・誤り、見落とし等が多いと思われますが、お気づきの点を指摘していただければ幸いです。
・不可能犯罪物が多数にのぼるディクスン・カー(カーター・ディクスン)の作品リストは、他日を期すこととしました。また、逐次、短編についても加えていきたいと考えています。
・なお、老婆心ながら。ここに掲げる作品は、あくまで不可能犯罪物かどうかの一点を基準としたものであり、当該作品がその作者の代表作といえないケースが多いので、御注意ください。
・文庫等の略称
角文;角川文庫 講文:講談社文庫 新文:新潮文庫 創文:創元推理文庫
筑文:ちくま文庫 徳文:徳間文庫 早文:ハヤカワ文庫(ミステリ文庫以外のものはジャンル表記)
ポケミス:ハヤカワ・ポケットミステリ 早ミ文:ミステリアス・プレス文庫
EQ:雑誌(光文社) HMM:雑誌「ハヤカワ・ミステリ・マガジン」(ハヤカワ書房)
アイザック・アシモフ
『鋼鉄都市』 | '54 | 早文SF | |
『はだかの太陽』 | '58 | 早文SF |
マージェリー・アリンガム
『判事への花束』 | '36 | ポケミス |
ポール・アルテ
『第四の扉』 | ポケミス |
ブルース・アレグザンダー
『グッドホープ邸の殺人』 | '94 | ポケミス | * |
ピーター・アントニイ
『衣装戸棚の女』 | '51 | 創文 |
S・S・ヴァン・ダイン
『カナリヤ殺人事件』 | '27 | 創文 | |
『ケンネル殺人事件』 | '33 | 創文 | |
『ドラゴン殺人事件』 | '33 | 創文 |
ピエール・ヴェリイ
『ガラスの蛇』 | '34 | EQ89.5-9 | * |
エドガー・ウォーレス
『正義の四人』 | '05 | 東都書房 |
キャサリン・エアード
『そして死の鐘が鳴る』 | '73 | 早文 |
ヤーン・エクストレム
『誕生パーティの17人』 | '75 | 創文 | * |
ヒュー・オースティン
『鼻かけ三重殺人事件』 | '35 | 別冊宝石79 |
J・ディクスン・カー(カーター・ディクスン)
→別途
H.R.F.キーティング
『パーフェクト殺人』 | '64 | ポケミス |
ポール・ギャリコ
『幽霊が多すぎる』 | ' | 創文 |
ランドール・ギャレット
『魔術師が多すぎる』 | '67 | ポケミス |
エラリー・クイーン
『アメリカ銃の謎』 | '33 | 創文 | |
『チャイナ橙の謎』 | '34 | 創文 | |
『ニッポン樫鳥の謎』 | '37 | 創文 | |
『帝王死す』 | '52 | 早文 | |
アラン・グリーン
『くたばれ健康法!』 | '49 | 創文 | |
『道化者の死』 | '52 | ポケミス |
アガサ・クリスティ
『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?』 | '34 | 早文 | |
『メソポタミアの殺人』 | '36 | 早文 | |
『ポアロのクリスマス』 | '38 | 早文 | |
『そして誰もいなくなった』 | '39 | 早文 | |
『カーテン』 | '75 | 早文 |
エドマンド・クリスピン
『金蠅』 | '44 | ポケミス | |
『消えた玩具屋』 | '46 | 早文 | |
『白鳥の歌』 | '47 | 国書刊行会 |
クライド・B・クレイスン
『チベットから来た男』 | '38 | 国書刊行会 |
フリーマン・ウィルス・クロフツ
『二つの密室』 | '32 | 創文 | |
『シグニット号の死』 | '38 | 創文 |
ミルワード・ケネディ
『救いの死』 | '31 | 国書刊行会 |
ジョナサン・ケラーマン
『パラダイスの針』 | '95 | 新文 | * |
トニー・ケンリック
『スカイジャック』 | 角文 | * |
タッカー・コウ(ドナルド・E・ウェストレイク)
『刑事くずれ/ヒッピー殺し』 | '68 | ポケミス |
イズレイル・ザングウィル
『ビック・ボウの殺人』 | 1895 | 早文 |
マイ・シューヴァル&ペールヴァール
『密室』 | '72 | 角文 | |
ロジャー・スカーレット
『密室二重殺人事件』 | '30 | 新青年40春季増刊 | |
『エンジェル家の殺人』 | '32 | 創文 |
スタニスラス・アンドレ・ステーマン
『六死人』 | '31 | 創文 | * |
デレック・スミス
『悪魔を呼び起こせ』 | ''53 | 国書刊行会 |
ミッチェル・スミス
『ストーン・シティ』 | '89 | 新文 |
ジョン・スラデック
『黒い霊気』 | '74 | ポケミス | |
『見えないグリーン』 | '77 | 早文 |
マイケル・スレイド
『髑髏島の惨劇』 | '94 | 文春文 |
ヘイク・タルポット
『魔の淵』 | '44 | ポケミス |
トマス・チャrステイン&ビル・アドラー
『誰がロビンズ一家を殺したか? | '83 | 早川書房 |
『ロビンズ一家の復讐』 | '84 | 早川書房 |
ピーター・ディキンスン
『毒の神託』 | '74 | 原書房 |
エリザベス・デイリイ
『二巻の殺人』 | '41 | ポケミス |
マイケル・ディブディン
『血と影』 | '90 | 早ミ文 |
トーマ・ナルスジャック
『死者は旅行中』 | '48 | 晶文社『大密室』 | * |
ラリイ・ニーヴン
『パッチワーク・ガール』 | '78 | 東京創元社 |
ロナルド・ノックス
『密室の百万長者』 | '27 | 別冊宝石103 |
ワルター・ハーリヒ
『妖女ドロッテ』 | 東京創元社 | * |
スチュアート・パーマー
ペンギンは知っていた | '31 | 新樹社 | * |
アントニイ・バークリー
『レイトン・コートの謎』 | '25 | 国書刊行会 |
アントニイ・バウチャー(H・H・ホームズ)
『密室の魔術師』 | '40 | 別冊宝石99 | |
『死体置場行きロケット』 | '42 | 別冊宝石104 |
イーデン・フィルポッツ
『灰色の部屋』 | '21 | 創文 | |
『密室の守銭奴』 | '26 | 別冊宝石29 |
ファン・フーリック(グーリック)
『中国迷路殺人事件』 | 筑文 | ||
『中国黄金殺人事件』 | 三省堂 |
カーター・ブラウン
『ゴースト・レディ』 | '62 | ポケミス |
ハワード・ブラウン
『夜に消える』 | '54 | ポケミス |
フレドリック・ブラウン
『死にいたる火星人の扉』 | '51 | 創文 |
クリスチアナ・ブランド
『自宅にて急逝』 | ''46 | ポケミス | |
『ジェゼベルの死』 | '48 | 早文 |
ハーバート・ブリーン
『ワイルダー家の失踪』 | '49 | ポケミス |
レオ・ブルース
『三人の名探偵のための事件』 | '36 | 新樹社 |
ニコラス・ブレイク
『死の殻』 | '36 | 創文 | |
『雪だるまの殺人』 | '41 | ポケミス |
ローレンス・プロック
『泥棒は選べない』 | '78 | 早文 |
ビル・プロンジーニ
『脅迫』 | '81 | 新文 | |
『迷路』 | '82 | 徳文 |
ピエール・ボアロー
『三つの消失』 | '38 | 晶文社『大密室』 | * |
『殺人者なき六つの殺人』 | '39 | 講文 | * |
ボアロー&ナルスジャック
『技師は数字を愛しすぎた』 | '58 | 創文 | * |
フィリッブ・マクドナルド
『ライノクス殺人事件』 | '30 | 六興推理小説選書 |
エド・マクベイン
『殺意の楔』 | '59 | 早文 |
ヘレン・マクロイ
『暗い鏡の中に』 | '50 | 早文 | |
『割れたひづめ』 | '68 | 国書刊行会 |
クレイグ・ライス
『こびと殺人事件』 | '42 | 創文 | |
『Gストリングス殺人事件』 | '41 | 別冊宝石116 | ジプシー・ローズ・リー名義 |
ピーター・ラヴゼイ
『猟犬クラブ』 | '96 | ハヤカワ書房 | * |
レイ・ラッセル
『インキュバス』 | '76 | 早文ホラー |
ジョナサン・ラティマー
『処刑6日前』 | '35 | 創文 | |
『黒は死の装い』 | '59 | ポケミス |
モーリス・ルブラン
『二つの微笑を持つ女』 | ' | 創文 |
ガストン・ルルー
『黄色い部屋の謎』 | '08 | 創文 | |
『黒衣夫人の香り』 | '09 | 創文 | |
『オペラ座の怪人』 | '10 | 創文 |
ジョン・ル・カレ
『高貴なる殺人』 | '62 | 早文NV |
ハーバート・レズニコウ
『ゴールド1/密室』 | '83 | 創文 | |
『ゴールド2/死線』 | '85 | 創文 | |
『音のな部屋の死』 | '87 | 早ミ文 |
J.シェリダン・レ・ファニュ
『アンクル・サイラス』 | 1868 | 創土社 |
クレイトン・ロースン
『帽子から飛び出した死』 | '38 | 早文 | |
『天井の足跡』 | '39 | 国書刊行会 | |
『首のない女』 | '40 | 創文 | |
『棺のない死体』 | '42 | 創文 |
ジョン・ロード
『プレード街の殺人』 | '28 | ポケミス | * |
『見えない凶器』 | '38 | 国書刊行会 |
ジョエル・タウンズリー・ロジャーズ
『赤い右手』 | '45 | 国書刊行会 |
備考
1 HMM98年3月号『密室の秘かな愉しみ』において、森英俊氏等により、不可能犯罪を扱っているとされている以下の長編については、本を所持していない等の理由により、現段階で未確認です。
ジェイン・アダムズ『少女が消えた小道』(ポケミス)
ロス・マクドナルド『暗いトンネル』(創文)
レジナルド・ヒル『甦った女』(ポケミス)
ローレンス・プロック『処刑宣告』(二見書房)
ケイト・ロス『ベルガード館の殺人』(講文)
2 次の作品に邦訳があるか確認できていません。
ジェイムズ・ハードリー・チェイス『THE DOUBLE SHUFFLE』('53)
フーリック(グーリック)『THE RED PAVILION』('68)
3 江戸川乱歩は、スカーレット『猫の手』('31)(「宝石」55−1)を密室物に分類しているが、内容不明。→(追記)密室物というより死亡推定時に容疑者全員にアリバイがある状況