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レポート#10 2000.10.18「中学コース」その1

 寒いですねー。
 引き続きまして「中学コース」編、まいります。
 図書館には「中学コース一年〜三年」のそれぞれ昭和25年7月号、8月号がありまして、「中学一年〜三年の学習」が改題されたもののようです。その後「中学コース」として一本化されたらしいのですが、これはガチガチの高校受験誌で、目次を眺めてても、ちっとも面白くない。で、後回しにいたします。
 「中学初級コース」、昭和31年4月創刊。大判の読物雑誌ですが、目を惹くのは福島正実訳のミルトン・レッサー「ロケット練習生」(昭和31年5月号〜9月号)、「トム・スイフトの宇宙冒険」(昭和31年10月号〜32年2月号)、ほかにドイルやポーのリライトがあります。32年1月号から水谷準の「魔像の秘密」が連載開始。32年4月号から「中学一年コース」「中学二年コース」として再スタート。水谷の連載は「中二」に続きます。 「中学一年コース」、昭和32年4月創刊。島田一男の「赤屋敷のなぞ」は香月シリーズ。「中学二年コース」に続いて、同誌33年5月号で完結しています。同様に33 年1月号から連載開始の横溝「まぼろしの怪人」も、「中学二年コース」34年3月号で完結。
 読切は32年9月号の「魔の幽霊船」黒沼健、「オーロラの冠」高垣眸、など。
 同じく「中一」昭和33年度(33年4月〜34年3月)編。いきなり水谷準の「宝石人間」が完結してますが、これは「六年の学習」あたりからの継続ですかね?
 水谷は続けて「13番墓場」(5月号〜34年3月号)を連載、いずれも「魔像の墓場」と同じ、志村探偵&リス太少年のシリーズです。あとは香山滋の「恐怖谷のなぞ」(7月号〜34年3月号)、朝島靖之助「ビリー・メリー探偵物語」シリーズ、(同)、チェスタトン「古城の秘密」(8月号)、などなど。
 さらに「中一」昭和34年度編。ここでも水谷準の志村&リス太もの「六つの赤いつぼ」がいきなり完結。新連載は正史の「姿なき怪人」(〜「中二」35年4月号)、ならびに彬光の神津もの「深夜の魔王」(〜35年3月号)、けっこう豪華ですね。後者は単行本未刊です。 三浦清という人の読切がいくつかありますが、これは省略。
 でもって昭和35年度編。この辺になると新進の「推理作家」がぞくぞく登場してまいります。まず鮎川の「冷凍人間」(4月号〜9月号)、同じく三吉少年が活躍する「透明人間」(10月号〜36年3月号〜)。後者は「中二」に続いていますが、36年度は未調査です。
 さらに楠田匡介「姫鏡台のなぞ」(4月号)、佐野洋「とんだまちがい」(5月号)、水上勉「黒い石ころ」(6月号)、多岐川恭「機械の証言」(7月号)、日影丈吉「私には秘密がある」(8月号)、結城昌治「ロワをさがせ」(9月号)、樹下太郎「墓場の気ちがい」(10月号)、と短編が続きます。
 8月号のつぎに臨時増刊「夏のたのしい読物特集号」が出ています。「冷凍人間」第六回はここに掲載。増刊号に連載が乗るのは、当時の学習誌の慣例なんでしょうか?
 読切は結城昌治「消えた足あと」、新章文子「夕立が去ったあと」、福島正実「月世界の記念塔」、カー「どくろ城」等。
 さらに1月号の次にも臨時増刊「新選世界名作集」。こちらはクリスティー「うらない殺人事件」、フットレル「完全な脱ごく」、ブノア「女王アンチネアの秘密」、キーン「ナンシーの冒険」、ドイル「海底都市アトランティス」、その他です。思考機械が中学生になってしまうのが、いかにもこの時代のジュヴナイルですね。 以下、「中学二年コース」編。 32年4月創刊。「初級コース」からの続きで、水谷の「魔像の秘密」改め「33号のなぞ」が33年3月号まで連載。この年度はこれだけです。
 33年度。前述のとおり島田の「赤屋敷の秘密」と横溝の「まぼろしの怪人」が継続連載。「赤屋敷」が5月号で完結した後、同じ島田の「D山荘の秘密」(〜「中学コース」34年6月号)が続きます。
 34年度では、岡田鯱彦の「なぞのプリズム」(〜7月号)くらいですか。連作の予定が、なぜか第一話のみで終了してしまいました。 35年度では横溝の「姿なき怪人」が4月号で完結、続いて「怪盗X・Y・Z」(5月号〜36年3月号〜)、これも「中三」に続いていますが完結は未確認。
 「中一」と同じく増刊号が出ていますが、これが半分以上同じ内容で唖然。特に夏の号は連載以外はほとんど同じです。新年の「新選世界名作集」の方はちょっとちがっていて、スティーブンスン「南海の秘境」、ウェルズ「新スピード薬」、ドイル「失われた世界」、ナイト「空とぶ男」などが載っています。最後の人はSFのデーモン・ナイトとは別人。
 で、「中学コース」ですが、最初に書いたとうり、収穫がほとんどありません。延々と。しいて拾えば柴錬の「海の呼ぶ声」(27年4月号〜28年3月号?)、清張の「武田信玄」(30年5月号〜31年増刊号)くらいですね。 34年になって、島田「D山荘の秘密」(4月号〜6月号)が「中二」から継続されてきます。35年1月に増刊の「冬季読切傑作小説特集号」が出て、ここには鮎哲「虫原博士の死」、大藪「鋼鉄はこうしてきたえられた」などが載っています。ほかに長谷川公之、高橋豊、朝島靖之助など。 35年度には多岐川恭が「夢幻城」(4月号から36年3月号)を連載。この年、昭和35 年の10月号から「中学三年コース」と改題されています。それまでは「中一」「中二」「中学」と並んでいたわけですね。 ……長ったらしい割に、ほとんど収穫がないですねー。まあ、こんなものです。あと、「コース」については付録のデータを拾ってみましたので、これは次回に(まだ続くんかい)。
 では、また。