【少年探偵小説の部屋】
このリストでは翻訳、物語詩、絵物語、童話は除外してあります。
『西条八十全集 第十二巻 少女小説』の解説で少女小説とあった「破片」(昭和4年4月令女界)と「夜の銀座」(昭和4年4月若草)は実物を確認したところ大人向けのためリストから除外。
「島流しの犬」(大正10年10月 日本少年)(『アイアンの島廻り』内田老鶴圃 大正12年に収録)があるが童話とみなし除外。
「鬼大佐と山賊」(昭和13年9月 日本少年)は『勇将ジェラール』の簡訳のため除外。
当時は許されたのだろうが雑誌には西条八十作とありコナン・ドイルの名は全く出てこない。
「涙ぐましい親切」(昭和2年2月 少年倶楽部)は随筆のため除外。
「仰げ護国の花‐靖国神社に祀られている女神」(昭和13年5月 少女倶楽部)は伝記のため除外。
「花ものがたり(桃の花)」(少女倶楽部 昭和11年1月)は『西条八十著作目録・年譜』では小説となってるが随筆のため除外。また『西条八十著作目録・年譜』では『少女小説西条八十選集第二巻』に集録とあるが誤記である。
「病める薔薇」(昭和4年7月 令女界)と「美しき家族」(昭和6年7月 令女界)と「鈴蘭の女」(昭和13年
7月 講談倶楽部)は未確認。
「花束の秘密」(大正10年4月 童話)(『西條八十全集 第6巻 童話1』国書刊行会に集録)は実質的に小説だが作者が童話としているためリストから外す。
1 はかなき誓 1924(大正13) 3/1 少女倶楽部 注1
2 マンスの秘密 1924(大正13) 8/1 少女倶楽部〜14年2/1
3 病めるカナリア 1927(昭和2)11/1 少女倶楽部
4 国境の少女 1929(昭和4)8/1 少女倶楽部
5 小指の許嫁指輪 1930(昭和5)7月 少女の友 臨時増刊号
6 幸福の丘 1931(昭和6)1/1 少女倶楽部 注2
7 孝女白菊 1933(昭和8)10/1 少女倶楽部 別冊付録 注3
8 巡礼お鶴 1934(昭和9)5/1 少女倶楽部 別冊付録 注4
9 三吉馬子歌 1935(昭和10)1/1 少女倶楽部 別冊付録
10 静寛院宮(せいくわんゐんのみや) 1935(昭和10)8/1 少女倶楽部 別冊付録
11 花物語・永遠の花(ヒヤシンスの巻) 1936(昭和11)3/1 少女倶楽部 注5
12 花物語・ハムレットの幻(雛菊の巻) 1936(昭和11)4/1 少女倶楽部
13 静御前 1936(昭和11)4/1 少女倶楽部 別冊付録
14 花物語・悲しみのマリア(木蓮の巻) 1936(昭和11)5/1 少女倶楽部
15 花物語・思いでの詩集(勿忘草の巻) 1936(昭和11)6/1 少女倶楽部
16 花物語・湖畔の乙女(百合の巻) 1936(昭和11)7/1 少女倶楽部
17 花物語・白菊の歌(白菊の巻) 1936(昭和11)12/1 少女倶楽部 注6
18 花物語・椿の墓(椿の巻) 1937(昭和12)1/1 少女倶楽部
19 花物語・雪崩と薔薇(薔薇の巻) 1937(昭和12)2/1 少女倶楽部
20 花物語・新月のちかい(雛罌粟の巻) 1937(昭和12)3/1 少女倶楽部
21 天使の翼 1937(昭和12)4/1 少女倶楽部〜13年12/1 注7
22 水郷の唄 1937(昭和12)7/15 少女倶楽部 臨時増刊号 注8
23 二輪のさくら 1938(昭和13)2/1 少女倶楽部
24 涙のアヴェマリア 1938(昭和13)4月 少女の友 春の臨時増刊号 注9
25 南の渡り鳥 1938(昭和13)5/15 少女倶楽部 臨時増刊号 注10
26 古都の乙女 1938(昭和13) 少女の友4月号〜14年5月号
27 笛の音 1938(昭和13)9月 少女の友 夏休み増刊号
28 牧場日記 1938(昭和13)10/15 少女倶楽部 臨時増刊号
29 荒野(あれの)の少女 1939(昭和14) 少女倶楽部1月号〜15年5月号 注11
30 グリーンの服地 1939(昭和14)4月 少女の友 春の増刊号
31 海は悲し 1939(昭和14) 少女の友 夏の増刊号
32 秋の幻想 1939(昭和14)11月 少女の友
33 春の流れ 1940(昭和15)4月 少女の友
34 虹の孤児(みなしご) 掲載誌不明
35 風車売の娘 1949(昭和24)小学四年生1月号〜3月号
1949(昭和24)小学五年生4月号〜10月号
36 悪魔博士 1949(昭和24) 東光少年1月号〜?
37 悲しき草笛 掲載誌不明
38 夜霧の乙女 掲載誌不明
39 青い洋館 掲載誌不明 注12
40 夕月乙女 掲載誌不明 注13
41 湖畔の乙女 掲載誌不明 注14
42 級(クラス)の明星 掲載誌不明
43 死の巌 1949(昭和24)蝋人形新年号および2月3月合併号
44 狂える演奏会 1949(昭和24)4/1 蝋人形
45 潮風よ涙あらば 1949(昭和24)5/1 蝋人形5月6月 合併号 注15
46 奇怪な贈物 1949(昭和24)7月 天馬(ペガサス)
47 長崎の花売娘 1949(昭和24) 少女ロマンス9月号?〜25年8月号?
48 狂えるピアニスト 1949(昭和24)10/10 単行本書下ろしか 作品44の改作
49 マドレエヌの人形 ‐パリのクリスマスの想い出‐ 1949(昭和24)12月 少女の友 注16
50 フリージヤ物語 掲載誌不明 注17
51 マリヤ人形 掲載誌不明
52 白百合の君 掲載誌不明 注18
53 アパートの秘密 1950(昭和25) 少女クラブ1月号〜3月号 注19
54 湖底の大魔人 1950(昭和25) 東光少年?〜? 注20
55 にじの乙女 1950(昭和25)女学生の友4月号〜26年3月号 注21
56 アルプスの虹 掲載誌不明
57 少女詩人 1951(昭和26) 少女ロマンス1月号〜8月号?
58 アリゾナの緋ばら 1951(昭和26) 少女の友4月号〜27年7月号
59 青衣の怪人 1951(昭和26) 少女クラブ1月号〜12月号 注22
しあわせの谷1651(昭和26)1月号〜12月号
60 幽霊の塔 1952(昭和27) 少女クラブ1月号〜12月号? 注23
61 魔境の二少女 1952(昭和27) 少女の友8月号〜28年10月号 注24
62 あらしの白鳩 1952(昭和27) 女学生の友9月〜29年9月(第一部)
1954(昭和29)10月〜31年7月(悪魔の家の巻)
1956(昭和31)8月〜33年2月(黒頭巾の巻)
1958(昭和33)4月〜34年5月(地獄神の巻)
1959(昭和34)年6月〜35年9月号(パリ冒険の巻) 注25
63 人食いバラ 1953(昭和28) 少女クラブ1月号〜12月号
64 幽霊やしき 1954(昭和29) 少女クラブ1月号〜12月号
65 なぞの紅ばら荘 1954(昭和29) 少女5月号〜30年5月号
66 流れ星の歌 1955(昭和30) 少女クラブ1月号〜12月号
67 わかれ道 1955(昭和30) 幼年クラブ1月号〜12月号
68 母をよぶ時計 1955(昭和30) 小学四年生4月号〜31年3月号
69 さく花ちる花 1955(昭和30) 少女ブック9月号〜31年12月号
70 ターザンものがたり 1955(昭和30) 小学三年生4月号〜31年3月号
1956(昭和31) 小学四年生4月号〜32年3月号
1957(昭和32) 小学五年生4月号〜12月号 注26
71 怪獣やしき 1956(昭和31) ぼくら1月号〜7月号(中断) 注27
72 怪魔山脈 1956(昭和31) おもしろブック1月号〜32年7月号
73 すみれの怪人 1956(昭和31) 少女クラブ1月号〜32年6月号 注28
74 青いとびら 1956(昭和31) 少女クラブ夏休み増刊号 注29
75 魔法つかいニコラ博士 1957(昭和32) こども家の光1月〜34年3月号 注30
76 赤い影ぼうし 1957(昭和32) 少女クラブ7月号〜33年8月号 注31
77 悦子のぼうけん 1958(昭和33) 小学三年生4月号〜34年3月号
1959(昭和34) 小学四年生4月号〜6月号 注32
78 ばけもの紳士 1958(昭和33) 小学五年生4月号〜34年3月号 注33
79 青空わかさま 1958(昭和33) たのしい四年生4月号〜12月号
80 黒いなぞのかぎ 1959(昭和34) 中学生の友一年9月号〜35年3月号
1960(昭和35) 中学生の友二年4月号〜10月号
81 笛をふく影 1960(昭和35) なかよし1月号〜11月号
注1
『西条八十著作目録・年譜』(昭和47年6月1日 中央公論事業出版)では「はかなき誓ひ」とあるが雑誌を確認したところ「はかなき誓」であった。
注2
雑誌では小説ではなく写真物語という扱いで俳優とセットを写した写真と物語との紙芝居に近い形式。
注3
昭和13年4月に作曲佐々華紅、歌手豆千代の歌謡曲「孝女白菊」(コロムビア)の作詞をしている。昭和17年8月に作曲古関祐而、歌手二葉あき子の歌謡曲「孝女白菊」(コロムビア)の作詞をしている。幼年ブック昭和28年9月に物語詩「白菊ものがたり」を書くが未確認のため関連性は不明。
注4
昭和12年5月に作曲佐々華紅の歌謡曲「巡礼お鶴」(コロムビア)の作詞をしている。少女倶楽部昭和4年10月および昭和5年9月に詩「巡礼お鶴」を発表。
注5
少女倶楽部 昭和11年1月に「花ものがたり(桃の花)」を書いているが随想であり花物語シリーズと関係なし。ただし少女倶楽部では次号に続くとシリーズ物のように扱っている。先月まで「私の好きな詩から」という随想を連載しその流れをくんでいたのが編集部の意向か作者の都合か随想から小説に変わったとみえる。結果「花ものがたり(桃の花)」は『花物語』のどの版本にも未集録となった。余談だが「私の好きな詩から」では二度にわたり当時無名の金子みすゞを取り上げた。
注6
コロムビアの依頼でアメリカ行きし、さらにベルリンオリンピック特派員の依頼を新聞社から受け前作より数ヶ月のブランク。なお1936(昭和11)少女倶楽部8月号の「外遊に際して読者諸姉へごあいさつ」では「『待宵草』の巻でわたくしとしても力を入れて筆をとってまゐりました最中」とあるが次回作は白菊の巻であり、題名変更か没にしたものと思われる。また直前の11月号には「西條八十先生からお土産話をきく會」というインタビューが掲載された。
注7
初の長編で『花物語』とならぶ西条八十の前期の代表作。昭和12年少女倶楽部3月号の予告では、
○これこそ、讀む人必ず泣く、美しき愛と清らかな涙の物語です。
○皆様あこがれの西條八十先生が、日本中の少女方のために、特に少女倶樂部に執筆される大長篇小説です。
○これを讀むことは、少女の誇(原文ママ)であり幸福であり、萬人皆胸を躍らして愛讀されるでありませう!
おゝ喜びの日近し!少女の皆様が待ちかねていた西條八十先生の長篇小説がいよいよ始ります。西條先生も非常な意氣込みでお書き下さいます。どうぞどうぞお友達みんなに、このことをお話して四月號の出るのを待ってゐてください。
とまである。なお昭和13年少女倶楽部2月号には、
愛讀者諸嬢へ
今度の『天使の翼』はいつもよりたいへん短くてすみません。皇軍の南京入城式に列するため、急に支那へ旅行しましたので、ゆっくり筆を執る時間が無くなりました。この次は埋合せにきっと長く書くことをお約束します。西條八十
と時代を感じさせる断りがあった。
注8
雑誌では小説ではなく写真物語という扱いで俳優とセットを写した写真と物語との紙芝居に近い形式。副題に「花物語 あやめの巻」とあるが『花物語』の単行本のどの版にも掲載されていない。
注9
少女の友の目次では題名は「涙のアベマリア」だが作品の扉絵やノンブルのそばには「涙のアヴェマリア」とある。
注10
雑誌では小説ではなく写真物語という扱いで俳優とセットを写した写真と物語との紙芝居に近い形式。
注11
『西条八十全集 第十二巻 少女小説』(国書刊行会)の解説では「あれののをとめ」とルビが振ってあるが、雑誌を確認したところ「あれののせうぢよ」であった。
内容を詰めないまま書き出したのか、主人公が荒野にいたのは最初の二話だけ。また誘拐されてサーカスに売り飛ばされた少年ネタなど、前回同じ「少女倶楽部」に書いた『天使の翼』より古い印象。横山美智子の『嵐の小夜曲(セレナーデ)』にも旅芸人に誘拐された少女が出てくるが、誘拐されてサーカスってのは昔の少女小説のはやりネタか?
注12
39「青い洋館」と41「湖畔の乙女」は同じ主人公。ただし「青い洋館」では泉マリ子、「湖畔の乙女」では泉毬子と書かれている。これは単行本で確認したもので雑誌掲載時の書き方は不明。なお両方の話を集録した『少女小説西条八十選集第一巻』でもマリ子と毬子で不統一。数々の事件を解決しているがその話はおって説明するとあるところをみると、シリーズ化の構想があったようだ。
注13
昭和17年5月に作曲古賀政男、歌手李香蘭の歌謡曲「夕月乙女」の作詞をしている。
また小学四年生 昭和31年4月〜昭和32年3月にダイジェスト版の「夕月少女」が連載された。作者の「三井ふたば子」は西条八十の長女。ただページの制約で夕月乙女の登場人物の持ち味が出ておらず、内容からはなぜ題名が「夕月少女」なのか解らなくなってしまった。
注14
昭和17年12月に作曲早乙女光、歌手菊池章子の「湖畔の乙女」(コロムビア)の作詞をしている。昭和
18年の松竹映画「湖畔の別れ」の主題歌。
注15
連載だったが雑誌廃刊のため一話で中断。
注16
『西条八十著作目録・年譜』では随想とあるが小説であった。この作品の前に、久々に「少女の友」昭和25年5月号〜12月号にジャンヌ・ダルク、キュリー夫人などを扱った名作詩物語を連載。
注17
34「虹の孤児」の原型らしい。ちなみに主人公に会う映画女優の名は高稲秀子。
注18 主人公滝百合子の父の名が最初に出てきた手紙では滝五郎なのに、後半では滝山三になってる。西条センセのチェック漏れであろう。
注19
この作品の前、久々に「少女クラブ」昭和24年12月号に物語詩「ジュリエットの衣装」を発表。この「アパートの秘密」をはじめ単行本で読んで一寸単純な話だと思ったら、むべなるかな。雑誌では小説ではなく写真物語という扱いで俳優とセットを写した写真と物語との紙芝居に近い形式。これでは単なる小説より字数制限があるだろうし。
注20
『西条八十著作目録・年譜』には触れられていないが実在する作品。
注21
連載中の題名は「にじの乙女」だが単行本化したときには「虹の乙女」。ちなみに第一話は女学生の友創刊号に掲載。最終回は花物語の一短編と同じ展開である。
注22
単行本前書きによると少女クラブの「記者」の勧めで書いた初の探偵物。血なまぐさいこと残酷なことをさけたとあるが、性にあったらしくこの時期から作風が過激になってくる。
また昭和41年なかよし9月号〜42年12月号にダイジェスト版が掲載された。「原作西条八十」とあるが昭和41年なかよし8月号の予告を見ると西条八十が執筆したらしい。これは雑誌では挿絵と文が半々の文字で書いたマンガという扱いのためであろう。挿絵は石原豪人。
注23
昭和43年なかよし1月号〜10月号にダイジェスト版が掲載された。「原作西条八十」とあるが西条八十が執筆したらしい。これは雑誌では挿絵と文が半々の文字で書いたマンガという扱いのためであろう。挿絵は糸賀君子。
注24
この話を読みなぜ南米にゴリラが出ると思ったが、54「湖底の大魔人」(東光少年昭和25年3月号)を読んで納得した。舞台が南米とアフリカ、主人公が二少女と少年であるほかは同じ筋書きであった!従者の名前はどちらも黒獅子だし。すごく安易である。まあ話は面白いんだけど(ってフォローになってないか)
なお『西条八十著作目録・年譜』では連載開始が少女の友5月号とあるが雑誌を確認したら8月号。
注25
女学生の友27年8月号の予告では「赤いカーネーション(仮題)」とある。「第一部」は便宜上こちらで勝手に名づけただけで雑誌では何も書かれてない。また「悪魔の家の巻」は号によって題名が「あらしの白鳩」「続あらしの白鳩」ところころ変わっている。
話の内容は嵐のようなつらい運命にさらされる白鳩のような純情な少女の物語、とういうのはまったくのウソで日高ゆかり率いる白ばと組の三少女が拳銃をぶっ放し悪と戦い、敵も機関銃まで持ち出す派手な話。ちなみに敵キャラは役者の市・のど切りの李・上海のお蘭・・・。ウーム。もしかして少女戦隊物の元祖?
悪魔の家の巻以後は白ばと組の吉田武子の活躍が目立ち、最後のパリ冒険の巻では登場する白ばと組は吉田武子だけであった。
注26
この連載の前に翻訳で『ターザン物語 第1 出生の巻』と『ターザン物語 第2 帰郷の巻』(共にE.R.バローズ作、昭和29年 生活百科刊行会)があるが、この連載との関係は不明。
なお小学四年生31年4月号より「ターザン物語」と改題。また少学四年生 昭和30年2月特別号付録として『ターザンの冒険』(E.R.バローズ作)の翻訳をしている。
注27
最後の「ぼくら」31年7月号では「8月号に続く」とあるが以後説明のないまま掲載されず。同時期他の雑誌には執筆しているので体調不良が原因ではありえず、話を作り上げてから執筆するタイプのため展開につまったものとも思えず。
なおこの話は62「あらしの白鳩(パリ冒険の巻)」に無駄なくそっくり使われた。
注28
31年12月号のみ別冊付録。
注29
『西条八十著作目録・年譜』には触れられていないが実在する作品。
注30
この連載の前に翻訳で『魔法医師ニコラ』(G.ブースビー作、昭和30年 世界大衆小説全集第一期第七巻 小山書店)があるが、この連載との関係は不明。
注31
主人公は73「すみれの怪人」と同じ扇谷町子とすみれのジョオ。この作品を最後に長いこと書いてきた「少女クラブ」を離れた。断定できないが小説よりマンガが増えてきた「少女クラブ」の編集方針かもしれない。
注32
キャラの名前が違う程度で41「湖畔の乙女」と同じ内容。
注33
キャラの名前が違う程度で36「悪魔博士」と同じ内容。
*末尾の収録作品の番号は先に挙げた作品リストの番号に対応
*タイトル/出版社/発行年月日/収録作品
1 純情詩話花物語 大日本雄弁会講談社 昭和12年5月 11,12,14〜20
2 荒野(あれの)の少女 大日本雄弁会講談社 昭和15年4月20日
同盟出版社 昭和22年4月30日 東光出版社 昭和24年7月20日
ポプラ社 昭和27年11月30日
ポプラ社 少女小説文庫4 昭和38年1月10日 29
3 天使の翼 壮年社 昭和16年6月10日
東光出版社 昭和22年10月31日
偕成社 昭和29年6月20日 21 注34
4 白菊の歌 同盟出版社 昭和17年4月1日 7,10,13
5 古都の乙女 同盟出版社 昭和17年6月1日
ポプラ社 昭和27年5月31日 26
6 虹の孤児(みなしご) 東雲堂新装社 昭和22年12月20日
ポプラ社 昭和29年5月31日 34
7 悲しき草笛 東光出版社 昭和23年4月30日 ポプラ社 少女小説名作全集3
昭和35年10月25日 ポプラ社 ジュニア小説シリ−ズ13
昭和42年11月30日 37
8 白菊物語 日本図書通信社 昭和23年7月25日 7〜9 注35
9 夜霧の乙女 東光出版社 昭和23年11月10日 ポプラ社 昭和29年11月25日 38
10 夕月乙女 東光出版社 昭和23年12月5日 ポプラ社 昭和29年10月5日 40
11 青い洋館 東雲堂新装社 昭和23年12月20日 39
12 湖畔の乙女 東光出版社 昭和24年1月15日 ポプラ社 昭和29年8月1日 41
13 花物語 東光出版社 昭和24年10月10日 11,12,14〜20,48,50,51 注36
14 白百合の君 東光出版社 昭和24年11月1日 ポプラ社 昭和29年11月5日 52
15 悪魔博士 東光出版社 昭和25年2月5日 偕成社 昭和28年10月15日 36
16 級(クラス)の明星 東光出版社 昭和23年8月15日
ポプラ社 昭和28年6月25日
ポプラ社 少女小説文庫11 昭和39年8月20日 42
17 少女小説西条八十選集第一巻 東光出版社 昭和25年9月20日 8,39,41,42
18 少女小説西条八十選集第二巻 東光出版社 昭和25年9月25日 9,11,12,14〜20,40,43,48,50,51 注37
19 長崎の花売娘 偕成社 昭和25年12月30日 47,53,56
20 虹の乙女 ポプラ社 昭和26年5月20日 55
21 少女小説西条八十選集第三巻 東光出版社 昭和26年6月1日 7,21,37
22 青衣の怪人 大日本雄弁会講談社 少年少女評判読物選集 1 昭和27年1月15日
偕成社 昭和30年9月20日
偕成社 ジュニア探偵小説17 昭和44年9月20日 59
23 幽霊の塔 偕成社 昭和28年8月25日
偕成社 ジュニア探偵小説15 昭和44年9月20日 39,60
24 人食いバラ 偕成社 昭和29年1月20日 44,63
25 魔境の二少女 偕成社 昭和29年2月25日 61
26 花物語 偕成社 昭和29年4月20日 11,12,14〜20,35
27 アリゾナの緋ばら ポプラ社 昭和29年8月10日 58
28 あらしの白鳩 偕成社 昭和29年10月25日 62 注38
29 幽霊やしき ポプラ社 昭和30年1月20日 64
30 日本少年少女名作集第二十巻・西条八十集 河出書房 昭和30年4月30日 26,59 注39
31 謎の紅ばら荘 ポプラ社 昭和30年5月5日 3,32,51,65
32 流れ星の歌 ポプラ社 昭和31年1月15日 66
33 西条八十全集 第十二巻 少女小説 国書刊行会 平成5年4月30日 2,9,11,12,14〜20,26,30,32,33,48
少女小説西条八十選集第四巻(虹の孤児、荒野の少女、死の巌)
少女小説西条八十選集第五巻(白百合の君、古都の乙女)
は刊行予定のみで出なかった模様。なお四巻の死の巌は二巻に収録されている。
注34
壮年社版は昭和16年6月に出たが8月にはもう16刷がでている。
雑誌と戦前の壮年社版にたいし戦後の諸版では三点変更された。
主人公柏真弓が家出したあと一家が満洲に転勤するが、戦後版では北海道に書きかえられた。要は満洲だろうが北海道だろうが真弓が簡単に会えない場所の謂いであろう。ちなみに『怪人二十面相』でも満洲国から帰ってきた明智小五郎に二十面相扮する外務省の辻野が会いに来るが、戦後の版本では満洲国が某国になっている。他にも宝山歌劇団に入った真弓が出し物のため「可愛らしい獨逸の年に扮してナチスのKい團服」を着たが、戦後版ではそこの個所は省かれた。一番大きな変更箇所として真弓がペンギン洋品店で池見房子を助ける話があるが、戦後の版本では池見房子が完全に登場しなくなったため三十ページ強削られた。また妹の名前は雑誌と壮年社版が倭文子(しづこ)、東光出版社版と『少女小説西条八十選集第三巻』がしづ子、偕成社版がしず子。
注35
『西条八十全集 第十二巻 少女小説』の解説では10「静寛院宮」を収録しているとあるが、実物を確認したところ未集録。
注36
こちらで確認した東光出版社版『花物語』昭和22年10月31日には48「狂えるピアニスト」、50「フリージヤ物語」、51「マリヤ人形」は未収録。これは『西条八十全集 第十二巻少女小説』の解説より得た情報だが、収録している版本がある可能性もありリストに挙げておく。
注37
収録された48「狂えるピアニスト」、50「フリージヤ物語」、51「マリヤ人形」は「花物語」のシリーズになり、それぞれに「すみれ」、「ふりーじや」、「百日草」の副題がついた。
注38
連載終了は女学生の友昭和35年9月号だが単行本は昭和27年9月〜29年9月の分だけを掲載した。
注39
他に少女純情詩集を集録。