染織工芸品について

染織工芸品

染織工芸品は、今日の大量生産品に見られる、流行と使い捨てといった考え方に立つものではない。出来る

限り物を大切にし、その寿命を少しでも長く保たせるという社会的認識が、使う側の伝統となって受け継がれ

てきた。それを受けて出来る限り自然材を生かし、利得にとらわれない誠実な仕事により、何十年もの使用

に耐えられる布を生み出そうと作る側も答えてきたのだ。どのように作られどのように使われるべきか、問い

かけながら、布を媒体として相互に人間関係を結び、社会的絆を深めてきたのだ。物が代々受け継がれ、作

り使われるところに物を介して、生命の継承にも似た、ある種の尊厳性が感じ取られてきたのである。だから

いい物を、大切に使うことが価値あることとして守り育てられてきた。それがひいては、染織工芸品をして、今

日まで継承発展させ、その技術を高めてきた所以である。(北条明直著[日本の伝統工芸]講談社発行より引

用)

染織画

人間が身につけるものを作ったり、撰んだりする場合、最初は、自然界に存在する色や植物、動物等にその

モチーフを求める。それをスッケチし絵画とする。その絵画を基本にそれぞれの染織技法に合うような染織画

を作成する。それを着物の状態で、最も効果のある図案に作り上げる。そのような意味で染織画は絵画と着

物(染織工芸品)の間にあり美術品のようであり、工芸品のようであり誠に興味深いものです。作者の研ぎ澄

まされた目を通し、推敲に推敲を重ねた作品には、時代の先を見通したものが感じられます。社会の変化の

先を行くといってもよいのではないかと思います。日本では着物等を通して広く大衆にまで、工芸品を手にす

ることが出来、味わうことが出来ました。それらのことで培われた創作力、審美眼が、現代の工業化社会での

製品作りに生きてきたと思われます。21世紀には、益々それらの事柄から潜在意識を刺激し、感性を高め、

そこより発せられる、より高度な着想、創造力がより必要になるのではないでしょうか。このページでは、染織

画を額、屏風、掛け軸、卓布等に仕上げ、生活の上で活用しているものを取り上げてみたいと思います。



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