Phenix DN60

  with Zoom-NIKKOR 35-70/F3.3-4.5

 このカメラを作っている会社は、中国の江西光学という会社で、鳳凰ブランドの
光学機器を製造している。鳳凰だから輸出名はPhenixとなるわけである。

 ここのカメラはなかなか面白く、一眼レフはMFカメラしかないけれど、マウン
トが3種類存在する。メインは、ペンタックスKマウントと、ミノルタSRマウン
トをもったカメラとレンズであるが、このカメラは、ニコンのF(Ai)マウント
を採用している。通常は、ボディと標準レンズをセットで販売しているのだけれど、
何故かこのカメラのみボディのみの販売となっている。実は、この会社では、Fマ
ウントのレンズを生産していないのである。普通は、各社のマウントに対応したレ
ンズのみを供給するメーカーは、日本を始めとして多数存在するが、レンズを供給
せずに他社のマウントのボディを供給する会社というのは、めずらしい存在だ。
 これは、中国やその他の国で、レンズは、日本ブランドのいいものを使いたいが、
カメラまでお金が回らない。もしくは高いボディは必要ないという人達に対するニ
ーズに対応した賢い商売ではないだろうか。

 ここのカメラは基本的には2種類。メカシャッター(コパル製)を搭載したモデ
ルと電子シャッター(セイコー製)を搭載したモデルに大別される。それに、各マ
ウントにより細分化される。後はデザインの好みで選べる。そして、このDN60
というのは、他の機種と決定的に違うのは、Fマウント以外に、外装が金属ででき
ていることである。他の機種は全てプラスチック外装であるから一大決断があった
のでは無かろうか。これには、日本のクラカメブームを狙ったものなのか、ニコン
のレンズを付ける人はやっぱり堅牢なイメージのカメラを求めているというニーズ
から来たものなのか判らないが、私的には大歓迎である。

 メッキが薄いのか、下地のバフ目が見えたり、プレスラインが甘かったりするの
はコストの面から仕方がないが、セルフタイマーがぐらぐらするのは何とかして欲
しい物だ。私は、一旦セルフタイマーをはずして、裏にフェルトを貼ってぐらつき
を押さえてみました。しかしメインフレームがアルミダイキャストだったり、裏蓋
が金属であったりと、なかなかいい造りである。手に持った感じもしっかり感があ
って、金属ボディのズッシリ感がたいへんよい。そして気に入ったのが、このカメ
ラもオリンパスのOMシリーズとほとんど同じサイズ(ボディの厚みが多少違うが)
なのである。ニコンのFMシリーズより一回り小さいことになる。このサイズでニ
コンのレンズが付くと言うだけで、もうお気に入りになってしまった。

 テスト撮影時に気になったことが一つ。このカメラは、二重露出機能が付いてい
て、カメラ全面のボタンを押しながら巻き上げると、フィルムが、送られずにシャ
ッターのみチャージされるのだが、このボタンの位置が悪く。ついつい手が触って
押してしまうのである。しかも、ボタンの押し込み力も軽いため、うっかり二重露
出になってしまったカットが29枚中1枚あった。巻き上げ時に軽い感じがするの
で、気になったときは、キャップをして空シャッターを切った方が無難だろう。

作例 特にあてもなかったので、水島神社のミケ達に会いに行きました。
Nikkor 35-70/F3.3-4.5 F5.6 1/60
Nikkor 35-70/F3.3-4.5 F4 1/60
Nikkor 35-70/F3.3-4.5 F8 1/125
Nikkor 35-70/F3.3-4.5 F5.6 1/125

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