AF一眼レフ戦国時代の幕開け

 Nikon F-501

 with AF-NIKKOR 35-70mm/F3.3-4.5


                       え〜といつ買ったっけ。'01年8月の記録があった

 ニコン初のオートフォーカス一眼レフとして、1986年に登場。このカメラ
以前にもF3AFというオートフォーカスカメラはあったが、現行のAFレンズ
との互換性が無いためこちらは、紀元前のAF一眼に分類すべきであろう。
 元祖AF一眼レフのミノルタα7000に次いで登場し、各社揃い踏みし始め
た頃の製品である。それ故、現在の目から見るとAF性能は格段に低い!
 そしてこのカメラのおもしろいのは、フィルムの巻き上げには内蔵モーターを
使用するのに対し、巻き戻しは、クランクによる手動となっていること。また、
シャッター速度の設定も他社が先進的なボタン操作に対し、旧態依然のダイヤル
式であること。MF→AFへの過渡期に生まれたためレンズのマウントも情報を
やりとりするための接点がメカ・電気含めいっぱい付いている。
 これらの古めかしい機構が、今見ると、何故か新鮮なのである。カメラの操作
系については、最近は、デジタルチックなボタン式からアナログチックなダイヤ
ル操作に戻り、クラシックカメラブームも手伝い、昔のMF時代のレンズが見直
されていることから、古いレンズを付けても自動露出の使えるこのカメラの方が
同じニコンの最新鋭機F80やU(MFレンズを付けると自動露出はおろか露出
計も使えない)より便利なのである。
 オートフォーカスも昼間の戸外でスナップ程度なら何ら問題なく使える。むし
ろピント合わせのプロセスが何となく人間ぽくて気に入っているのである。一気
にピント位置付近まで動き、そこから小刻みにピント前後を数回動いて合焦する
様は、マニュアルでピント合わせする工程とよく似ている。現代の一発でピタッ
と合焦するカメラもいいが、撮影のテンポを考えれば、これでも十分だよな。な
んて思ってしまうのも年を取ったからだろうか。
 写りの方はといっても、カメラよりもレンズの方が主役になるのだけれど、同
世代の35−70mmのズームを付けて試し撮り。このレンズは、下取りに出し
ても値段が付かないくらい今では評価の低いレンズ。
 しかし、カメラ・レンズ共に良く写るのである。さすが天下のニコン。安いレ
ンズでも手抜きは無い。晴れた日にニコンのレンズを使うと青空がパキッと出る
ので結構好きな描写である。元々ツァイスのコピーから始まったニッコールレン
ズだけに現代的なシャープな画像に仕上がる。
 このカメラとレンズを見ていると昔生き別れた兄妹が再びで出会ったようにし
っくりとしているように見えるのは気のせいであろうか。
「お兄ちゃん!」「おおその声は、10年前に質屋で生き別れになった妹ではな
いか!」「随分と傷だらけになって、苦労をしたのね」「そういうおまえだって
カビが生えているではないか」「でもこれからは離ればなれになることもないの
ね」「そうだよ、昔のように兄妹仲良く暮らしていけるんだよ」・・・・
なんて会話が防湿庫の中で交わされているなんてことは・・(^_^;)\(・_・) ナイナイ

注:実際のカメラにはほとんど傷もなく、レンズにカビも生えていません。