OMシリーズの末弟

  OLYMPUS OM2000

  with ZUIKO 35-70mm/F3.5-4.8
 2000年に限定販売されたミレニアムストラップをつけてみました。2000のロゴが同じ。

OMシリーズ中唯一4桁の型番を持つカメラ。唯一ということには意味があって、
実はオリンパス製ではないのである。いわゆるOEM(供給先ブランド)商品で、
他社に兄弟機が存在する。製造会社が同じなので異父兄弟ということになるのか
な。ニコンFM−10やリコーXR−8などがその例である。もちろん母親の姓
を持つカメラもあって、今も数種類販売されている。
 このOM2000を始め他社の兄弟機もほとんど販売を終了している。それと
いうのも供給元の会社のカメラが好調で他社に供給できる状態ではなくなったた
めと思われる。
 さてこのOM2000は、外観がプラスチックの固まりで、セットの標準ズー
ムのプラスチッキーな感触とも相まって高級感はとても感じられない。しかし、
色が、独特のブロンズカラーで結構かっこいいと思うのは私だけだろうか。最近
のプラカメっていうと着色樹脂のため塗装なんかされてないもんね。そういう意
味ではお金をかけているともいえる。そしてこのカメラには本家のOMシリーズ
にはない特色として、シャッターダイヤルの位置が異なることのである。OMシ
リーズは、代々(OM−10を除く)レンズマウント部にシャッターダイヤルが
あるのですが、このカメラはシャッターボタン横の肩の部分つまり、世間一般の
シャッターダイヤル位置に存在する。そのため、他のOMと一緒に使うと混乱す
る。逆に他社のカメラと併用するときには便利。といっても慣れの問題である。
さらに、汎用のシャッターユニットを使っているため、フラッシュの同調速度が
OMシリーズ中最速の1/125秒を達成している。これは、デーライトシンク
ロにおいて有利になるわけで、OEMの副産物である。反面、OM特有のしっと
りしたシャッター音はなくなり乾いたシャッター音とミラーのリバウンドによる
余韻はちょっと安っぽい感じがする。でも思ったほどミラーショックは小さくブ
レにくそうである。
 もう一つの特徴として、他のOEM兄弟機にはない機能にスポット測光がある。
これは、オリンパスがOM−4以来こだわってきた測光方式であり、この安い普
及機に採用されたことはとっても嬉しい。これだけでも買う価値があると私は考
えてしまう。
 付属のレンズは、単体販売されずボディとカメラケースのキット販売のみとい
う異例の販売方法が採られていた。先に書いたように安っぽさは全開で、各種文
字類は彫り込み加工は無く、コストダウンのため全てシルク印刷である。遠目に
見ればわかりはしないけどね。でも、マウント部は金属(といってもアルミなの
で耐久性は?だが)だし、OM特有のレンズ側にプレビューボタンを完備してい
るのは立派!
 コストダウンはしっかりしていながら、基本機能は手を抜かないというこのカ
メラは、普及機というより、入門機といった方が正しいであろう。ガシガシ使う
人には向かないが、これから本格的に写真を勉強してみようという人には文句無
くおすすめ・・・といいたいが、中古市場では、あまり見かけることが少なくな
り、あっても1台きりといったことが多い。さらにステップアップしようにもO
Mシステム自体すでに終了してしまったという、悲しい運命のカメラであるなあ。
逆に中古市場にでてこないということは大切に使われているということかな?だ
といいが・・・
 実際の撮影に関しては文句は特になく、レンズも割と寄れるので結構使える。
近頃年齢とともに重いカメラがつらくなってきた私にとってはこの軽さは結構嬉
しい。付属のカバーもプラボディの傷つき防止に一役買う。ただし、撮影中は前
カバーは外して底カバーだけにした方が便利で、手の大きな人にはグリップ性の
向上にもなるのではないでしょうか。昔はカメラなんかハードに使うもんだ。だ
からケースなんかいらないぜと気取っていたのは、いつの時代だったかな・・・
 OM用の他のZUIKOレンズをつけても決して見劣りのしないカメラだと思
います。


作例
ラベンダーと蝶
ZUIKO 35-70mm/F3.5-4.8 F8 1/60
FUJI SUPERIA 100
ハーブとテントウムシ
ZUIKO 90mm/F2 F5.6 1/60
FUJI SUPERIA 100