DUMKA

はるのあしおと (2005.01.15)

 2005年1月4日購入、1月15日開始。
 自分に負けている人には、キツい導入部でしょうね。二十歳前後の頃だったら、私にも痛かったかも。いや今にしたって、単に図太くなっただけかも。(2005.01.15)

 2月17日、読了。
 物語と主題の都合上、お説教の度合いが高いですが、なかなか良かったですよ。以下、文章にまとめている時間がないので、プレイ中に記したメモをアレンジしてお茶を濁したり。

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 草ぼうぼうの田舎道。相変わらず凝った背景だ。食事の場面。一枚絵にも目パチ口パクがあるし、複数のキャラがいるのに表情の変化がちゃんとしている。
 和(なごみ)を目指してみる。主人公にはつんけんするけど、思いやりのある優しい子だということは言動の端々から分かる。
 帰りの夜道で和と一緒になり、どうして臨時教師を引き受ける気になったのかと問われる。これは意外。怒りっぽくはあるけれど聡明な人なので、とっくに見抜いていると思っていた。
 まあ失恋なんぞ、本人以外にはどうでもいいことだわな。
 ゆづきの洞察力が凄い。(2005.01.18)

 セーブデータに和の顔アイコンが出現。和ルートに入った模様。
 ファミレスでウェイトレスのアルバイトをしている和と遭遇。眼鏡をかけていない方が可愛い。店名は「LIEBCHEN(リーブヒェン)」、古いドイツ語で「恋しい人」。
 キツいことをずけずけ言ってくれるけど、鼻に付くことはないし、腹も立たない。彼女は誠実に事実を述べ、忠告してくれているだけで、悪意がないからだろう。(01.19)

 風邪をひいた和を見舞いに行ったら、誘惑するふりして信用度を試される。男を相手にして、こういうのはフェアじゃないと思うんだけど。(01.27)

 和と二人、河原で流星群を観望。星は立って見上げるのではなく、寝転んで眺めるのがおすすめ。そのほうが地上の建物も目に入らないし。ところで、星に思いを馳せるのはロマンティックかもしれないけど、実際に星を見るのはそうでもないよ。夏は虫に喰われるし、冬は凍えるし、野山だと怖いし、街中だと変質者扱いされるし。
 教頭代理の楠木あおい先生、人使いが荒いけど小悪魔的で可愛い。(01.29)

 和エンド。少々くどいように思うし、出来過ぎにも見えるけど、感動したからいいや。成長したのは和のほうで、主人公は覚悟を決めて前へ踏み出せたというところか。耳の痛い話ではある。(02.02)

 ゆづき篇。
 贅沢の限りを尽くした作品だ。並の資金や人脈では作れないだろうに。minoriってminorityから取った名前らしいけど、謙遜が過ぎるよ。
 誰も助けない、誰にも助けられたくないという気持ちは、少し分かる。
 ジャンクフードが大好きだから、その食べ過ぎで身体を壊しても本望だ、という台詞に感激。確かに褒められたことじゃないけど、他人のせいにしてる奴とは雲泥の差だ。
 ゆづきと主人公は、自分という存在を否定的に認めてるところがよく似てる。一緒に転落していって、最後は心中しそうなカップルかも。いや、この主人公にそこまでの覚悟はないか。(02.04)

 ゆづき、簡単に頂いちゃったけど、和篇で垣間見たゆづきの心の深淵が気になる。というか怖い。
 携帯の番号を教えてくれなかったくらいで怒り出すとは、下らない野郎だな、この主人公。しかも家族との連絡用に持っている携帯だぞ。加えて和に相談を持ちかけてる。信じられん。(02.09)

 いよいよ終盤、展望台の場面。そして問い詰め! ゆづきの声優さん、大熱演だ。
 ゆづきエンド。うーむ、ドラマチックではあるけど、やり過ぎじゃないかね。鼻白んでしまった。現実の厳しさを背景にした恋愛もののはずなのに、最後がぬるすぎるんじゃないかと思う。(02.11)

 悠篇。始まって早々、仲良しが噂になったくらいで遠ざけようとするとは、毎度ながらヘタレ野郎だ。幼なじみで仲が良いのは否定しようがないし、つまらない尾ひれは誤解だと言えば済むこと。と思ったら、悠にまで避けられてるし。
 病院で目が覚めて悠に告白。確かに放っておけない子だけど、唐突じゃないか? なんていう間に、えち突入ですよ。和やゆづきと比べて、置いてきぼりの感が強いなぁ。
 女の子と一緒にブティックへ入るのが、そんなに恥ずかしいか?(02.11)

 妹扱いが不満なのに、呼び方がお兄ちゃんてのはないだろう。当初は名前で呼んでたんだし。
 お互いに駄目街道まっしぐら。これではいけないと決心して、悠篇の山場を迎える。寂しくて悲しくてボロボロになった悠の絶叫が胸に迫る。凄いなこれは。演出の勝利だ。
 悠エンド。(02.15)

 智夏篇。保健の先生だが、背は低いし服はフリフリ。見た目は生徒と変わらない。
 悠の寂しさが見抜けないなんて、幼なじみとしてどうかと思うぞ。
 小火騒ぎを起こした桃園さんに、責任の取り方を教える智夏。回想としてはちょっと長いけど、なかなか良い場面だと思う。人を諭すということ。自分の学校時代を思い返してみるに、先生に怒られたことは沢山あったけど、諭されたことは一度きりしかなかった。あの時の先生を、私は生涯忘れない。(02.16)

 こういう話を読んで心が洗われちゃうのは、今の自分の心が荒んでるって事なのかなぁ。
 智夏エンド。まさか持ってたとは。ああ、やられたよ。
 というわけで読了。良い作品だ。求めていたもののひとつが、ここにあった。(02.17)

サハロフ(佐藤純一)