音の四阿 Vol.10
Vol.10 ソウル・フラワー・ユニオン『エレクトロ・アジール・バップ』 BOSTON『WALK ON』
エレクトロ・アジール・バップ ソウル・フラワー・ユニオン (KSC2-164)
- エエジャナイカ
- 海行かば 山行かば 踊るかばね
- 月が笑う夜に 導師はいない
- 平和に生きる権利
- 闇夜の太陽
- 満月の夕(ゆうべ)
- フォギー・デュー・フローズン・ブラス
- 霧の滴
- 進軍ラッパエレジー
- あまの川
- アマノガワ・フローズン・ギター〜チェジュドタリョン(済州島打令)
- サルマワシワラウ
- 向い風
1996年発表のサードアルバム。
ソウルフラワーというと思想性の強いバンドという認識はあるのだろうけど、それゆえに頭でっかちと思われる面も無くはなかったです。が、このアルバムではその思想性と肉体性が非常に素晴らしいバランスで同居してますね。日本人であるがゆえのグルーヴを会得したのでしょう。
それは彼らの別動チンドンユニットであるモノノケサミットの活動と切り離して考えるわけには行かないですね。被災地を回ったその経験は確実に、本体の方にもフィードバックしています。また、これまでより弱者への視線が優しくなったような気がします。
問答無用の名曲Mー6や、まさしく日本のパンク(ジャンルではなく思想として)のMー1など、とりあえず日本に住んでいる人は聴くべし。
WALK ON BOSTON (MVCM-427)
- I NEED YOUR LOVE
- SURRENDER TO ME
- LIVIN'FOR YOU
WALK ON MEDLEY :
- WALKIN'AT NIGHT
- WALK ON
- GET ORGAN-IZED
- WALK ON (some more)
- WHAT'S YOUR NAME
- MAGDALENE
- WE CAN MAKE IT
1994年発表の4thアルバム。活動期間20年以上のバンドにも関わらずその間に発表されたオリジナルアルバムはなんとたったの4枚。しかも最初の2枚は2年のインターバルで出されたわけで、この20年近くではたった2枚しか出していない計算になるわけです。
なんちゅう奴らだ。
というのも異常なまでの完璧主義者だそうで。シンセ類も一切使ってないらしいのですが(ブックレットにうれしそうに書いてる(^^;))、出てくる曲はなんだかいかにもシンセを使ったような曲であります。そりゃ時間かかるわけだ。
デビューアルバムから考えても、たいした音楽性の変化は無いのですが、そこも彼ららしいというところですかね。もちろんこんなのが年に1枚のペースで発売されてたら飽きるかもしれませんが。
とにかくこだわってるだけあって綺麗な曲なんで、暗いUKものに疲れたときの一服の清涼剤です、はい。