音の四阿 Vol.13
Vol.13 中村一義『金字塔』 MANSUN『ATTACK OF THE GREY LANTERN』
金字塔 中村一義 (PHCL-5055)
- 始まりとは
- 犬と猫
- 街の灯
- 天才とは
- 瞬間で
- 魔法を信じ続けるかい?
- どこにいる
- ここにいる
- まる・さんかく・しかく
- 天才たち
- いっせーのせっ!
- 謎
- いつか
- 永遠なるもの
- 犬と猫 再び
1997年発表のデビューアルバムにして、音楽史上に残るべき傑作。
断言します。10年に1枚の傑作です。少なくとも僕の聴いてきた音楽の中では最上の部類になります。
演奏、メロディ、歌詞の3つの要素がここまでそれぞれにレベルが高く、それでいてそれぞれの間には必然的な有機的化合があり、合わさることによってさらにその力が発揮されるものを僕は知りません。
もう何回聴いたかわかりません。97年のものにもかかわらず、聴いた回数は持っている全てのアルバム
のなかで一番かもしれませんね。
実際彼に出会うまでは音楽をある種なめているところがあったかもしれません。音楽の持つ力を信じられなかったんですね。
しかし、このアルバムを聴き通したとき、確かに風景が変わったのです。
僕たちにはビートルズはいません。ジミヘンもいません。はっぴぃえんどもいません。でも、中村一義がいます。
ATTACK OF THE GREY LANTERN MANSUN (TOCP-50095)
- THE CHAD WHO LOVED ME
- MANSUN'S ONLY LOVE SONG
- TAXLOSS
- YOU,WHO DO YOU HATE
- WIDE OPEN SPACE
- STRIPPER VICAR
- DISGUSTING
- SHE MAKES MY NOSE BLEED
- NAKED TWISTER
- EGG SHAPED FRED
- DARK MAVIS
- FLOURELLA
- THE GODS OF NOT VERY MUCH
1997年発表のデビューアルバム。日本盤タイトルは「ONE LP」。Mー12,13は日本盤のみのボーナストラック。
ばりばりな80年代チックなロックバンド。そうだなあ、プリンスの影響をけっこう感じるかなあ。バンドっぽさをあんまし感じさせないバンドですね(語義矛盾)。そこらへんで好き嫌いが結構わかれそうな気がします。つってもそこはそのまま80年代って訳ではもちろんなく、ブリットポップの洗礼も十分受けているようですが。
新人バンドの割にはなかなかアルバムとしてのトータリティーがあったりしてなかなかよろしいですね。でも、それだけにボーナストラックが邪魔だったり。まあ、割り切って聴けばいいんでしょうが。
シングル曲なんかはさすがになかなかキャッチー。個人的に一曲あげるとするならば、何とも人を食ったタイトルのMー2。
全体に流れる妖しげなB級っぽさ(あくまでも「ぽさ」ね)を受け入れられる人にはお薦め。そうそう、なんかボーカルの声がSHAZNAのIZAMに似てるような気がするなあ(笑。