Message # 7 is from: SYSOP YAMAMOTOS
Time: 97/01/29 21:06:49
Section 2: ◎清らかな川への思い
Subj: 「佐賀を川祭の町へ」 佐賀商工会議所会頭田中稔氏(談)
佐賀を川祭の町に
佐賀商工会議所会頭 田中稔氏(談)
(新年のご挨拶で佐賀の川について触れられた心境は)
水の問題というのは、実はまあいろんなアプローチの仕方があると思います。只、僕は今商工会議所の会頭としての立場から、水、川の問題にアプローチをしている訳ですが、佐賀をどうやって売り込むかということを考えて見た場合に、よそのマネじゃダメだし、また、すぐよそがマネような、またマネさるようなものじゃダメですね。本当に佐賀がよそにない、いいものを持たにゃいかんと、そう考えてみた場合、やはり、佐賀は川じゃないかと思うのです。
まず総延長で見た場合でも、(密度で見た場合でも)縦横無尽に、佐賀市内には川が走っている訳です。これは我々の先祖が我々に残してくれた大きな財産だと思います。 従来から川をきれいにしようという動きはあったが、僕は川をきれいにすることは勿論、それが前提であるが、川をきれいにした上で、川にちなんだイベントを展開したらどうだろうかと、考えているのです。
市内のあちこちに、そういう場所を設け、みんなでイベントを開く。それはお祭り的なイベントから、文化的なイベントまで含めて、佐賀に来れば、なにか(川にちなんだ)イベントがしょっちゅうあっていると、いうことにするとよその人を呼び込めると、いうことになると思います。
だから、市役所に対しても、思い切って川に予算を使ってくれんですかと、いっています。いろいろと市はやることが多いだろうが、重点的に川に予算をつぎこんでもらって、そういう形で、川をきれいにし、川にちなんだいろんなイベントを展開することによって、佐賀の特色が生きるし、またよその人も呼び込めるじゃないかと考えているのです。
まあ、これから、商工会議所の一つの大きなテーマとして、今は交流の時代ですから、いかによそのひとを呼び込むかが、商工会議所の一番大きなテーマであろうと、思っていますがね。
(多布施川、松原川などはきれいになりましたね)
そう、あのカッパさんなど、いいアイディアで、これなんか、福岡から来た人も感心して帰るんですよ。ただ、僕は、松原川のカッパさんにしても、まだ外に対するPRが足りないと思います。我々が川をきれいにして、川を楽しむということは、まず大事で、もしそうでなければ、よそから来た人も楽しくないと思います。だから、自分らが楽しむことが、まず大事であるが、従来はどうも自分たちだけで楽しむだけに終わっていないだろうか。我々は大いに楽しんでいますよということを、もっと外に向かってPRしていく必要があると思うのです。カッパさんにしても、もっと外にPRして、話題を盛り上げて、福岡の人、東京の人などももっとそれを見に来てもらうとか、そういうものにしたらいいなと思うのです。
(町のポケットパークなどで時々音楽会が開かれていますね)
非常にいいことですが、川のそばでもやってもらうようになればいいなと、思います。ヘンデルの水上の音楽と言うのがあり、大好きですが、あれ式でやってもらえば、佐賀の特色あるイベントの一つになると思うね。
カッパにちなんだなんか創作劇を地元の人に考えてもらって、カッパ物語をやってもらうとか、皆で知恵を出し合って、いろんなイベントを考えてもらいたいな。
だから、僕は佐賀市水対策市民会議の宮崎さんとか佐賀市の文化連盟の長沼さんとかに連絡をとって、川をきれいにすると同時に文化的なイベントを結びつけてもらえればいいと思っています。基本的には川をきれいにできれば、それらが結びついていい相乗効果を生み出すと思います。
今、日本人が失われた自然に対する郷愁を、ずいぶん求めている時代です。きれいな水というのは、日本人が皆憧れる魅力ある素材の一つになっている。
大きなビルばかりがある町よりも、川のきれいな町に来たら皆がホッとする。そんなものを佐賀が見つけていかないと、福岡のマネになってしまう恐れがある。
(小さい川にも関心がありますか)
そう、佐賀は小さい川がたくさんありますからね。その辺もやはりきれいにしなくてはいけないと思うんですよ。僕は、小さい川もあちこち見て廻っているのですが、ヘドロがたまっている川も、ありますね。ヘドロを能率良く除去するようないい機械はないでしょうかね。
それに、やはり水量が欲しいですね。建設省の佐賀導水事業で水が貰えそうだと聞きますが、早く水が欲しいですね。嘉瀬川ダムからの水を期待するにしても、だいぶ先の話でしょうから、佐賀導水の水が貰えるなら、貴重な水を上手に配分して、各町内がそれを生かして使う、そんな受入体制づくりも必要でしょうね。
川に沿った散歩道が欲しいですね。風情のある散歩道を作って川を眺めながら、そこを散歩すると心が安らぐ。そんな散歩道があればいいですね。川沿いの遊歩道に付随して、ポイント、ポイントにイベントをやるためのオープンスペースが欲しいが、まだないですね。その周辺の人達が中心になって、いろんなイベントを考えていくようになれば素晴らしい。佐賀市内の街角にきれいな小公園が造られ始めており、これの評判がいいが、川との関連の深いオープンスペースがいくつかできるのを期待しているのです。
昔は、多布施川の方には遊覧の船が出ていたようですね。芸者を上げて風流な遊覧をしていたとか聞いたことがあります。今は芸者を上げる必要はないが、桜とか蛍を舟の中から眺めるとまた一味違った風情があるでしょう。
このほかにも夢のようなことまで考えてしまうが、それは我々が、町の中で、身近に水と接する空間に恵まれているからでしょう。
(むすび)
川を殆ど持っていない町もありますね。福岡も川が少ない町です。大きな川が2〜3本あるだけですから。佐賀は、至る所にある。縦横無尽ですから。小さい川でも、清らかな流れを見ると、ホッする。今後はこれらのことがますます大事になって行くと思います。総力を結集して、祖先の残した大きな財産を生かしていくような取り組みが必要だと思います。
(平成9年1月28日 佐賀銀行本店にて)
(SAQL 山本茂樹のインタビュ−に応えて)