上海市のアマチュア無線局BY4AAおよびBY4HAM訪問記

 

 2002年11月30日(土)午後、上海での時間に急に空きができたので市内のアマチュア無線局を訪問してみることにした。

一先ずメモしてあったBY4AAおよびBY4HAMに電話をするが応答がない。休みかも知れないが今回は場所だけでもわかれば良いと思い、とにかく近くまで行ってみることにした。地図で大体の場所を確認し、メモをタクシー運転手に見せる。しばらく走った後、ここだよと車が止まった。道路沿いのその建物に大きく表示されている番地は確かにメモと一致するが、一般の建物とは趣きが異なり何かの施設のようだ。 

 

タクシーを降り歩道から施設内部を見ると、左手奥の高層アパートの屋上に高々とタワーが建っており、巨大なHF用八木アンテナが見える。アマチュア無線に関係がありそうなのでとにかく施設内に入ってみることにした。ゲートの傍に受付があるが受付者らしい人はいないのでそのまま施設に入り、アンテナの設置されている高層アパートに近づこうと思ったが塀で囲まれていてどうもうまく行けない。

 

怪しまれてもいけないので通りかかった人にBY4HAMのメモを見せてその場所を聞いた。どうやらまだ先の方の建物で、このアンテナのあるところでは無いようだ。さらに先まで行くのは多少不安であったがとにかく行ってみることにした。少し歩くと4階建ての建物の屋上にタワーが3基見え、BY4AAとBY4HAMが入っている建物があった。入り口に3階が事務室であるとの表示がありここに間違いはない。ただ、人気が無い建物に一人で入るのは気がひける。しばらく周りを散歩しながらアンテナ等を観察したのち意を決して3階へ上がった。

 

そこにはBY4AAとBY4HAMの看板があり事務室(無線室)に間違いはない。しかし、ドアの張り紙には、今日は行事のために休みで月曜から通常勤務であると書いてある。

ドアの前で外国人がうろうろしているのは客観的にみておかしいので、すぐ帰るべきかどうか思案していた。しばし待ったがどうみても人がいる様子がないのであきらめて帰ろうとした。その時、穏やかな表情の一人の紳士が現れた。

さっそく事情を話したところ、彼こそがメモをしていたBA4AAの徐儒氏で、BY4HAMの台長であった。感激である。

彼の話しによれば、BY4AAはラジコンカー競技を主催しているので事務室には誰もいないとのこと。代わりに同じ階にあるBY4HAMの事務室(会社)に案内してもらうことになった。

 

BY4HAM内には新品のリグや修理待ちのリグそして修理部品などが所狭しと置いてある。しばし室内で歓談後、廊下に張り出してある写真集を見ながらBY4AAの活動状況などを説明してもらう。徐儒氏自身の写真も数多く、活躍の様子が良くわかる。日本に何度も行ったこともあり日本人の朋友も多い。

 

BY4AAの無線室は鍵が無いので入れないが、関係者が主催しているラジコンカー競技を近くでやっているのでそちらに行ってみることにした。徒歩で4分ほど行くと臨時にレースコースを作り大勢のチームがその腕を競っている。審判長に挨拶した後しばし観戦させてもらう。

 

競技場で鍵を預かり許可をもらったので、再び3階へ戻りBY4AA局を見せてもらうことになった。

 

ドアを開けてもらい無線室の中に入ると広い室内に多数のリグが整然と並んでいる。1KW級の機器も数台あり見るだけで感激する。一通りリグの説明をしてもらった後、少しの時間運用させてもらうことになった。

 

 アンテナをJA方向に向けFT-757GXで21MhzSSBを聴く、コンデションは良さそうである。

 15時25分、7K3GNL/BY4AAでCQを数回出すとJK1PCKからすぐに応答がありQSO開始。

 16時00分、JM7FIJ局とのQSOを最後に閉局、JA局32局と交信した。

 

大勢の方々からコールを頂いていたが時間の関係があり閉局とした。関係者に挨拶後、BA4AA氏と話しをしながら帰る。途中、最初に目に入った高層アパート屋上の巨大なアンテナが見えるが、実はこれが彼の個人局用アンテナであった。

 

タクシーのところまで送ってくれたBA4AA(徐儒)氏と再開を誓って別れた。

 

 このようにして、上海市での私にとって初のゲストオペレーションが成立した。

 突然の訪問にも関らず、快く迎えてくれたBA4AA徐儒OMや運用をさせて頂いたBY4AA関係者に深く感謝する。                  (7K3GNL 捧承人 北京HAM同好会)

 

注:BY4AA  上海市無線電運動協会アマチュア無線局

  BY4HAM  上海海姆倶楽部アマチュア無線局

  BA4AA  徐儒OM