余暇活動韓国料理メニュー作り

話のあらすじ
いつも食べに行っている韓国料理店があります。ある時、店で使う料理メニューの製作 を頼まれました。さてさて、おいしそうに見えるメニューができるか??。。。 思わぬ苦労もありましたが取りあえず第1版を届けて大変喜ばれています。
 その後も社員食堂のように食べに行っていますが、 自分達が作ったメニューを見るのは何か恥ずかしい気がします。 しかし、画像入りメニューは分かりやすくてとても好評の様です。

  以下がGNLとF嬢の安請け合い「韓国料理メニュー作り」顛末記です。

1.そもそもどうして?
この韓国レストランは北京に赴任した時から食べにいっているところで、 韓国料理の他に中国料理のメニューもあり、種類が豊富でどれも美味しく、 リーズナブルな料金なのです。
そして、中国語もよくわからず、もちろん韓国語もだめな私にも 親切にしてくれるし、とにかく家族的なのです。

ある時、何気なく立ち寄ったらまだ開店前だったのですが、親切に料理を用意して もらいました。お礼に丁度持っていたデジタルカメラで数枚写真を撮り、後日、 ポストカードにして渡したらとても喜んでもらいました。

暫く経ったある時、いつものように昼食を食べ終えてレジに行ったらマスターから 声を掛けられました。一冊のメニューを見せながら、このメニューから画像を撮って 同じようなものができないかとのことでした。

スキャナーを持っていないのでデジカメで撮るしかないが、 画像を接写しても元の写真の色がつぶれているのでうまくいかないだろうけれど、とりあえず一度やって みる事にしました。

もちろん通常のプリンターでは厚紙の印刷はできにくいので、一般的な用紙に印刷し フォルダに入れれば良いでしょうから。。。 と、とりあえず既にあるメニューを借りてきました。  

1枚のポストカードと、安請け合いがこの顛末記のはじまりなのです。

2.さて、検討開始
家に帰ってビールを飲みながらさっそく検討を開始。。。

(1)私のPCは、「メールができれば良いと」と赴任時に購入した 最小限スペックのモバイル(mobioNX)。画像処理等DTPソフトは入れて こなかったが大丈夫か?。

撮影した画像を最小限の加工にとどめ、ベースは字体の豊富なWORDを使うことにしてはどうか。

(2)字体は、中国語、英語、韓国語そして日本語であるが対応できるか?

中国語はchinese writerでWORD上に書ける。
日本語、英語は日本語OS上のMS-WORDなので問題はない。
韓国語は今すぐにはできないので取りあえずは除くが、Korean Writerが 発売されているのでそれを入手するか、他の方法を考えればなんとか後から でも追加できそうである。(Korean Writerを購入するとなると大きな出費だが)

(3)最近購入した私のプリンターで満足なものができるか?
画像が大きくなければそこそこ行ける。>>試してみるしかない。 (こういう事になるなら1ランク上のプリンターを購入しておけば良かった)

(4)用紙に良いものがあるか?
最近やっと鮮やかな発色のインクジェット専用紙が出回ってきたので、高いが 入手はできる。

(5)トランスレーションなど
基本的に、中国語、韓国語はお店の人にやってもらえば良いし、日本語、英語はこれまでの メニューを参考にすれば良い。不足分する部分は自称食通で中国料理、韓国料理に 造詣の深いF嬢の出番。日本語、英語、中国語、そして韓国語と。。。
お店の人との通訳も勿論彼女である。

(6)その他
これは商売ではない。 ある程度実用になるものができれば、地元民との交流になるし役にも立てる。 もちろん中国語の勉強にもなるはずである。

以上のおおざっぱ検討の結果、なんとかできそうなので、旧メニューの画像を何枚か接写して WORD上に取り込み、中国語、英語、日本語の名前を付けた サンプルを実際に作ってみることにしました。

3.サンプルの製作
旧メニューの何点か接写してPCに取り込んでみましたが、奇麗に取り込むには 結構手間が掛かります。うまく接写できた数点と、 以前に某料理店で実物を撮影してあったものをA4版にアレンジした後、 昼食時に、マスターに出来具合を見てもらいました。

私も思いましたが、マスターも「実物を撮ったものが、接写したもの より出来具合がはるかに良い」と思ったようです。 他のデザイン等はサンプルの通りで良いようでした。

そんな訳で、実際に料理を作ってそれをデジカメで撮ることになったのです。
 撮影は準備の都合もあるので次の休日の午前10時からとなりました。
   さぁ大変!!。。。。

3.撮影開始
デジカメの予備の電池を準備するとともに、念のために一般のカメラを持って いざ出陣!! だいたい、何枚(何種類のサンプルを造る)撮るのかも不明なのだ。
とにかく時間に到着、笑顔で迎えてくれてほっとする。早速料理の下に敷く大きな 布製のマット(木枠に薄い赤一色の布を止めてある)を持ち出してきた。 どうも造ったらしい!。  気合が入っている。

ただ、照明はないので自然光が頼り。。。(この辺が辛いところ) 丁度いいところを見つけ撮影開始。
出てくる料理にあわせてデジカメで2枚、一般カメラで1枚のペースで 撮っていく。 フラッシュがあったほうが良いものと、無いほうが色合いの良くでるもの、 料理によっては、少し室温になじんだ方が良い色になるものなど、結構難しい。でも時間が限ら れているので、どんどん撮るしかない。

結局この日は31点の料理を造ってカメラに収める。 お客様の多くなる11時半には概ね撮影終了。 プロの料理人のわざをみる。すばらしい。。。。
そしてメニュー製作の責任を感じる。とにかくやるしかない!

4.画像の取り込み、一覧表の作成
撮影終了後どっと疲れを感じたが、昼食を取って少し落ち着いてきた。 でも、あまりゆっくりはしていられません。 撮影した画像を早くバックアップしておかなければならないからです。
万が一画像が無くなると、料理をもう一度作ってもらう事になります。
家へ帰って、早速画像の取り込みを開始。慣れている ことではあれ、間違えると一発で全部消えることだってあるから、慎重に に実施する。
約70枚分をPCに取り込み、画像の奇麗な方およびバランス良く撮れているもの など1点、1点確認する。その後JPEGファイルに変換し、ひとまずFDDに バックアップ。画像そのものは良く撮れているので使えそうである。 まずはこれで一安心だ。   ビールを飲む!

画像一覧の作成。
取り込んだ画像をワードに張り込んで、画像一覧を作成する。 撮った画像をマスターに見てもらうとともに、 メニュー構成を考える時に、どの画像を何処に入れるかアレンジする 為のものです。
せっせと画像を取り込み、一部色調整をするなどして、 やっとワード上に一覧表が出来あがった。
いざ印刷開始!!
1ページに6点ぐらいの画像を取り込んだので 一覧表は数ページ分になる。 これで印刷OK!と思いきヤ、プリントスプーラーに書き込みできず。印刷 不能。
 ハードデスクの空き容量が少なくなっており、 スプーラーに必要な容量を 割り振る事ができなかったためであった。

我が省資源PCは、多くの画像と、いろいろなソフトをインストールしたので いつのまにかHDDの空き容量が少なくなっていた。そして、画像を 何枚も貼っているのでワード自体が必然的に重くなっていたのでした。  Hai、すみません!


5.メニュー構成
メニューの構成は、店主にやってもらうに限る!
何とかプリントアウトした画像一覧を持ってお店へ。。。
数日後、わら半紙に、ページ毎に鉛筆がきしたメニューの 原案を渡される。入れる画像の番号、概ねの位置、価格など が入っている。大き目な画像にしたいものは「大」と 表示をする。品名は中国語で入っているので、他の言葉は 旧メニューを参考に入れることにする。
料理の他に、酒類のページが二枚、これは画像無しである。
この時点で、使用言語は中国語、日本語、英語である。


6.メニュー第1版の製作開始
ベースになるテンプレートをワード上で作成し、画像を取り込んだり 品名を入れたりしながら1ページを作る。
そして全体を見ながら使用フォントをきめる。 中国語はこれ、英語はこれ、そして日本語はこれという具合である。 何回か試行を繰り返しやっとフォントを決めた。
また、料理によっては、英語名が分からなかったり、適切な日本語名が 見つからなかったりするものもある。
大きな図書館があるわけでもないので、分からない ものを調べるのも大変である。
どうしても分からないので、別の店へ行って 食べながら、メニューをこっそり写してきたものもあるのです。

7.メニュー第1版製作中!!
ワード上に所定の画像を取り込み、大きさを調整。 決めたフォントと大きさで名前を入れる。
中国語部分は、Chinese Writer を使用して入れる。
フォントと大きさがそれぞれ違うから、文字を揃えるのにも苦労します。

また、取り込んだ画像は微妙に明るさが違いますから、少なくとも 1ページ内でほぼ同じ程度になるように調整します。プリントしてみないと 分からない部分もありますので、最終的にはプリントしてチックします。

また、メニューですので金額が違うと問題になりますから慎重にチック します。そして、お店の方に確認してもらいます。 何回か修正、確認を繰り返しOKになりました。

8.表紙、裏表紙!!
中身の完成と前後し、表紙と裏表紙を作ります。 いろいろ作って 相談した結果、表紙は最終的に次のようになりました。 裏表紙は、店の家紋に決まりましたので、ペイントブラシで作 ることにしました。


9.第1版完成
その後料理の追加があり、校正をさらに行ない第1版完成しました。 プリントする用紙の種類によって発光具合も違いますから、第1版にはスーパー ハイグレードのインクジェット専用紙を使いました。用紙は日本のメーカーのものです。

5部(1部16枚)印刷するのに1日がかります。日曜日に印刷し、 翌月曜日昼食時に届けました。 店では、それをフォルダーに入れて使用しています。 料理が一目で分かるのでとても好評のようです。

どう、おいしそうですか?

10.まだまだ続く
とりあえず予定の日までに第1版を納入(?)した。 本人自身もしばしばこのメニューで注文しているが、 ある時、日本語の文字の一部に間違えを発見! 恥ずかしい。

さて、いよいよハングル文字をいれた最終版の 作成開始です。 しかし、ハングル入力をどのような方法で実現するかから 考える必要があるのでチョット頭が痛い。 まずは調査、検討です。

第1版を利用してもらっているので少しは気が楽ですが、 完成目標を約一ヶ月後の1999年12月中旬と定める。
 だらだらするのは嫌いだから。。。。

11.ハングルの入力
検討をはじめる前にあらためて条件を整理してみると。
OS:日本語windows95、
Word: Word97、(Word97上でハングルを入力できればベスト)
他の言語:日本語、英語、中国語。
その他 :Internet Explorer 4.0

しかし、そもそもハングルをどのようにして入力したらいいのか 分からない。調べるにしても、日本であれば本屋に行って調べれば 何とかなると思うのですが、ここは中国、そう簡単にいかない。
頼りはインターネットです。
さっそく、韓国語、ハングルなどで検索を開始する。 スループットの良いのは夜中か朝、何個所かのサイトで ハングルの扱いについて詳しく解説しているが見つかりました。 (先人達の努力に敬意!)


12.ハングル入力試行錯誤
いろいろ調べていくと、OSやMS−Explorerバージョンそして インターネットで韓国語が見られるようにするだけでいいのか、 ワープロ的に使うか、メールを送れるようにするか等により、 実現方法がいろいろ考えられるようです。
取りあえず、何種類かのソフトウエアーをダウンロードして 試してみることにしました。
あるCJK(中国語、日本語、韓国語もちろん英語)用ワープロソフトを インストールしてみたのですが、それぞれの動作はOKですし 慣れば使えそうだったのですが、内部でコード置き換えるため 別に不便を生じましたし、既存のワード文書に韓国語を追加する 場合にはとても使えませんでした。
他のソフトも試してみましたが、ワードとの関係でいいものが見つかりません でした。
そこで少し角度を変えて、先に韓国語のHPを見られるようにするため、 Global-IMEをMicrosoftサイトからダウンロードすることにしました。 これでそれまでの中国語以外に韓国語もブラウザから見られるように なりました。もちろんメール等の送信も可能です。
これで、ワード上に直接ハングルを書く事はできませんが、少しだけ ハングルの環境ができました。それはoutlook expressのメッセージ 作成で韓国語メール作成し、別に開いたワード上にカット&ペースト すれば、とりあえずはワード上にハングルの入力ができるからです。
煩わしさを考えなければ、メニューの韓国語部分程度でしたらこれでも 何とか入力はできそうです。
  先が少し見えてきました。

キー入力対応表


13.ハングル入力最終版
前述のカット&ペースト方法で少しTEST入力をしてみましたが、 ワード上に直接入力するのと比べれば労力は相当なものです。 そもそも、韓国語入力のためのキー配置から憶えなければならない ので、それだけでも大変なのですから。。。
気を取り直してもう一度インターネットで探すことにしました。 (ハングルフォントも設定できているので、あとはワードへの入力 に絞って探せばいいのです)
ありました、ありました、ハングル入力のためのマクロを組んだ テンプレートが開示されていました。早速ダウンロードさせてもらい 使ってみる事にしました。暫く間試行錯誤しましたが、ある程度使い 方が分かったので利用開始です。
メニュー第一版を読み込み、1文字づつハングルを入力していきます。 入力自体は、前述のカット&ペースト方法に比べれば大変楽ですが、 新しい文字が追加されるので、全体的なデザインや 文字揃えなどに思わぬ時間が掛かったりします。
でもあとは時間の 合間にこつこつとやるだけです。

これで、あらたな費用がかからずに韓国語の入力ができる様になりました。



13.第2版(ハングル版)完成
仕事から帰って毎日少しづつハングルの入力です。韓国語を知っていれば 入力が楽でしょうし、間違いが少ないと思いますが、素人の悲しさで 文字一つ一つを見ながら入力しなければなりません。
中にはとんでもない言葉になっていたのもあったと思います。
一通り入力し、分かる範囲で点検して、あとは店のマスターに確認 してもらうことにしました。

何回か校正(文字の間違いの訂正)を繰り返しやっと完成です。 プリントは第1版と同じで1日かかりますから、日曜日ゆっくりにやりました。 12月下旬には完成版を手渡すことができてほっとしました。

14.あとがき
F嬢が出張から帰ってきた時には、ハングルの入力を終えて校正するところでした。 日本で某Korean writerを見つけてきてくれたのに使わずに済んでしまって 大変申し訳ないことをしました。 そして、その熱意に多いに感謝する次第です。
是非韓国語の勉強に役立てて下さい。
また、通訳に、翻訳にと大活躍してもらったことに感謝いたします。

最近では、Internet Explorerのバージョンが5.0で、Word2000であれば こんなに苦労せずにハングルの入力ができるようです。

今回ハングルを取り扱うにあたって、 勉強させてもらったサイトは次の通りです。 この場をかりて感謝申し上げます。

http://www.hitel.net/~choijinh/japan/use_kr.htm
http://www.teleway.ne.jp/~hanglnet/work.html
http://www.njstar.com.au/
http://www.kodensha-s.co.jp/sstec/index.html
http://www01.u-page.so-net.ne.jp/xa2/seochon/

   ありがとうございました。

15.その後(分店用メニュー)
メニュー完成後半年くらい経ってから、新しく開店する 分店用メニューを作ることになりました。
本店用メニューの一部変更と価格の全面変更ですが、 構成も全て変わりますから、まぁ、全てに手を入れる ことになります。
画像はそのまま使用するので撮影の手間は掛からないのですが、 開店までにあまり時間がないのと、とても多忙な時期だった ため、出来上がるか心配でした。

何度か校正を繰り返してやっと完成です。 間に合いました!!

開店の時に間に合わなくてもいいと言われたのですが、 折角だから何とか間に合わせたいと思いました。そして、 開店当日はお酒(日本酒!)を持って お祝いに行きました。

分店は第二外国語大学構内にあります。 一般の人も入れますので,私も何度か食事に行ってます。 場所柄、価格がだいぶ安くなっていますし、本店同様、アットホーム な感じなのが何よりも嬉しいです。