トーマス アルバ エジソン Thomas Alva Edison

 発明の天才 〜努力の人〜

The Word of the Lamp  エジソンが残した偉大な言葉  その真相とは

 発明王エジソンは、天才について、超有名な言葉を残しています。

“天才とは、1%のひらめきと99%の努力である”

 もちろんエジソンは、日本語で言ったわけではありません。
 英語では、こうなります。

“Genius is 1% of inspiration , and 99% of perspiration.”

 直訳すると、“天才とは、1%の霊感と、99%の汗である”

 まず、「霊感」を「ひらめき」と、特に「汗」を「努力」と訳した人に感謝したいです。なんと、わかりやすい表現なのでしょうか。

 みなさん、この言葉を聴いて、何を感じましたか?

 「天才とは、才能に全て支配されていて、いくら努力しても凡人には及びもつかない果てしなき才能だ」と思いこんでいた人には、この言葉は、何ともありがたいものだと思います。だって、エジソンは、そうではないと言っているのですから。
 ひらめきなんていうのは、1%だけでいい、残りの99%は、全て努力だ。
 これなら、どんな人だって、不可能ではありません。

 しかし、世の中には素直にそう感じる人ばかりではありません。「きっとエジソンは、自分の才能を謙遜して言っているだけなんだ。そうに違いない」と思う人だっているはずです。まあ、それも不思議ではありません。だって、あれだけの数の発明は、たった1%のひらめきでは創れるはずもないと思うのが自然なのですから。

 いえいえ、ここからです、僕の本題は! 

 エジソンが“天才とは、1%のひらめきと99%の努力である”と言った奥にある深い意味とは、こんなものではなかったのです。

 エジソンは、当時から、騒がれていました。
“世紀の大天才”、”世界の発明王”と、もてはやされ、世間もマスコミもすべて、エジソンの才能ばかりに目を注いでいました。
 しかし、エジソンは嬉しくはなかったはずです。なぜなら、エジソンが一番自分の中で見てほしいところを、誰も気づかず、通り過ぎていくだけだったからです。

 エジソンが、一番主張したかったこと。

「僕は、これだけ努力しているんだ。毎日毎日、休むこともなく、何度失敗しても、そんなことにはめげない。数ある失敗ばかりの中で、ほんの、ひと握りの成功が待っているんだ。僕のこの努力を、たった“才能”なんていう、ちっぽけな言葉ひとことで片づけないでくれ!」

 僕は、エジソンの心の叫びに気づいたとき、まさに目からウロコも、こだわりも、先入観も全てが音を立てて、崩れ落ちました。思わず、涙があふれるほどでした。「こんなに美しい叫びが他にあるだろうか。エジソンは正しいことを言っている」そう心から思えました。

「ひらめきは1%だけでも、努力を99%すれば、誰でも成功できる」
「エジソンは自分に才能があることを知りながら、それを謙遜しつつ隠している」
 こんな深読みのはるか先をエジソンは行っていたのです。
 そう、一日一日の小さな努力が、どれだけ大切か、そして、それがどんなに難しく、大変なことなのかを、エジソンは自分自身の体験から学びとっていたのです。

 人間は、一人一人に価値があり、その価値を比べることなんてできません。でも、たったひとつだけ、比べても、さらには順位をつけても良いものがあると思います。それが、努力なのです。
 この世に生を受けたときから備わっているもの、それを“才能”と呼ぶのならば、それは両親からプレゼントされた生まれ持った宝物です。しかし、宝を持っているだけでは、花は開きません。天才と呼ばれる人は、その宝を積極的に大事にして、素晴らしい努力をします。その結果が自然と表れてくるのです。
 なぜ、努力を比べてもいいと言ったかわかりますよね。生まれ持った才能というのは、本人の意思ではありません。もちろん、その才能には差もあれば、種類も違います。そんなものを比べるのも不可能ですし、比べる意味もありません。
 しかし、努力というのは、人が生まれ落ちたときから、初めてスタートするものなのです。そして、その努力には、上限も決まりごとも、何もありません。
 スタートラインが同じで、全て自分にかかっている。そういう意味では、努力こそが、人間の価値に匹敵するのではないでしょうか。

 最後に、エジソンの最大の発明は何だったのか。それは、努力の大切さに最初に気づき、それを惜しげもなく素直に表現した、あの言葉、

”天才とは、1%のひらめきと99%の努力である”

ではないでしょうか。

 まだ、この言葉に特許は申請されていないと思いますから、今日ここで、特許を取得させ、エジソンの発明ライブラリーへの一番新しい贈り物にしようではありませんか!


“Genius is % of  inspiration, 
     and 
99% of perspiration.”

 上の英語を見ると分かるように、inspiration(インスピレーション)と、perspiration(パースピレーション)とでは、spiration(スピレーション)という部分が、全く同じです。
 これは、アメリカ人特有の、韻を踏んだ表現です。ある区切りの語尾どうしを同じ発音にすることによって、聞きやすく、言いやすく、憶えやすい表現にするのです。
 エジソンも、この習慣を知っていて、こういう表現をとったのだと思います。ですから、直接「努力」と言わずに「汗」なんていうシャレた言葉を選んだのではないでしょうか。この汗という言葉からは、何事にも一生懸命取り組む姿が、すぐに目の前に浮かんできます。とても、うまい言い回しだと感心させられます。
 ちなみにサブタイトルの“The Word of the Lamp”とは、
“ひらめき”のイメージを、エジソン自身が発明したランプに託した表現です。


特許申請