エヴァリスト ガロア Evariste Galois

 数学の天才 〜早熟の行く末〜

 数学の天才といえば、まず誰もが思い浮かべるのは、ガウスだと思います。とにかく万能で、残した実績の数も質も、他の数学者より抜きん出ています。もちろんガウスを語りたい気持ちはあります。でも、記録よりも記憶に残る数学者が1人いました。

 それが、エヴァリスト・ガロアです。

 ガロアについて最も有名な出来事は、満21歳を迎えることなく、決闘の末、命を落としたことでしょう。ここだけを見れば、ジェームス・ディーンや、尾崎豊のような短命のヒーロー像がイメージされますが、その短い人生の中で残した業績が、彼ら同様、またずば抜けています。
 「群論」という言葉を知っているでしょうか。もちろん数学を志している者なら、知っていて当たり前の分野です。そう、群論とは、数学という大きなステージ上に輝く1つの分野なのです。これを、ハイティーンの一少年が、発想し、組み立て、完成してしまったのです。恐るべき能力です。早熟にしても、凄すぎます。

 数学とは、若さが勝負の学問と言い換えることもできます。ガロアはその定義適格者第1号だったのかもしれません。

証明終わり