”石心 ”中井延也展 2000.4.8-5.28(旭川市彫刻美術館)
Apl.2000
このたびの中井延也の展覧会は、中原悌二郎賞を受賞した作家を紹介するものです。
中井延也は、第21回中原悌二郎賞優秀賞を受賞し、受賞作家では唯一北海道で生ま
れています。彼の作品は「開拓のイメージ」(7条買物公園)、「井上靖文学碑」(旭川
信金本店前)、そして彫刻美術館には「鳥化する丘」があり、旭川市民にとっても馴
染みの深い作家といえます。
1934年上川郡愛別町に生まれ、旭川市立常盤中学校、北海道立旭川東高等学校を卒
業後、東京芸術大学彫刻科へすすんでいます。当時、塑造や木彫が主流でしたが、石
の作品に取り組み、その後一貫して石による作品を制作しています。在学中より新制
作展に出品し、1966年会員になりました。1970年から多摩美術大学で教鞭を
とり後進の育成にあたっていましたが、昨年5月6日、64歳で逝去しました。
新制作展のほか「刻展」(伊勢丹美術館)の中心的存在としても活躍し、国内各
地に野外彫刻が設置されています。1963年のユーゴスラビア国際彫刻シンポジウムに
参加、日本で早い時期に開催された帯広市緑が丘公園彫刻シンポジウムにも参加し、
彫刻制作のほか、多様な活動をしています。
中井延也の作品は御影石、小松石などによる一貫した石彫作品で、熟練した技術により、
石の素材感を活かし、石塊から抽象的なフォルムを作りだしています。磨かれた石面
と割り出したままの粗い面やのみ跡の作品は、あたかも、石に触れ、制作をすすめる
作家との対話によって、ひめやかな石の心が表出されているかのようです。
本展は、こうした石彫の作品を中心に、彫刻制作のために描かれたデッサン、エスキー
ス等を交えて、中井延也の世界を紹介します。
パンフレットより抜粋
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中原悌二郎記念 旭川市彫刻美術館
住所〒070-0971 旭川市4区1条1丁目
電話0166-52-0033.fax0166-55-1413