二十五周年を迎えて
己に勝つ事の出来る子供を育てるという目的のもとに、誠愛剣友会が発足して、二十五周 年を迎えることになりました。宍戸名誉会長先生の熱意に引きずられてこの会で竹刀をと って二十年以上になります。
昭和十二年に小学校で竹刀を初めて握って以来、旧制高校まで剣道を続けましたが、大学 時代に終戦となり剣道は数年間禁止されました。 私が稽古を再開したのは昭和五十年になってからでした。あれから二十年余、方々で稽古 をして来ましたが、誠愛だけは出来るだけ休まずに出席して来ました。
現在は誠愛の外に虎ノ門剣友会の朝稽古に週二回、法務省検察道場での水曜朝稽古などに 定期的に参加し、又旧制高専剣道大会にも出場しています。私も来年は古希になりますが 剣道だけは身体の動く限り続けるつもりです。それは剣道がこの年になっても大学生や社 会人相手に稽古ができる生涯スポーツであり、一対一で向かい合って行う格闘技としては 他に類のない年齢を超越した運動であることに加え、礼儀を重んじる精神面での自己鍛練 の場でもあるからです。
小中学生にとっては、剣道はあまり面白くないかもしれません。サッカーや野球の方がず っと面白いでしょう。でもそれらのスポーツができるのはせいぜい二十代までで、年をと って始めて剣道をしていてよかったと思うようになるでしょう。そのため誠愛では剣道の 稽古以外に、遠足とかもちつきとかいろいろな行事を行って、子供達の思い出を作る事を 考えて来ました。合宿でも、稽古はつらい面白くないと思い乍らも、また来年も参加した いと思うように様々のイベントを考えてきました。これらは、宍戸名誉会長の発想に基く ものです。名誉会長先生も喜寿を迎えられ、稽古は止めておられますが子供のことを思う 心は変わりなく御指導頂いています。この頃ではOB諸君はもとより、お母さんが二人も 段位をとられ、最近には、お父さん剣道の会が発足して土曜稽古に汗を流すなど、親子で ともに剣道に親しむ姿が見れるようになり誠に喜ばしいことです。二十周年記念誌に私が 書いたことが実現したことは本当に嬉しい限りです。
二十五周年という四半世紀の一つの区切りを迎えましたが、今後も誠愛剣友会が家族ぐる みで発展していくことを心から期待するものです。