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星野名誉会長

名誉会長 星埜 禎男


(東京大学名誉教授)
創立二十五周年記念誌(平成七年十月二十九日)より抜粋

二十五周年を迎えて

己に勝つ事の出来る子供を育てるという目的のもとに、誠愛剣友会が発足して、二十五周 年を迎えることになりました。宍戸名誉会長先生の熱意に引きずられてこの会で竹刀をと って二十年以上になります。

昭和十二年に小学校で竹刀を初めて握って以来、旧制高校まで剣道を続けましたが、大学 時代に終戦となり剣道は数年間禁止されました。 私が稽古を再開したのは昭和五十年になってからでした。あれから二十年余、方々で稽古 をして来ましたが、誠愛だけは出来るだけ休まずに出席して来ました。

現在は誠愛の外に虎ノ門剣友会の朝稽古に週二回、法務省検察道場での水曜朝稽古などに 定期的に参加し、又旧制高専剣道大会にも出場しています。私も来年は古希になりますが 剣道だけは身体の動く限り続けるつもりです。それは剣道がこの年になっても大学生や社 会人相手に稽古ができる生涯スポーツであり、一対一で向かい合って行う格闘技としては 他に類のない年齢を超越した運動であることに加え、礼儀を重んじる精神面での自己鍛練 の場でもあるからです。

小中学生にとっては、剣道はあまり面白くないかもしれません。サッカーや野球の方がず っと面白いでしょう。でもそれらのスポーツができるのはせいぜい二十代までで、年をと って始めて剣道をしていてよかったと思うようになるでしょう。そのため誠愛では剣道の 稽古以外に、遠足とかもちつきとかいろいろな行事を行って、子供達の思い出を作る事を 考えて来ました。合宿でも、稽古はつらい面白くないと思い乍らも、また来年も参加した いと思うように様々のイベントを考えてきました。これらは、宍戸名誉会長の発想に基く ものです。名誉会長先生も喜寿を迎えられ、稽古は止めておられますが子供のことを思う 心は変わりなく御指導頂いています。この頃ではOB諸君はもとより、お母さんが二人も 段位をとられ、最近には、お父さん剣道の会が発足して土曜稽古に汗を流すなど、親子で ともに剣道に親しむ姿が見れるようになり誠に喜ばしいことです。二十周年記念誌に私が 書いたことが実現したことは本当に嬉しい限りです。

二十五周年という四半世紀の一つの区切りを迎えましたが、今後も誠愛剣友会が家族ぐる みで発展していくことを心から期待するものです。


竹刀

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