硯の各部の名称

硯の図
 1 .海。
   墨池、または
   硯沼ともいう。
 2 .落潮。
   胸ともいう。
 3. 墨堂。
   陸、岡ともいう。
 4 .硯縁。硯唇、
   硯純ともいう。
 5 .硯側。
   硯旁ともいう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
硯の種類1 〜材質〜
◎硯は一般に唐硯と和硯とに分けられる。
◎中国と日本と朝鮮の主な石(産地)を挙げると、
 次のようになる。
 ・中国
   端渓石(広東省)、歙州石(江西省)、
   とう河緑石(甘粛省)、
   松花江緑石(吉林省)など。
 ・朝鮮
   渭原石、鐘城石、大同江石、海州石など
 ・日本
   赤間石(山口県)、高島石(滋賀県)、
   玄昌石(宮城県)、雨畑石(山梨県)、
   蒼龍石(高知県)、竜渓石(長野県)、
   那智石(三重県)、紅渓石(宮崎県)など。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
硯の種類2 〜形〜
◎硯の形は多種多様であるが、その中で
 主なものを挙げると、次のようになる。
 ・長方硯−−最も一般的な形の硯。
       縦:横が3:2ぐらい。
 ・円硯−−−円形の硯。
 ・方硯−−−正方形の硯。
 ・板硯−−−墨をためるところのない板状の硯。
 ・天然硯−−石の自然の形を残して作られた硯。
 ・太史硯−−高さ10センチぐらいの長方形で
       裏面を、左右残して削り取った硯。
 ・挿手硯−−太史硯の高さを低くしたもの。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
硯 購入時の注意
◎先ず、一般的な良い硯の条件を挙げると、
 ・鋒鋩が強く細かく均等である。
 (鋒鋩とは、墨をおろす硯面の微粒子のこと。)
 ・比較的硬い石のもの。
 (柔らか過ぎると、鋒鋩が磨り減りやすい。)
 ・墨落ちがよい。
 ・使いやすい構造である。
 ・硯面がきめ細かい。
 ・どっしりとした重みがある。
◎これらを踏まえた上で購入時の注意点を挙げると
 ・墨池、墨堂など、全体にバランスが良く、
  歪みがないものを選ぶ。
 ・作りが丁寧かどうか見る。
 ・細かいひび割れなどがないか見る。
 ・大きい字を書く場合に購入するなら池が大きく
  陸も大きいものを選ぶのが良いし、逆に小さい
  字を書く場合なら、池も陸も小さくても良い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
硯の手入れと保管
◎硯の使用後は、必ず水で洗い、墨気を落とし、
 よく乾かしてからしまう。
 これを怠ると、硯面の鋒鋩が目詰まり
 してしまう。
◎きちんと手入れをしていても、やはり
 ある程度の墨気は残ってしまうもの。
 万一、鋒鋩が目詰まりをした場合は、
 【磨硯石(まけんせき)】という専用の
 砥石のような物で、水を加えながら、
 繰り返し磨ると、鋒鋩が蘇って来る。