赤旗名人戦全国大会 93.11.5(日本棋院会館)

          優勝:楠本 誠二    
宮武 尚文−−         |         −−若林 武
(香川)   |河井−−    |    −−大場|  (東京)
河井 智 −−     |   |   |     −−大場 武志
(東京)        |   |   |       (愛媛)
            |河井−−−楠本
星出 明 −−     |       |     −−河村 謙吾
(佐賀)   |小原−−         −−楠本|  (三重)
小原 正邦−−                   −−楠本 誠二
(福島)                        (大阪)
   
                        (対局中の楠本誠二さん)
先手:河井 智 (東京)
後手:楠本 誠二(大阪)




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棋譜と解説図面
▲7六歩    △3四歩    ▲2六歩    △4四歩
▲2五歩    △3三角    ▲4八銀    △2二飛
▲6八玉    △6二玉    ▲7八玉    △7二玉
▲5八金右  △4二銀(図)

楠本さんは大阪流の振り飛車の継承者として
名高い。すでに読売日本一、赤旗名人を獲得
しており、大阪屈指の強豪である。
河井さんは奨励会出身の強豪。
▲9六歩    △9四歩
▲1六歩    △4三銀    ▲8六歩    △3二金
▲4六歩    △2四歩    ▲同 歩    △同 飛(図)

3二金型向飛車は関西流と言えよう。主に穴熊対策
として用いられ、居飛車側が急戦に備えるためやむ
を得ず左美濃にする場合が多い。
▲同 飛    △同 角    ▲2二歩    △3三桂
▲2一歩成  △2三飛    ▲1一と    △4六角
▲4七銀    △6四角(図)


▲2四同飛は強手。というのは次の▲2二歩で指せ
ると見たものだが、△2三飛に▲1一とは緩手。こ
こは▲4一飛△5二銀▲2二とが良かった。
▲5六銀    △5四歩
▲6五銀    △4二角    ▲1七桂    △2八飛成
▲1二と    △4五桂    ▲8七玉    △1九龍
▲7八銀    △8四香(図)

飛車が成り込めては後手優勢。しかも金取りの
先手で△1九竜と手順に香が取れてはもう負け
られない形勢となった。
▲7七角    △8六香
▲同 角    △同 角    ▲同 玉    △8八角
▲6六角    △同角成    ▲同 歩    △8八角
▲9八飛(図)


形勢不利とはいえ先手の頑張りもすごい。▲9八
飛(図)と自陣飛車を投入。だが、ここで鋭い寄
せが飛び出す。
        △6九龍    ▲同 銀    △7九角成
▲7八銀    △8八金    ▲9七角    △7八馬
▲8八角    △8七銀    ▲7七金    △8八馬
▲8七金    △4二角(図)


△6九竜から△7九角成が左美濃くずしの手本と
なるような寄せ。
△4二角(図)が決め手。▲7五銀でも△同角▲
同歩△8五銀▲同王△8七馬まで。
▲7五歩    △同 角
▲同 玉    △8七馬    ▲8六香    △7四歩
▲同 銀    △6四金    ▲8五玉    △7四金
▲同 玉    △7三歩まで82手で後手の勝ち