朝日アマ名人戦 86.2.23/24(有楽町・マリオン)

          優勝:沖 元二    
小島 一宏−−         |         −−佐々木修一
(東京)   |小島−−    |    −−松田|  (神奈川)
岡田 守生−−(3位) |   |   |     −−松田 隆
(群馬)        |   |   |       (鳥取)
            | −−− |
小林 純夫−−     |       |     −−沖 元二
(奈良)   | −−         −− |  (大阪)
関 半治 −−                   −−田尻 隆司
(愛知)                        (広島)

   対局中の沖さん
決勝戦:左が沖氏、右が関氏。

先手:沖 元二(大阪)
後手:関 半治(愛知)




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棋譜と解説図面
▲7六歩    △3四歩    ▲6六歩    △8四歩
▲7八銀    △6二銀    ▲6八飛    △4二玉
▲4八玉    △3二玉    ▲3八玉    △1四歩
▲1六歩    △5四歩(図)    

沖元二さんはすでにアマ名人(2回)、読売日本一
を獲得しており、あと朝日アマを征すれば史上初の
「アマチュア三冠王」になる。
数年前にもこの棋戦では決勝に進出しており、その
ときには谷川俊昭氏に敗れている。

関半治さんは奨励会出身で、詰め将棋でも有名。
この時期、急速に浮上してきた若手だった。
▲2八玉    △5二金右
▲3八銀    △4二銀    ▲5八金左  △7四歩
▲7七角    △5三銀左  ▲4六歩    △8五歩
▲5六歩    △4二金直  ▲4七金(図)


関さんはここまで主に振り飛車で勝ち進んできた
が、沖さん相手には相振飛車にせず、急戦で挑む。
さて、▲4七金を見て関氏長考。仕掛けがありそうだ。
        △7五歩
▲同 歩    △6四銀    ▲7四歩    △7五銀
▲6五歩    △7七角成  ▲同 銀    △8六歩
▲同 歩    △2二角    ▲5七角    △8六銀(図)

やはり仕掛けは成立した。ただし△8六歩は指し
すぎで、▲5七角では大山名人の指した▲8五角
が成立していた。
▲8三歩    △7七銀不成▲同 桂    △7二飛
▲6六角    △同 角    ▲同 飛    △7四飛
▲7八歩    △7六歩    ▲9六角(図)


△7七銀不成に▲8二歩成は△6八銀不成▲同角
△8八飛で先手優勢となる。
▲6六角が本に書いていない実戦的なさばき。
図の▲9六角は勝負手。後手、しのげるか。
        △7五飛
▲6四歩    △同 歩    ▲8二歩成  △7七歩成
▲7二と    △5三銀    ▲8六飛    △7四歩
▲8一飛成(図)


▲7二とは好手。取ると▲6一銀がひどい。
△7四歩が失着。ここは△8五歩▲同飛△同飛
▲同角△8九飛▲8二飛△7五角で後手指せていた。
△8一飛成となってはいっぺんに先手優勢に。
      △1五歩    ▲同 歩    △1七歩
▲同 香    △2五桂    ▲1六香    △4四角
▲2六銀    △7八と    ▲4五桂    △2四歩(図)

後手端攻めだが、ここでは駒不足で届かない。
▲4五桂がまわっては後手受けが苦しい。
▲9一龍    △9九角成  ▲5五歩    △同 馬
▲2五銀    △同 歩    ▲6七桂(図)


▲5五歩が絶妙の手筋。▲6七桂(図)の両取り
で勝負あった。
尚、沖さんはこれで当時の小林庸俊朝日アマ名人
への挑戦権を得たが、三番勝負で惜しくも1−2
で敗れ、アマ三冠への道は絶たれた。
         △2二馬
▲7五桂    △同 歩    ▲2四香    △2三香
▲5二角成  △同 金    ▲3一金まで87手
にて先手の勝ち