平成3年アマ最強戦 91.8.12(京橋クラブ)
(参加200人。優勝:80万円)

          優勝:辻 清治    
山田 靖治−−         |         −−渡辺 徳之
(神奈川)  |西山−−    |    −−鈴木|  (東京)
西山 実 −−     |   |   |     −−鈴木 英春
(神奈川)       |   |   |       (東京)
            |西山−−− |
巽 映治 −−     |       |     −−小野 憲三
(大阪)   |神内−−         −− |  (高知)
神内 和夫−−(3位)               −−辻 清治
(大阪)                        (兵庫)

(辻清治さん)(西山実さん)

先手:西山 実(神奈川)
後手:辻 清治(兵庫)




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棋譜と解説図面
▲7六歩    △3四歩    ▲4八銀    △5四歩
▲5六歩    △8四歩    ▲7八金    △4四歩
▲5七銀    △4二銀    ▲5八金    △4三銀
▲6九玉    △7二銀    ▲6六歩    △6四歩(図)


辻清治(つじきよはる)さんは何度も全国大会に
出場している強豪だが、決勝戦進出は今回が初めて。

西山実(にしやまみのる)さんは神奈川の若手強豪。
後に全国支部名人になっている。
▲6七金右  △7四歩    ▲7七角    △8三銀
▲2六歩    △6二玉    ▲2五歩    △3三角
▲3六歩    △7三玉    ▲5九角    △4五歩(図)

西山さんは関東ではやりの「英春流」のかまえ。
対して辻さんは居飛車か振り飛車かまだ態度を
決めず、相手の出方によって決める指し方。

それにしても三段玉とは大胆不敵。
▲3七角    △6二飛    ▲7七桂    △7二玉
▲6五歩    △同 歩    ▲同 桂    △同 飛
▲9一角成  △6二飛    ▲6四歩    △5一桂(図)


すかさず西山さんは後手陣の不備をとがめるべく
角を転換してきた。辻さんは6筋に飛車を振る。
手順中▲6五同桂で単に▲9一角成は△7三桂以下
△7一金からの馬取りを見せる展開になる。

図では馬を作った西山さんが指せる局面だが。
▲8二香    △7一金    ▲8一香成  △同 金
▲同 馬    △同 玉    ▲7三金    △8二飛
▲5三桂    △5二金    ▲4一桂成(図)


▲8二香が失着。ここは先に▲6三歩成△同桂を
決めておけばのちに▲6四桂が打てた。

本譜の展開では△3三角のにらみが強力で、先手
切れ模様となっている。
       △7二銀
▲8二金    △同 玉    ▲5一成桂  △同 金
▲6六桂    △6二桂    ▲3七桂    △6五歩
▲4五桂    △4二角    ▲2二飛(図)


後手陣は飛車打ちに強く、先手陣は飛車が遊んで
いるため角でいじめられそうなところ。

先手駒不足ながら食いつこうとするが、辻さんの
受けは正確。
        △6六歩
▲同 銀    △6四角    ▲6八飛    △3二角
▲6三歩    △同 銀    ▲7七金直  △3一角
▲3二飛成  △同 銀    ▲4四角    △4三飛(図)


後手陣に打ち込んだ飛車が取られてしまっては
もういけない。そしてその飛車を自陣に放つ(図)
だんだん後手の持ち駒が豊富になっていく。
後手優勢。
▲1一角成  △4五飛    ▲4六香    △2五飛
▲4三香成  △6五歩    ▲同 銀    △6六歩
▲同金直    △2九飛成  ▲7八玉    △8五桂(図)


△6六歩は好手。これで馬の威力が半減した。
ついに一段目に飛車を成られて先手の一段玉の
欠陥が見えてきた。このあたり、辻さん一流の
柔らかい指し回しを見せつけている。

△8五桂(図)で寄せに入る。
▲6七金引  △4三銀    ▲2一馬    △7七桂成
▲同 金    △8五桂    ▲6九歩    △3二金
▲3一馬    △同 金    ▲4六角(図)


二度目の△8五桂。これがあくまでも厳しい。
それでも最後の一太刀の▲4六角の王手。
        △7三香
▲6七金    △2二角    ▲6六桂    △6四歩
▲同 角    △同 銀    ▲同 銀    △6五香
▲5五歩    △6六香    ▲6五桂(図)

劣勢とはいえ西山さんの食いつきは相当な迫力。
さすがにここまで勝ちあがってきただけのことは
ある。図ではどう受けるのか。
      △6七香成 ▲同 玉    △4五角
▲5六香    △同 角  ▲6六玉    △5五角(図)


△4五角が決め手。この角を取れないようでは
大勢が決した。
▲同 銀    △同 歩
▲7三桂成  △同 玉    ▲9一角    △8二桂
▲6四銀    △8三玉まで126手で後手の勝ち