レーティング全国大会 96.4.29(四日市市文化会館)

           優勝:中村 知義
中村 知義−−         |         −−加藤 光成
(京都)   |中村−−    |    −−辻 |  (三重)
永森 広幸−−     |   |   | (3位)−−辻 清治
(高知)        |   |   |       (兵庫)
            |中村−−−早咲
松田 幹雄−−     |       |     −−早咲 誠和
(大阪)   |松本−−         −−早咲|  (大分)
松本 洋 −−                   −−遠藤 正樹
(兵庫)                        (埼玉)
               
                                          早咲誠和さん           中村知義さん
先手:早咲 誠和(大分)
後手:中村 知義(京都)




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棋譜と解説図面
▲7六歩    △3四歩    ▲2六歩    △4四歩
▲4八銀    △4二飛    ▲6八玉    △7二銀
▲7八玉    △6二玉    ▲5六歩    △5二金左(図)


早咲さんは2回アマ名人になっている特級強豪。まだ
20代前半という若さだが、すでに大分では名誉市民
だとのこと。
中村さんは四間飛車を武器に平成最強戦(80万円)、
全日本選抜選手権(100万円)などの大きな賞金大会
を制してきた。この大会も優勝賞金は30万円である。
▲2五歩    △3三角    ▲7七角    △6四歩
▲8八玉    △7一玉    ▲9八香    △3二銀
▲9九玉    △4五歩    ▲3三角成  △同 銀
▲5七銀    △5四角(図)

戦形は先手の居飛車穴熊対四間飛車で、これはほぼ
予想されていた。後手の対策は角交換。まだ先手の
陣形が整わないうちに攻め味を作っておこうという
もの。
    ▲7八金    △7六角
▲8八銀    △8二玉    ▲5九金    △9四歩
▲6九金    △6三金    ▲3六歩    △5四角
▲2六飛    △7四歩    ▲2四歩    △同 歩
▲3七桂(図)

後手は歩をかすめ取ったが、その分角を手放して
いるので先手も十分指せると見ている。
2筋を突き捨てて▲3七桂は筋のよいさばき。
いよいよ中盤にさしかかる。
△9五歩    ▲7九金寄  △7三桂
▲3五歩    △同 歩    ▲6六銀    △3二角
▲5五歩    △8四歩    ▲5六角    △6五歩
▲7七銀引  △1四角(図)

△3二角はうまいかわし。これで先手の手段を
封じている。この手で△8三銀は▲5五銀△3二角
▲4五桂△同飛▲3四歩の強襲がいやな順。
▲4五桂    △4四銀
▲2四飛    △4五銀    ▲同 角    △同 飛
▲7五歩    △同 歩    ▲7四歩    △4七飛成
▲7三歩成  △同 玉(図)

△4七竜では△8五桂と跳ねたいが、▲7四歩の拠
点を残しては危ない。大駒を成るのはやはり大きく、
竜を自陣に引いて切らせにかかる。
だが、穴熊は少々攻めが遠くても油断できない。
   ▲6六歩    △4一龍
▲6五歩    △3三角    ▲6四銀    △同 金
▲同 飛    △6三歩    ▲7四歩    △6二玉
▲1四飛    △同 歩    ▲2三角(図)

ついに先手は飛車も切っての猛攻で勝負をかける。
まったく油断のならない順であり、先手王の遠さを
見ればまだひと辛抱が必要だ。
    △3二銀
▲3四角成  △3九飛    ▲4五桂
△5五角    ▲6四歩    △同 角    ▲4四金
△5二金    ▲6六銀    △6一桂    ▲6五銀
△5五角(図)


▲4五桂が敗着。ここは▲5四歩△同歩▲4五桂だっ
た。以下△5五角なら▲5三金△7一王▲5四金△1
九角成▲5三桂不成、また△2二角でも▲5三金△7
一王▲7三歩成△同銀▲6三金。
    ▲5三桂成  △同 桂    ▲5四金
△1九角成  ▲5三金    △同 金    ▲5四歩
△4四金    ▲5三桂    △4二龍 (図)

どうやら先手の指しきりがはっきりしてきたようだ。
以下、いくばくもなく投了となる。
    ▲6一桂成
△同 銀    ▲同 馬    △同 玉    ▲5三銀
△4一龍    ▲6四銀直  △同 歩    ▲7三歩成
△7一金    ▲6三と    △5四金
まで、114手にて後手の勝ち