アマ竜王戦全国大会 92.6.21(天童・滝の湯ホテル)

          優勝:中野 博文    
大多和 裕−−         |         −−谷畑 安彦
(栃木)   |平野−−    |    −−横山|  (愛知)
平野 真三−−     |   |   | (3位)−−横山 公望
(奈良)        |   |   |       (神奈川)
            |中野−−−古賀
篠田 正人−−     |       |     −−鈴木 純一
(東京)   |中野−−         −−古賀|  (神奈川)
中野 博文−−                   −−古賀 一郎
(和歌山)                        (埼玉)

   

                        中野博文さん     古賀一郎さん

先手:中野 博文(和歌山)
後手:古賀 一郎(埼玉)




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棋譜と解説図面
▲7六歩    △8四歩    ▲5六歩    △5四歩
▲5八飛    △5二金右  ▲5五歩    △同 歩
▲同 角    △3四歩    ▲2二角成  △同 銀
▲7八金(図)


中野博文(なかのひろふみ)さんは鳥取県出身だが
このときは和歌山在住。全国大会は初出場であり、
ダ−クホ−スだったが中終盤の力を発揮して強豪を
ごぼう抜きにして勝ちあがってきた。

古賀一郎(こがいちろう)さんは九州大学時代に
21歳でアマ名人になった、棋才あふれる超強豪。
        △4二金直  ▲5四歩    △6二銀
▲7七桂    △6四歩    ▲5五角    △3三銀
▲6四角    △9二角    ▲4八玉    △5六歩(図)

中野さんは力戦中飛車。実はこのとき彼は肺炎を
患いながら本大会に出場しており、短期決戦に持
ち込むべくこのような戦法を選んでいた。

互いに角を打ち合ったが、後手の△9二角は押さえ
込みをはかろうという狙い。
▲6六歩    △6三銀    ▲7五角    △5四銀
▲3八玉    △5五銀    ▲6七金    △4四銀上
▲6八銀    △4五銀    ▲6五歩    △3三桂(図)


後手の二枚銀の圧力が相当で、ここでは押さえ込み
が成功している。なんとか中央を突破できないか。
古賀さんはまだ居玉のままだ。
▲4八銀    △8五歩    ▲5七歩    △6六歩
▲5六金    △同銀直    ▲同 歩    △6七金
▲5五歩    △7七金    ▲同 銀    △6七歩成
▲9八飛    △7七と    ▲7一銀(図)


△7七金は考えすぎ。単に△5八金▲同金△8九
飛で十分だった。
▲7一銀は狙いの一手。飛車が取れた。
        △7二飛
▲8二金    △7一飛    ▲同 金    △4一玉
▲5四歩    △3二玉    ▲8一金    △5四銀
▲5八飛    △6五角    ▲4六桂    △4五銀打(図)

ここに来て後手の居玉が響いてきた。どうやら古賀
さんは▲7一銀を見落としていたらしい。
▲5二飛と今度は自陣の飛車の活用。もともとこの
飛車は取られるはずだったのだから元気がいい。
▲5四桂    △同 銀    ▲6一飛    △5三歩
▲1一飛成  △2二銀    ▲1二龍    △4六桂
▲2八玉    △5八桂成  ▲1一銀    △4四歩(図)


一転して先手優勢となったが▲6一飛は小ミス。
▲5三歩△同金直▲6一飛で決まっていた。
だが、本譜でも▲1二竜が盲点となるような一手
で、先手の手勝ちもようである。
▲2二銀成  △4三玉    ▲5八金    △4六桂
▲3九銀    △5八桂成  ▲3二銀    △同 金
▲同成銀    △5五銀    ▲3三成銀  △5四玉
▲5二龍(図)

二度目の△4六桂に対する▲3九銀がうまい受け。
以下、手順に守り駒を竜で奪われてはついに万策
つきる。
中野さんは全国大会初出場、しかも体調を崩しな
がらの執念の優勝。終局後しばらくはまわりを感動
の波が取り巻いていた。
        △6四歩    ▲4三龍    △6三玉
▲5四歩    △4七角成  ▲3八金    △5六馬
▲8四金    △5二金    ▲同 龍    △5四玉
▲6九香    △同成桂    ▲5七桂    △4六銀
▲6六桂まで105手で先手の勝ち