棋譜と解説 | 図面 |
▲7六歩 △8四歩 ▲5六歩 △5四歩
▲5八飛 △5二金右 ▲5五歩 △同 歩
▲同 角 △3四歩 ▲2二角成 △同 銀
▲7八金(図)
中野博文(なかのひろふみ)さんは鳥取県出身だが
このときは和歌山在住。全国大会は初出場であり、
ダ−クホ−スだったが中終盤の力を発揮して強豪を
ごぼう抜きにして勝ちあがってきた。
古賀一郎(こがいちろう)さんは九州大学時代に
21歳でアマ名人になった、棋才あふれる超強豪。
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△4二金直 ▲5四歩 △6二銀
▲7七桂 △6四歩 ▲5五角 △3三銀
▲6四角 △9二角 ▲4八玉 △5六歩(図)
中野さんは力戦中飛車。実はこのとき彼は肺炎を
患いながら本大会に出場しており、短期決戦に持
ち込むべくこのような戦法を選んでいた。
互いに角を打ち合ったが、後手の△9二角は押さえ
込みをはかろうという狙い。 | |
▲6六歩 △6三銀 ▲7五角 △5四銀
▲3八玉 △5五銀 ▲6七金 △4四銀上
▲6八銀 △4五銀 ▲6五歩 △3三桂(図)
後手の二枚銀の圧力が相当で、ここでは押さえ込み
が成功している。なんとか中央を突破できないか。
古賀さんはまだ居玉のままだ。 | |
▲4八銀 △8五歩 ▲5七歩 △6六歩
▲5六金 △同銀直 ▲同 歩 △6七金
▲5五歩 △7七金 ▲同 銀 △6七歩成
▲9八飛 △7七と ▲7一銀(図)
△7七金は考えすぎ。単に△5八金▲同金△8九
飛で十分だった。
▲7一銀は狙いの一手。飛車が取れた。
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△7二飛
▲8二金 △7一飛 ▲同 金 △4一玉
▲5四歩 △3二玉 ▲8一金 △5四銀
▲5八飛 △6五角 ▲4六桂 △4五銀打(図)
ここに来て後手の居玉が響いてきた。どうやら古賀
さんは▲7一銀を見落としていたらしい。
▲5二飛と今度は自陣の飛車の活用。もともとこの
飛車は取られるはずだったのだから元気がいい。 | |
▲5四桂 △同 銀 ▲6一飛 △5三歩
▲1一飛成 △2二銀 ▲1二龍 △4六桂
▲2八玉 △5八桂成 ▲1一銀 △4四歩(図)
一転して先手優勢となったが▲6一飛は小ミス。
▲5三歩△同金直▲6一飛で決まっていた。
だが、本譜でも▲1二竜が盲点となるような一手
で、先手の手勝ちもようである。
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▲2二銀成 △4三玉 ▲5八金 △4六桂
▲3九銀 △5八桂成 ▲3二銀 △同 金
▲同成銀 △5五銀 ▲3三成銀 △5四玉
▲5二龍(図)
二度目の△4六桂に対する▲3九銀がうまい受け。
以下、手順に守り駒を竜で奪われてはついに万策
つきる。
中野さんは全国大会初出場、しかも体調を崩しな
がらの執念の優勝。終局後しばらくはまわりを感動
の波が取り巻いていた。 | |
△6四歩 ▲4三龍 △6三玉
▲5四歩 △4七角成 ▲3八金 △5六馬
▲8四金 △5二金 ▲同 龍 △5四玉
▲6九香 △同成桂 ▲5七桂 △4六銀
▲6六桂まで105手で先手の勝ち | |