棋譜と解説 | 図面 |
▲7六歩 △8四歩 ▲7八飛 △8五歩
▲7七角 △3四歩 ▲6六歩 △6二銀
▲6八銀 △4二玉 ▲4八玉 △3二玉
▲3八玉 △5四歩 ▲2八玉 △3三角
▲1八香(図)
遠藤さんはすでに平成4年に支部名人になっており
これが二度目の東西決戦。
木村さんはこのような大舞台に出るのははじめてだ
が、実力はすでに全国クラスの関西若手NO.1
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△2二玉 ▲1九玉 △1二香
▲2八銀 △1一玉 ▲5六歩 △2二銀
▲5七銀 △5三銀 ▲3九金 △3一金
▲5九金 △5一金 ▲4九金左 △4一金右(図)
遠藤さんはいわずと知れた穴熊の使い手。木村さん
も居飛車穴熊が得意で、長い駒組合戦。 | |
▲3八金左 △7四歩 ▲3六歩 △7二飛
▲5九角 △3二金右 ▲9八香 △6四銀
▲3七角 △5五歩 ▲6五歩 △同 銀
▲5五歩 △5六歩(図)
相穴熊特有の細かいかけひきだが、銀を中央に進出
できてはやや後手が指しやすいかと思われた。
だが、まだ優劣をつける段階ではない。 | |
▲4六銀 △6四歩
▲5八飛 △2四角 ▲3五歩 △8六歩
▲6六歩 △7六銀 ▲5六飛 △6七銀不成
▲5七飛 △6八銀不成▲5八飛(図)
遠藤さんの▲5八飛から▲6四歩が巧妙。進出して
きた銀を攻めの目標に変えてしまった。
さて、図では銀の進退が極まってしまったが、どう
する。 | |
△8七歩成
▲6八飛 △9八と ▲5四歩 △5二歩
▲5三歩成 △同 歩 ▲5八飛 △8二飛
▲7七桂 △8七飛成 ▲5三飛成 △3六香(図)
互いに飛車を成り込んだが、銀香交換で先手が得。
ただし、図の△3六香が強烈で後手の判断は正しかっ
たようだ。
先手の竜の位置はいまひとつ迫力がない。
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▲5二龍 △5一歩 ▲7二龍 △7七龍
▲2五銀 △3七香成 ▲同 金 △1五角
▲3四歩 △4一桂 ▲5二歩 △同 歩
▲8一龍(図)
ついに中盤を越えて終盤に突入しようというところ。
△4一桂はすごい辛抱。先手は桂を取りながら竜を
一段目まで進出させた。
△5二歩には手抜きで本譜の寄せを狙った方が良かっ
たのだろうか。 | |
△3七角成 ▲同銀引 △3八歩
▲同 金 △7八龍 ▲3九香 △4九角
▲3三桂 △同 銀 ▲同歩成 △同桂右
▲3四銀 △3六歩(図)
▲3三桂の打ち込みは相当な迫力。ここから寄せ合
いになるが、互いに補強が効くので一筋縄ではいか
ない。
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▲同 銀 △3八角成
▲同 香 △同 龍 ▲3七銀打 △2四桂
▲5五角 △3六桂 ▲3三銀成 △2八桂成
▲同 銀 △3三桂 ▲2四桂 △2一金打(図)
駒得の木村さんが良く見えるが形勢は微差。
先手の回った遠藤さんがすさまじい食いつきを
見せる。ここではどちらの勝ちかわからない。 | |
▲3二桂成 △同金直 ▲3九金 △3五龍
▲3四歩 △同 龍 ▲2六桂 △3九龍
▲同 銀 △4四銀 ▲3四歩 △3一歩(図)
▲3四歩に△同竜と取ったのは疑問。▲5五竜と
角の方を取るべきだった。
さて、図となっては先手勝勢に思えるが、まだ
まだこの将棋は続くのである。 | |
▲3三歩成 △同 金 ▲3四歩 △3二金引
▲3三桂 △2二金打 ▲2一桂成 △同 金
▲3三角 △2二銀 ▲同角成 △同金寄
▲3三銀 △3五桂(図)
このあたりお互いに一歩も引けない攻防が続いて
いる。ようやく間隙を縫って△3五桂。第二弾の
寄せ合いが始まった。 | |
▲2八金 △3二金打
▲2二銀成 △同金寄 ▲4四角 △同 歩
▲3三銀 △5五角 ▲4六金 △1五桂
▲2二銀成 △同 金 ▲3八金打(図)
先手、後手共に自陣へ金を投入する手がいくつ
出てきたことだろう。
今度は先手陣の方が薄くなってきたので金打ち
の補強。 | |
△4六角
▲同 歩 △5四角 ▲3三歩成 △8一角
▲3四桂 △2一銀 ▲4三角 △3二香
▲2二桂成 △同 銀 ▲同 と △同 玉
▲4二銀 △2一金(図)
先手は竜を捨てて迫る。この判断は良かったのだが
▲4三角が失着。ここは▲4二角で寄っていた。
△3二香と打たれては急に後手玉が深くなった。 | |
▲3四歩 △2七角成
▲3七飛 △同 馬 ▲同金右 △2七桂打
▲同金寄 △同桂左不成▲2八玉 △1九銀
▲3七玉 △5七飛 ▲4七桂(図)
▲3七飛が最後の失着。ここは▲2五飛と打てば
まだ難しかった。
本譜は詰ましにかかる。本当に詰むのか? | |
△同桂成
▲同 金 △3五飛 ▲3六金打 △同 飛
▲同 玉 △2四桂 ▲3五玉 △2五金
▲同 玉 △1四銀 ▲3五玉(図)
ここまで来ればようやく詰みが見えてきた。
とにかく大熱戦。すごい将棋だった。 | |
△5五飛成
▲2六玉 △2五銀 ▲2七玉 △3六金
▲3八玉 △4七金 ▲同 玉 △3六銀
▲3八玉 △4七金まで202手で後手の勝ち
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