正棋会の果たした役割              

 2001/10/16 正棋会 山崎康雄(前会長)

この10月7日に正棋会は35周年を迎えた。正棋会の紹介については,今まで何回か紹介しており,
野山現会長の力作のホームページもあるので,そちらに譲り割愛するが,この35周年にあたり,
その果たしてきた役割について考えてみた。

その1番目はなんと言っても,関西におけるアマチュア将棋の普及に役立ってきたということ
であろう。
将棋になみなみならない情熱を持っている人達、すなわち将棋を楽しみたい、将棋を指したい,
将棋が強くなりたい、いろいろな強豪と指したいという人達に35年の永きに渡り,その場を提供
してきた。
一般にクラブでは、そう多くの強豪と指せることは少なく、相手も限定されているが、
月一回の正棋会例会には、関西一円から、60〜70人も強豪が集まってくるので、
いろいろな強豪とクロスゲームを楽しめ、調子が良ければ,優勝でき,賞金までもらえることとなる。
そして、幹事は選手と世話役を兼ね、ボランティアしているので、会費の多くの部分は賞金に費や
されている。
そして、年12回の例会の対局の仕方もレーテイングに応じ3クラスに分ける例会や、クラス分けを
しない王将戦、5クラスに分けるレーテイング入れ替え戦、会員以外も参加できるレーテイング戦
など工夫を凝らし、マンネリにならないようにしてきた。
その結果、関西の強豪の中で、正棋会に顔を出したことのない強豪を見つけることは困難なほどで
ある。

2番目はレーテイングの普及であろう。正棋会では早くからアマレン提唱のレーテイング制度
を例会に導入し,正棋会ランキングを公開してきた。
レーテイングは段級より, 実力を合理的で,客観的に正しく,しかも木目細かく評価できるので、
ただ勝敗だけでなく、腕の上達の指標となり、大いに励みとなる。
現在ではレーテイングにより、3クラスにわけ,実力接近した対戦を心がけてきた。又,稀ではあるが
200点差以上の対戦で下位者が勝てば、殊勲賞なども設けた。
又、最近では例会とは別にレーテイングをもとに、持ち時間のハンディキャップマッチも行い、上手
に厳しい土曜会も設定されている。

3番目は平成最強戦の開催である。上記の2つは、関西中心のユーザーを対象としたものであるが、全国
の強豪を対象としたものとして、正棋会の熱心な会員である武本義雄さんがスポンサーとなって、平成
元年に優勝賞金80万円の賞金大会が開催された。
その後アマレンが主催、正棋会が後援で運営され、毎年8月のお盆には、“大阪で会おう”を合言葉に全国
の強豪が大阪に集まって、文字通り、アマチュア将棋の祭典と化している。
毎年、参加人数が心配されるが、交通費、宿泊費は勿論自費で、全国は、北海道から、沖縄まで、常に200
人を上回る強豪が参加し、本線の最強戦は勿論のこと、ミニ最強戦、飛び入り戦、早指し戦に3日間を将棋
三昧に浸り、各地の交流が図られている。

4番目は朝日アマ将棋名人戦の近畿地区大会の運営である。この大会は勿論、朝日新聞社の主催であるが、
運営面で正棋会がお手伝いしている。この大会では、強豪だけでなく、底辺の人々にも多く参加してもらう
べく、会費も1500円と安く、会場も少しリッチで、交通の便の良いリバーサイドホテルに設定している。
そのため、参加者は毎年、300人近い参加が得られ、近畿地区では一番の盛会となっており、幹事も世話する
のに右往左往している。

このように、いろいろな面で将棋の普及に精力的に努力をしてきたつもりですが、前会長の中西弘次さんから、
会長を引き継いで約20年もたち、いささかマンネリ気味であり、年もとってきている。旧態然とした、将棋界
にも、パソコンやインタネット等の新しい流れが入ってきており、世の中の早い動きの中で、老害にならぬうち、
若手に譲るべきと考え、役員会で相談したところ、後任について、野山知敬さんが、新会長を引き受けて頂ける
ということで、35年を機会に会長を辞任することとした。

今後、会員の皆さん方が今まで以上に将棋に情熱をもちつづけ、新会長以下幹事の方々が新しい時代の流れを
とり入れ、40年、50年と正棋会を発展させて頂きたいと願う次第である。

(了)