週刊新潮 平成14年10月17日

週刊新潮平成14年10月17日号

週刊新潮は、「大作」に引っ掛けて創価学会を皮肉りつつ、大石寺への誹謗中傷が的外れであるという内容。建築の規模を説明するとともに、経緯についても言及されている。また、日蓮「大聖人」と、正宗の教義に基づいて正確に記述している点は高く評価できる。

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見よ、「大作」!

とにかくデカいのである。横幅75メートル、奥行き116メートル、高さは何と55メートル。あの東大寺大仏殿がすっぽり入る。階段の部分に芥子粒のように写っている人影を見れば、その超「大作」ぶりがわかろうというものだ。

これは静岡県富士宮市にある日蓮正宗の総本山、大石寺の奉安堂。宗祖である日蓮大聖人直筆の「大御本尊」を安置する建物だ。平成12年4月に着工して、今月完成。総工費は210億円。内部には230畳余の僧侶席と、5004の信徒席が設置されている。

以前はこの「大御本尊」、昭和47年にできた正本堂という建物に安置されていた。当時、信徒団体だった創価学会がわずか4日間で集めた350億円のうちの約200億円を投じて建てられた、豪華絢爛な現代的仏教建築だった。

ところが、日蓮正宗は平成2年12月に、信者のトップである総講頭の地位にあった池田大作・創価学会名誉会長を罷免。翌年には創価学会ごと破門した。それ以来、両者の対立はエスカレートするばかり。遂に平成10年には「仏法破壊の言動を繰り返す池田大作が願主になった建物を利用するつもりはない」と、正本堂を取り壊してしまった。

創価学会は大石寺から破門されて以来、「大石寺にはペンペン草が生えている」「境内には野良犬が徘徊している」などと、激しい誹謗中傷を繰り広げてきた。有力な信徒団体であった彼らにとって、自分たちを破門した総本山・大石寺が栄えてしまっては困るからだ。

だが、残念ながら大石寺にはペンペン草は生えていなかった。野良犬も徘徊していなかった。それどころか、かつて彼らが誇りとしていた正本堂があった場所に、こんな巨大なモノが建てられてしまったのだから、学会のメンツは丸つぶれだ。それにしても、大作サン……、悔しいだろうなあ。 撮影・土居 誉