妙法蓮華経如来寿量品第十六(大石寺版訓読み)


御経行・散華(19Kb) 来る3月26日より奉修される慶祝法要では、『御経行』が行われる。『御経行』とは行道僧による誦経・散華の儀で、基本的には御遠忌(50年区切り)でのみ行われる儀式である為、これを目にする機会はほとんど無い。ところが大客殿新築というこの大慶事に当り、『御経行』が落慶法要本会のみならず、一般の登山者の参加する慶祝法要においても執り行われるという。

写真は宗祖日蓮大聖人第七百遠忌大法会(昭和56年)における、『御経行・散華』(於御御影堂)の模様である。

題目三唱せられた後、御法主上人猊下の大導師のもと、方便品、寿量品長行の読経が進む。「而説偈言」に至ると磬一打され、ついで自我偈の訓読に入る。同時に行道僧が立って行道散華を始める。

お気づきのことと思うが、日常の勤行における読経は全て真読(音読み)である。 自我偈の訓読を聞いたことのある方は少数であろう。訓読そのものは『妙法蓮華経開結』(大石寺版)に掲載されているが、真読同様やはり独特のリズムがある。

そこでここに『妙法蓮華経如来寿量品第十六』(大石寺版訓読み)を掲載するので、御住職に伺うなどして練習しておくと、人生で又と無いかもしれない『御経行・散華』の儀に、 さらに有意義に臨む事が出来るであろう。


妙法蓮華經如來壽量品第十六

我ーれー佛(ほとけ)ーをー得てよーりーこのかーたー。經たるー所ーのー諸のー劫數ー。無ー量百千万。 億載阿ー僧祇なりー。常にー法をー説いてー。無數億のー衆ー生をー教化ーしーてー。 佛道にー入ら令(し)ーむー。爾しーよーりーこのかーたー無ー量劫なーりー。 衆ー生をー度ーせんがー為のー故にー。方便しーてー涅ー槃を現ずー。而もー實にーはー滅度ーせーずー。 常にー此(ここ)にー住しーてー法をー説ーくー。我ーれー常にー此にー住すれどーもー。諸(もろもろ)のー神通力をー以てー。 顛倒のー衆ー生をーしーてー。近しーとー雖ーもー而もー見えざらしーむー。衆ー我ーがー滅度ーをー見ーてー。 廣くー舎利をー供ー養しー。ことごとくー皆ーなー戀慕ーをー懐いーてー。渇仰のー心ーをー生ずー。 衆ー生既にー信伏しー。質直にーしーてー意(こころ)ー柔軟にー。一心にー佛ーをー見ーたてまつらんとー欲しーてー。 自ーらー身命をー惜まーずー。時にー我ーれー及びー衆ー僧。倶にー靈鷲ー山にー出ーずー。 我ーれー時にー衆ー生にー語るー。常にー此にー在てー滅せーずー。方便力をー以てーのー故にー。 滅不滅ー有りとー現ずー。餘國ーにー衆ー生のー。恭ー敬しー信樂するもーのー有ればー。 我ーれーまーた彼(か)の中にー於てー。為にー無ー上のー法をー説ーくー。なんだーちー此をー聞かずーしーてー。 但ーだー我ーれー滅度ーすーとー謂えーりー。我ーれー諸のー衆ー生をー見るにー。苦ー海にー没在せーりー。 かるがー故にー為にー身ーをー現ぜずしーてー。其れをーしーてー渇仰をー生ぜーしーむー。 其の心ー戀慕ーするにー因ってー。乃ーちー出でてー為にー法をー説ーくー。神通力是(かく)のー如しー。 阿ー僧祇ー劫にーおいてー。常にー靈鷲ー山。及びー餘ーのー諸のー住処ーにー在ーりー。衆ー生劫盡(つ)きてー。 大火ーにー燒かるるとー見る時もー。我ーがー此の土ーはー安穏にーしーてー。天人常にー充滿せーりー。 園林諸のー堂かーくー。種種のー寶ーをーもってー荘嚴しー。寶樹ー華ー果ー多くーしーてー。 衆ー生のー遊ー樂する所ーなーりー。諸ー天天のー鼓ーをー撃てー。常にー衆(もろもろ)のー伎樂ーをー作(な)ーしー。 曼陀羅華ーをー雨(ふら)しーてー。佛ー及びー大衆ーにー散ずー。我ーがー淨土ーはー毀れーざるにー。 而もー衆ーはー燒け盡きてー。憂ー怖ー諸のー苦ー惱是のー如くー悉くー充滿せりとー見ーるー。 是ーのー諸のー罪のー衆ー生はー。惡業のー因縁をー以てー。阿ー僧祇ー劫をー過ぐれーどーもー。 三寶のー名(みな)をー聞かずー。諸のーあらゆーるー功コをー修ーしー。 柔和ー質直なる者はー則ーちー皆ーなー我が身ー此にー在ってー。法をー説くとー見ーるー。 或る時はー此の衆ーのー為にー。佛壽ー無ー量なりとー説ーくー。 久ーくーあってー乃(いま)しー佛ーをー見ーたてまつるー者にーはー。為にー佛にはー値ひ難しーとー説ーくー。 我ーがー智力ー是のー如しー。慧ー光照すーこーとー無ー量にー壽命無數劫なーりー。 久ーくー業をー修してー得(う)る所ーなーりー。なんだーちー智有らんもーのー。 此にー於てー疑いをー生ずること勿れー。當にー断じーてー永くー盡き令むべーしー。 佛語ーはー實にーしーてー虚(むなし)ーからずー。医(くすし)ーのー善ーきー方便をーもってー。 狂子ーをー治ーせんがー為のー故にー。實にーはー在れどーもー。而もー死すとー言うにー。 能ーくー虚ー妄とー説くもーのー無きがー如くー。我もーまーたー為(こ)ーれー世のちーちー(父)。 諸のー苦ー患を救うー者なーりー。凡夫ーのー顛倒せるをー為(もっ)てー。 實にーはー在れどーもー而もー滅すーとー言う。常にー我をー見るをー以てーのー故にー。 而もーきょう恣ーのー心ーをー生じー。放逸にーしーてー五欲ーにー著しー惡道のー中にー堕ちなーん。 我ーれー常にー衆ー生のー道(どう)をー行じー。道をー行ぜーざるをー知てー。 應(まさ)にー度す可ーきー所にー随ってー。為にー種種のー法をー説ーくー。

『毎(つね)に自ら是の念を作(な)さく。何を以てか衆生をして無上道に入り。 速(すみや)かに佛身を成就ーすることを得せ令めんとー。』



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