大白法

平成22年6月16日号


 抜粋



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総本山において御影堂立柱式
いったん解体された御影堂の組み上げが始まる 工期は平成25年10月末


総本山において、6月8日午前10時半より、御影堂立柱式が執り行われた。御影堂素屋根内で御法主日如上人猊下の大導師のもとに行われたこの立柱式には、御隠尊日顕上人猊下が御出仕あそばされ、立正安国論正義顕揚750年記念局委員長の総監・八木日照御尊能化、同副委員長の重役・藤本日潤御尊能化、高野日海・光久日康・菅野日龍の各御尊能化、宗会議長の土居崎慈成御尊師、総本山総合整備事業委員会主任委員の佐藤慈暢御尊師(大石寺主任理事)、同副主任委員の小川只道御尊師(大石寺理事)ほか記念局常任委員の御尊師方、総本山総合整備事業実行委員の御尊師方が御出席された。また、信徒より、記念局副委員長の総講頭・柳沢委員長、石毛寅松・渡辺定元(総本山総代)・大草一男・関野洋夫の各大講頭、井出光彦総本山総代、実行委員の信徒が代表として出席したほか、県文化財保護審議会委員の建部恭宣氏、富士宮市教育委員会教育文化課課長の渡井一信氏をはじめとする修理委員会委員の6名、株式会社奥村組社長・奥村太加典氏ら工事関係者11名、合わせて130余名が出席した。

式場である素屋根内、御影堂の須弥壇部のには白布と赤い水引きで飾り付けられた4本の柱が立てられ、祭壇が設けられて式の準備が整えられていた。定刻、参列者一同がお待ち申しあげる中、開式の辞が述べられ、出仕太鼓が鳴り響くと、御法上人猊下が式場へ入られた。着席された御法上人猊下は題日三唱をなされ、一同が唱題する中、御本尊が奉掲された。読経・唱題と進められ、御法主上人猊下・御隠尊上人猊下の御焼香に続いて、八木総監、佐藤主任理事・柳沢総講頭・渡辺総本山総代、奥村組社長の順に、焼香台まで進み出て、焼香を行った。

この後、「立柱の儀」が行われた。立柱の儀とは、総本山御影堂・大改修工事の行程において、いったん解体された御影堂が、再び組み上げられていくのに際し、その事始めとして行われる儀式である。須弥壇を支える4本の柱を立ち上げ、それぞれの柱に足固め貫きを差し、楔(くさび)を打ち込むことによって御影堂の永遠堅固を期するものである。4本の柱のうち、須弥壇向かって右手前の柱の脇に御法主上人猊下が立たれた。また、左手前の柱には八木総監、右奥の柱には柳沢総講頭、左奥の柱には奥村社長がそれぞれ立ち、一斉に木槌で三度、楔を打ち込んだ。

御法主上人猊下が席に御戻りあそばされると、佐藤主任理事が挨拶に立った。佐藤主任理事は、参列の関係者各位への御礼、御影堂とへ改修工事進捗の概略を述べられ、平成25年10月末の工期終了までこの大工事が無事故で進められ、創建当時の荘厳な輝きが蘇ることを念じて挨拶とされた。唱題の中、御本尊が再び収められ、閉式の辞が述べられ、題日三唱をもって、総本山御影堂立柱式はつつがなく終了した。


この後、参列者は大書院に移動し、饗応が行われた。御法主上人猊下が午前11時40分過ぎに大書院にお出ましになられると、開式の辞が述べられた。

初めに御法主上人猊下より御言葉を賜った。御法主上人猊下は御言葉の中で、このたびの大改修工事が施されることとなった経緯について、御影堂は寛永9(1632)年に創建され、これまで元禄13(1700)年、明治35(1902)年、昭和46年(1971)年と改修工事が施されてきたが、近年予想される東海大地震への対策から立正安国論正義顕揚750年記念局として検討の末、大改修工事を計画したことを振り返られ、さらに御影堂が本宗にとり信仰の上にも歴史的にも重要な伽藍であること、また文化遺産としての意義を持つことを述べられた。そして、この先何百年と御影堂が保存され為宗為法その役割を果たしていくことは、令法久住・広宣流布の上からも重要なことで、必ずや仏祖三宝尊の御照覧を賜るものと信じると仰せられた。

その後、八木総監の発声で乾杯し、和やかな歓談のひとときを持ち会食が行われた。最後に、佐藤主任理事より丁重な謝辞が述べられ、閉式の辞をもって立柱式のすべてが終了となった。




御法主日如上人猊下御言葉

総本山御影堂立柱式祝賀会の砌
平成22年6月8日 於 総本山大書院


 本日は、総本山御影堂立柱式にあたりまして、御隠尊日顕上人猊下には時節柄まことに御繁忙の折をわざわざ御出席賜り、その上、本席にまでおみ足をお運びいただきましてまことに有り難く、厚くお礼申し上げます。御隠尊猊下、まことに有り難うございました。

 また、八木総監をはじめ宗内教師代表の方々、柳沢総講頭をはじめ法華講の代表の方々、大石寺総代様、静岡県文化財保護審議会委員b建部先生をはじめ御影堂修理委員会の方々、奥村組代表取締役b奥村社長をはじめ工事関係者の代表の方々には、お忙しいところをわざわざ御出席いただき、まことに有り難く、厚く御礼申し上げます。

 総本山御影堂は、古くからありましたが、今回、大改修される建物は寛永9(1632)年、17世日精上人の時、阿波徳島の藩主b蜂須賀至鎮(よししげ)公夫人、敬台院の寄進によって建立されたものであります。その後、元禄13(1700)年、24世日永上人の時および明治35(1902)年、56世日応上人の時、さらに昭和46(1971)年、66世日達上人の時に改修工事が施されました。

 しかし、近年予想される東海大地震に対して万全の対策を取る必要から、立正安国論正義顕揚750年記念局常任委員会ならびに全体会議等において、種々検討を加えた結果、抜本的に堂宇を解体し、再建することが最善の方途と結論し、今回の大改修工事になった次第であります。

 御影堂には、嘉慶2(1388)年、6世日時上人の時、越前法橋快恵謹作の日蓮大聖人等身の御影(みえい)が安置されており、本宗にとって、信仰的にも歴史的にもまことに重要な伽藍(がらん)であります。また、昭和41(1966)年には、静岡県の有形文化財に指定されており、文化遺産としても、後世にに長く保存されていくべき建造物であります。

 宗門といたしましては、今回の大改修工事によって、こうした要求に応え、この先、百年、二百年、何百年と御影堂が保存され、為宗為法、その役割を果たしていくことは、令法久住b広宣流布の上からもまことに重要なことで、必ずや仏祖三宝尊の御照覧を賜るものと信じてやみません。今後は、宗内僧俗御一同様には、このあとのさらなる御協力をお願い申し上げるともに、工事関係者御一同様には、工事無障礙(こうじむしょうげ)にして全行程がつつがなく完了されますよう心からお祈り申し上げるものでございまさす。

 なお、本日は粗酒粗肴にてはなはだ御無礼ながら、皆様には時間の許す限り、ごゆっくりと御歓談くださるよう心からお願いを申し上げ、御礼ならびに御挨拶とさせていただきます。本日は、まことに有り難うございました。




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