平成11年9月30日
日 蓮 正 宗 宗 務 院 [印]
宗 内 各 位

お 知 ら せ


クロウ事件裁判−続報−創価学会の虚報に注意

一、昨日報告しましたように、大詰めを迎えたクロウ事件裁判で、宗門側は、9月28日、東京地裁に、シアトル警察及びアメリカ空軍の記録や公文書計15点余りを提出しました。それにより、スプリンクルが6ケ月間の兵役のため、1962年10月30日から1963年5月6日までシアトル警察を休職していたこと、従って、1963年3月、いわゆる「シアトル事件」の「現場パトロール警察官」などではあり得なかったことを、疑問の余地なく立証しました。

二、ところで宗門は、去る8月26日、シアトルにある連邦地方裁判所(ドワイヤー判事)に対しても、スプリンクル証人が3年前のデポジション(証言録取手続)の際、1963年3月当時、軍務休暇中であったことを隠し、現場パトロール警察官であったと証言したのは明らかな偽証であり、司法秩序を乱した行為であるとして、スプリンクル証人に対する制裁の申し立てを行いました。

三、これに対し創価学会側とスプリンクル側は、東京地裁の裁判は年内に結審することになっておリ、アメリカの裁判所が、今、スプリンクルに対して傍証の制裁を行えば、それは東京地裁の判断に不当な影響を及ぼすことになり、裁判干渉に当たると主張して、強硬に反対しました。

四、ドワイヤー判事は事実調査に深入りすることを避け、スプリンクル証人が偽証したかどうかは、本案の係属している日本の裁判所が決めるべきで、アメリカの裁判所が決めるべきではないとして、宗門のスプリンクル偽証制裁の申立てを却下しました。(9月27日付決定。但し、当事者へは9月28日、日本時間9月29日送達)。

五、ドワイヤー判事の決定は、日本の裁判所に対する敬意から、少しでも裁判干渉になるような恐れのある行為は差し控えたいという配慮を示したものと解されます。ドワイヤー判事は詳しい事実調べはせず、スプリンクル本人から直接弁明させる措置も取らず、宗門側が提出した証拠も東京地裁に提出したものに比べると、その極く一部にとどまっている段階で審理を打切り、この段階では真偽は十分明らかではないが、あとは日本の裁判所が審理を尽くして最終判断を下すべきものであるとして、自ら判断を下すことを避けたものです。

六、この点につき、創価学会側は、9月30日付聖教新聞に記事を載せ、「今回、ワシントン州連邦地方裁判所は、スプリンクルが偽証をしたことは認められないとして、宗門側の主張をすべて斥ける決定を下した」などと書いています。しかし真相は上記のとおりであり、創価学会の報道は、ためにする虚報であります。

七、上に述べましたように、日本の裁判所においては、宗門はスプリンクルの偽証を疑問の余地なく確証する記録や公文書を全部提出済で、9月28日の法廷において、その全趣旨を説明しました。これに対し、創価学会側は、9月28日の法廷で、スプリンクル自身の軍務休職に関する弁明言さえ出せませんでした。宗門側代理人が、一体、被告創価学会は、スプリンクルが(a)当時軍務休職中なのに、夜間、シアトル警察にボランティア(給料を貰っていない)として働いていたと主張するのか、それとも(b)当時既に兵役から解除されてシアトル警察に復職していたと主張するのか、どちらなのか明確にせよ、と問い詰めたのに対し、創価学会側代理人は、次回にその点を明らかにすると言って逃げました。どちらのストーリーが有利か、まだ、検討中ということでしょう。

八、「人」と違って嘘を言わない「物」−35年前に作られた公記録・公文書−と、今作ったストーリーを35年前の記憶の如くよそおった供述書と、どちらに証明力かあるかは、説明の必要もないでしょう。宗門は、人事を尽くし、今や、日本の裁判所の公正な判断を俟つのみです。

以 上