院第3742号 平成16年2月26日 宗 内 一 般 日 蓮 正 宗 宗 務 院 [印] 写真偽造事件裁判 ― 最高裁が宗門に上告棄却の不当決定 「御法主上人(個人)に対する名誉毀損を認めながら、日蓮正宗・大石寺(宗門) に対する名誉段損には当たらない」との常識はずれの高裁判決を黙過した怠慢決定 去る2月14日、写真偽造事件において最高裁判所第三小法廷(金谷利廣裁判長)は、日蓮正宗 と大石寺の上告を棄却する不当な決定を下しました。 本件は、そもそも宗門僧侶2名が自らの古稀記念祝賀会に、御法主日顕上人猊下を含む僧侶11 名、夫人8名を招待し開催された際の写真を、恰も御法主上人お独りがいわゆる『芸者遊び』をし ているかのように意図的に加工を施し、これに極言した侮辱的大見出しを付けて悪質な誹謗中傷記 事に仕立て上げ、平成4年11月に2回にわたって『創価新報』において大捏造報道を行い、その 後も大々的に名誉毀損報道を繰り返した創価学会特有の悪質極まりない事件であります。 これに対し、日蓮正宗及び大石寺は、平成5年5月、右名誉毀損報道により布教妨害等、多大な 損害を被ったため、真実を明らかにするとともに、煽動・加担した池田大作および創価学会の違法 を断罪するべく、謝罪広告と損害賠償等の支払いを命ずる判決を求め提訴しました。 東京地裁―池田大作と創価学会に損害賠償命令 第一審東京地裁(平成11年12月6日判決)は、『創価新報』の写真が創価学会によって加工 された御法主上人への「人身攻撃」であり、「宗教関係者も世間一般の社会ルールを守るべきは当 然のことである」と認定して、御法主上人を含む宗門に対する名誉毀損を認め勝訴判決を下しまし た。 これに対し、創価学会が控訴したところ、東京高裁(平成12年12月5日判決)も、創価学会 が偽造した写真を「写真を見た者に対し、阿部日顕一人が酒席で芸者遊びをしているとの実際の状 況とは異なった印象を抱かせるのに十分であり、これをもって客観的な報道ということはできず、 修正の限度を超えている」と認定し、さらに、『創価新報』の記事は、「正当な言論や評論の域を 超え、単に阿部日顕を揶揄し、誹謗、中傷するものとして、違法性を有するものというべきである」 として、御法主上人に対する名誉段損が成立することを明確に認定し、創価学会の違法行為を厳し く断罪しました。 東京高裁―肩すかしの不当判決 しかしながら、他方で東京高裁は、この報道は御法主上人個人に向けられたものであるから、 「これをもって直ちに、被控訴人両名(日蓮正宗・大石寺)に対する不法行為に該当するというこ とはできない」との奇妙な理屈を持ち出して、結論的には日蓮正宗・大石寺の請求を棄却するとい う不当判決を下したのであります。 およそ御法主上人に対する名誉段損があれば、それは即、日蓮正宗・大石寺に対する名誉段損で あることは誰の目にも明らかなことであります。この高裁判決の持ち出した理屈は、たまたま御法 主上人個人が原告に入っていなかったというだけで、宗門(日蓮正宗・大石寺〉の請求を認めない というものであり、これは裁判所という余りにも世間の常識から隔絶した、閉ざされた特異な世界 でしか通用しない理屈であります。 創価学会の行為は御法主上人に対する名誉殿損であるが、日蓮正宗・大石寺に対しては、何の責 任も取らなくてよいというのですから、あきれる外はありません。当然のことながら、宗門は、断 固とした決意をもって上告をなし、最高裁(上告審)において、次のように堂々たる主張を展開し ました。すなわち、 @ 日蓮正宗における御法主上人は、教義・信仰上の最高指導者であると同時に宗教法人の代表者 であり、一般の法人、他の宗教団体以上に密接であること、 A そして日蓮正宗・大石寺(宗門)自体の社会的評価を貶めるためには、御法主上人の「醜聞」 を撒き散らすことが最も効果的であり、平成3年以降、創価学会が御法主上人に対してなしてき た数々の名誉毀損行為も、その為であり、創価学会は日蓮正宗の信徒団体として、日蓮正宗の法 主の権能、尊崇さを具に見てきているが故に、その効果を熟知したうえでなされているものであ り、一層悪質であること、 B さらにこれ程の害意ある悪質な名誉殿損行為につき、教団としての是正処置・名誉回復処置を 求められないのであれば、宗教活動は著しく制限されてしまうこと、 などを指摘し、高裁判決の不当性を追及したのです。 最高裁―非常識な怠慢決定 ところが最高裁は、宗門側の上告理由を受理してから、約3年もの期間を徒に空費した挙げ句、 不当にも宗門側の主張を実質的に顧慮することなく、僅か数行の文章をもって、単に宗門側の主張 が憲法違反等の上告理由に当たらないとの形式的理由を示しただけで、宗門側の上告を棄却したの です。 最高裁が非常識な高裁判決を目前にしながら、これを真摯に見直そうとしなかったことは明白で、 これはまさに怠慢決定という外ありません。そして、結果的に、創価学会の反社会的行為を免責し、 このような違法行為を行った集団を、いわば野放しにしてしまったものです。 池田創価学会―“実質敗訴”を誤魔化した報道 創価学会は、この決定を受け、いつものように大々的報道を行っておりますが、『創価新報』に 掲載された報道が、「客観的な報道ということはできず、修正の限度を超えている」との高裁認定 があるにも拘わらず、これを「2枚の写真を一部修正して」と誤魔化し、また、「阿部日顕の資質 を追及した学会の正しさが改めて法廷の場で明白になった」とか「公正な論評だ」などと喧伝して います。 しかし、高裁判決は前記のとおり、「控訴人(創価学会)らが主張するような日蓮正宗の宗教上 の教義に関わる問題や阿部日顕の宗教的聖性についての論争、さらには、正当な言論や評論の域を 超え、単に阿部日顕を揶揄し、誹謗、中傷するものとして、違法性を有するものというべきである」 としており、創価学会が御法主上人に対して行った報道が違法行為であったことを明確に断罪して いるのですから、創価学会が現在行っている喧伝がまっかなウソであることは明らかです。 宗内各位には、本件写真偽造事件に限らず、内容では実質的に負けておりながら、たまたま結果 として勝訴したことのみを強調し、中身をすりかえるという創価学会の欺瞞的な常套手段に惑わさ れることなく、宗門の正義を持って断固として破折せられるように願います。 以 上 |